妊娠の話② 妊婦が座りたい、休みたい理由
こんにちは。p0k0です。
今日は「妊婦が座りたい理由」を自分が経験したこと、周りの妊娠経験者の話を元に書いてみたいと思います。
まず予備知識として、妊娠と母体の変化に関する話を書いておきたいと思います。
妊娠は昔より「トツキトオカ」といわれる通り、おおよそ10ヶ月間続きます。そして10ヶ月間は以下のように分類されます。
・妊娠初期(~13 週 6日)
・妊娠中期(14 週 0 日~27 週 6 日)
・妊娠後期(28 週 0 日~)
さらに細かく「超初期」のような初期を細かく区分する言い方も見られますが、ここでは産科婦人科用語集・用語解説集(2013年発行/第3版)にならいたいと思います。
それぞれが妊婦にとって、またお腹の中にいる子どもにとってどんな時期なのでしょうか。
妊娠初期(~13 週 6日)
妊娠初期にお母さんの体の中で起こる現象は以下のようなものです。
・受精卵が子宮に着床する(〜3週)
・胎嚢(赤ちゃんを包む袋)ができる(4週〜)
・赤ちゃんの心拍が始まる
・つわりが始まる
・胎盤の生成が始まる(7週〜)
・早い人はお腹がふくらみ始める(10週前後〜)
妊娠初期に、お母さんは産婦人科にいって妊娠判定を行うことになります。
多くの場合、お母さんは自身の生理が止まったことによって妊娠に気付くことになりますが、それだけでは妊娠したことにはなりません。
妊娠反応を尿検査で確認し、さらに胎嚢を確認することで「正常妊娠している」と判定されることになります。
胎嚢が確認できない場合は、流産している or 異所性妊娠を疑うことになります。
異所性妊娠は、本来子宮内に着床するはずの受精卵が子宮ではなく他の場所、例えば卵管内などに着床することです。
子宮内に着床しないと胎盤が生成できない、子どもが育たないために受精卵を処置によって取り出す必要がでてきます。
また、流産の8割は妊娠初期に起こると言われています。全妊娠の15%程度は流産すると言われているので、10人に1人か2人は残念ながら流産を経験するということになります。
妊娠初期に座りたい、休みたい理由
妊娠初期に見た目に変化が出る人はまれなんじゃないかな、と自身や周りの友人をみて思います。
が、体の中では大きな変化が起こっているため、すでにつわりが始まっている人もいれば、初期の現象として子宮内に受精卵が着床する際に出血する人、生理のときのような下腹部痛やだるさ、眠気が現れることも多くあります。
見た目にはわかりませんが、妊娠初期の人は以下のような理由で座りたい、休みたい場面がでてきます。
・お腹がとても痛い
・吐き気がする
・立っていられないほど眠い
・立っていられないほどの頭痛やめまいがする
・貧血で全身に血が行き届かず、立っていられない
・ホルモンの影響で骨盤が開き、腰が痛い
これらはすべて、赤ちゃんが成長する準備のために、お母さんの体に変化が起こるために現れる症状です。実際ここに書いているよりいろんな症状が体に現れると思います。
それもそのはず、体の中では「胎盤」という新しい臓器を作るために、血液の多くが下腹部に集中します。
結果として多くの人が下腹部の痛み、血液不足による眠気、めまい、貧血や吐き気を経験するのです。
また切迫流産・切迫早産をさけるためになるべく安静にする必要がある人もでてくるでしょう。
しかし見た目にはわからない & 流産する可能性が高い時期であるので、周りに状況を言えずに助けてもらえないことが多々あると思います。
妊娠初期の見た目にはわからないときこそ、休みたい人も多いはず。
マタニティマークは「助けてほしい」の現れなので、ぜひ気付いてあげたいです。
妊娠中期(14 週 0 日~27 週 6 日)
妊娠中期にお母さんの体の中で起こる現象は以下のようなものです。
・赤ちゃんが急成長し、お腹が膨らみ始める(13、14週〜)
・胎盤が完成に近づく(14週〜)
・胎動(赤ちゃんの動き)が始まる(15週前後〜)
・胎盤が完成し、安定期に入る(16週〜)
・お腹が急激に重くなる
・お腹が膨らんだことにより下半身がむくむようになる
・お腹が急激に膨らむことにより妊娠線ができるようになる
妊娠中期に入ると、妊娠初期に生成が始まった新しい臓器である「胎盤」が完成します。
いわゆる「安定期」は胎盤が完成したタイミング以降を指しています。
胎盤が完成して赤ちゃんが胎盤とつながることで、
・胎盤を通して赤ちゃんに栄養がいくようになる
・流産の可能性が低くなる
・お母さんの体の中のホルモンの状態が落ち着く
などが安定期といわれる所以かと思います。
ただ妊娠中期以降も流産の可能性はありますし、切迫早産の可能性、赤ちゃんに栄養を届けるために血液がより一層必要であること、
またお腹が重たくなってくることによって
お母さんの体や心への負担が別の形で現れてきます。
妊娠中期に座りたい、休みたい理由
妊娠初期と比較すると、多くの人が妊娠中期に見た目に変化が出てきます。ただし出にくい人もいますし、見た目以上に大変な思いをしている人も。
妊娠中期の人は以下のような理由で座りたい、休みたい場面がでてきます。
・(つわりだけでなく胃が圧迫されて)吐き気がする
・立っていられないほど眠い
・立っていられないほどの頭痛やめまいがする
・貧血で全身に血が行き届かず、立っていられない
・お腹がはって苦しい
・お腹が重くて苦しい
・お腹が重くなってきて腰が痛い
・お腹が大きくなってきて下半身に血流が行き届かず、足が痛い
これらはすべて、赤ちゃんが大きく成長するために、お母さんの体に変化が起こるために現れる症状です。
妊娠初期に比べて見た目にもわかるようになってきていますが、見た目では想像が難しいしんどさもあるでしょう。
妊娠後期(28 週 0 日~)
ついに妊娠後期。妊娠後期になるとお母さんは環境的にも、体の変化としても出産の準備に入ることになります。
妊娠後期に入るとお母さんの体の中では以下のような現象が起こります。
・羊水の量がピークを迎える
・血液量がピークを迎える
・前駆陣痛が始まる人もでてくる
・お腹がさらに重くなる
・子宮の大きさがピークを迎える
妊娠後期は羊水や血液量を増やすために、お母さんの血液中の水分量は増えてきます。そのため体のあちこちがむくんだり、むくみことによって神経が圧迫されてしびれることがあります。
また血液量は妊娠していない期間の1.5倍にもなるといわれており、心臓の負担が重くなって動悸が出ることもあります。
そして子宮が膨らむことが他の臓器が圧迫されています。これは妊娠初期から圧迫されているのですが、後期は特に圧迫が強くなり、肺が圧迫されて息苦しい、呼吸がしにくいといった症状が出る人も。
妊娠後期に座りたい、休みたい理由
妊娠中期と比較すると、ほとんどの人が見た目に変化が出てきます。
妊娠後期の人は以下のような理由で座りたい、休みたい場面がでてきます。
・胃が圧迫されて吐き気がする
・肺が圧迫されて息苦しい
・立っていられないほど眠い
・立っていられないほどの頭痛やめまいがする
・貧血で全身に血が行き届かず、立っていられない
・お腹がはって苦しい
・お腹が重くて苦しい
・胎動がはげしくてお腹が痛い、しんどい
・お腹が大きくなって腰がそってしまうために腰が痛い
・お腹が大きくなってきて下半身に血流が行き届かず、足が痛い
妊娠後期になると、お腹が大きい、あるいは重くて動けなくなる、お腹のハリがひどくてしんどくて外に出られない人もでてきます。
また早産をさけるために安静にしなければならない人も。
妊娠中のことは経験していないとわからない
私自身は妊娠初期から中期にかけて、つわりを経験しました。
二日酔いのような状態が毎日続き、頭痛と吐き気が波のように押し寄せました。
またもともと貧血気味だったのが貧血状態がひどくなり、じっと立っていると血の気が引いてしんどくなり、座り込むこともしばしば。これは妊娠初期から後期の現在にかけても続いています。
さらに妊娠を期に持病が悪化し、1日に何回もお腹を壊して外に出れないこともありました。
そんなときに仕事やその他のことに追われていると精神的にも体力的にもしんどいですし、移動中に座れる、家で座れるだけでホッとしたものでした。
私自身、妊娠するまで妊娠中の体の変化を経験することはありませんでしたし、そのしんどさ、辛さを想像することはできませんでした。
実際に妊娠している人から「こんなことが辛い」と聞く機会も作ることができなかったので、自分が妊娠してからわかったことは言語化しておこうと思って書いてみました。
書いたものを読んでみてもそのしんどさ、辛さを理解することは難しいしおそらく不可能です。
しんどさを理解できなくても、座りたい人、休みたい人がなぜ座りたいのか、休みたいのかをちょっとでも想像して、許容できる社会になると嬉しいなぁと思います。
次回は、妊娠期間中にかかる医療費について書きたいと思います。
それでは👋
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