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Barbour reproof

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今年の3月頃にバブアー日本企業撤退というニュースを聞いて、前々から気になってはいたので高円寺の古着屋Hurry-upさん(https://www.instagram.com/hurryup_koenji/)にて丁度良いサイズの 90’s
“ BEAUFORT “を購入しました。
以前の別記事にて、裏地のチェック部分の修復をお願いし(こちらもし宜しければ読んでみてください:https://note.com/p09a016/n/n249905fe2c2e)そこから梅雨に向けて準備万端だったのですが、今年は梅雨の期間が短く、数回程度しか着用する機会がありませんでした。


購入当初、裏地修復後(before wash & oil care)

そこから直ぐに夏になったので、出番なしの期間が続きました。バブアー自体購入するのが初めてだったため、一先ず他の衣類と接触しないように使用していないスーツケースに入れて保管することにしました。

10月に入り、衣替え云々を粛々と行っていて、そういえばどうなっているかなと見てみたら、それまで何も出し入れしていなかったので真っ白白スケになっていました笑(写真はお察しの通りなので、撮っていません。)やっぱりそうなりますよね、風通しも良くないクローゼットの中にずっとな訳ですし。これは何とかしないと折角裏地もリペアしてもらったし、と思い色々と調べました。

まず気になった記事がこちらSHIPSのショップスタッフさんのものです。(https://blog.shipsltd.co.jp/brand/ships/shop/ships-nambaparks/57f9cb5d-e819-4d09-acd0-0fe12c42a29f
要約すると
⒈ケアをしないとカビ臭くなる。
2.日本の湿度の高さはオイルドの生地に不向き。
3.裏側は密室状態なので汗などで湿った状態で保管するとしっかりカビる。オイル自体も湿度の高い環境だとカビてくる。
4.裏地はしっかりと殺菌消臭剤などを使用し、風通しの良いところで乾燥させてから収納するようにする。
5.自身でオイルを入れるなら春から夏の間にすることをおすすめ。オイルが生地に馴染むまで3ヶ月を要する。馴染むとベタつきも少しましになる。

見事に1~4を無視して保管していたことを痛感しました。よい勉強になりました。人は失敗から学ぶのだなと再確認しました。

何事もやってみないと分からないものだと記事を見て思い、一度綺麗にしてオイルを抜いて、オイル入れ(リプルーフ)をしてみました!そのやり方等記事を参考にしたり、我流な部分もありますが以下に記します。

まずは、流れというか他の方はどんなやり方で行っているかを知るために、こんな記事を見つけました。クリーニング専門店クレアンさん(https://www.clairen.jp/press/2018/11/5854)の記事で、今回やってみるのは"オイル抜き"のクリーニング〜リプルーフ作業となります。

丁度この少し前に、レザーのメンテナンスもやっていたので、(一つ前の記事です宜しければどうぞ:https://note.com/p09a016/n/n377c9dbdad18)洗いはこのレザーメンテナンスのクリームを塗る前までと同じことを実施しました。

用意するもの:洗い場の桶(私は浴槽を使用しました。)、おしゃれ着用中性洗剤(今回もアクロン)、水、使い古したバスタオル、洗濯ネット

これが今回、一番の重労働でした。お風呂に40度近いお湯を張り、おしゃれ着用の中性洗剤を水の分量分いれ、押し洗いをし、水が汚くなったら一度抜き再度水を張り…の繰り返しです。
90年代のものなので、30年程の間、どれくらいケアされていたかは読めませんが、恐ろしいくらいの汚れが出てきました。(こちらもあまり映えるものではないので写真は撮っていません。)
10数回くらい上記を繰り返したでしょうか。夕方からはじめたのにも関わらずもう深夜でした。一先ず休むためにつけ置きで朝まで置いておくことに。
朝起きてから、再度数回行い、ようやく流す時、水の色が変わらないくらいになったので、そこから洗剤を使わずに洗剤を落とすためのゆすぎ押し洗いを数回。

使用しなくなったバスタオルに包んで少し水気をとり、チャック等を全て閉めて洗濯ネットに入れて洗濯機脱水1分。(形崩れを恐れ最小の1分にしました。)
終了後直ぐに取り出し、チャック等を再び開けて、風通りの良い日陰で完全に乾くまで乾燥させました。

乾燥させてオイルが抜けたそれは、見事に艶もないヨモギ色になりました。オイルを抜くとここまで変わるのかと驚愕しました。(こちらは写真を撮っておけばよかったのですが、直ぐにリプルーフ作業に移行したため失念しておりました。)
しかし、匂いはなくなり積み重なっていた汚れは大方綺麗になったと思います。

そしてリプルーフ。バブアー日本企業撤退となったので、専用のオイルが高騰してとても手を出せる値段ではないと思い、唸っていたところ素晴らしい記事を見つけました。一般の方のリプルーフの記事です。(https://hdclub7.com/barbour-vaseline/)そのやり方がなんと、ワセリンを代用して安価にリプルーフを行うというものでした!
なぜワセリンなのか?というのは記事内にちゃんと根拠が記してあり、それが下記となります。(少し抜粋します。)
1977年に発行された「ヘビーデューティーの本」でバブアーが紹介されていて、バブアージャケット:素材は貴重なエジプト綿の織り地で、それにワセリンと獣脂でガッチリ防水加工を施してある。薄地のコットン、麻などにワセリンを塗りこみ、その上に獣脂をしみこませて作った防水素材。


目から鱗でした。現行のバブアーが出している専用ワックスに使用しているかは不明ですがやってみないことには分からないので、早速実施しました。(こういうところが古着のいいところですよね、新品で買うと多分こうは出来ません。)

用意するもの:白色ワセリン(一般的な薬局で500gのものを購入)、ガスコンロ、小振の鍋、スポンジ、ビニール袋(床が汚れないように)、ドライヤー

まずビニール袋を床に敷き、四隅をガムテープなどで固定。事前に用意していた鍋に水を入れガスコンロで沸騰させ、火からおろし暫くワセリンの容器をお湯に入れておく。(容器が変形しない温度を確認しています。)ワセリンが徐々に溶けてくるので、スポンジに取れるようになったら最初はドライヤーを当てながら伸ばすように本体に塗っていく。

実施した当日はよく晴れた日で気温が、最高18度、最低12度、実施した時の温度は16度、湿度は50%前後、部屋を締め切って行っていたのですが、途中から暑くなってきてドライヤーを使用しなくても伸ばせるとわかったので、使用しませんでした。
ワセリンも鍋に入れガスコンロでの最小の火にかけ沸騰しないくらいの温度をキープできればワセリン容器を入れておいたままで良いことがわかったので、そのようにしました。
全面(左右)、背面、後ろ腕回り、前腕回り、首周りの順に塗っていきました。全体的に塗り終わったらそのまま乾燥に移行。クレアンさんの記事に乾燥に大半の時間を要すると書いてあったので暫く乾燥させました。

秋晴れの日が続き雨の気配もなかったので、朝太陽が出る前に外に出し、日が暮れたら部屋の中に仕舞いを約3週間程繰り返しました。だいぶ最初の塗りむらというかテカリも消え良い感じになりました。


after reproof and dry (front)


after reproof and dry (back)

手間のかかるもの、というのは理解した上で古着で購入しましたが、今回お手入れをやってみて、やはりそれなりに苦労しました。しかし、何かやはり光るものがあるというか、気にならざるおえない魅力がバブアーにはあります。
写真でもわかる通り、所々お直ししてる箇所も見受けられるので、前の所有者もきっと気に入って長いこと着ていたのではないかと思います。それを受け継ぐではないですが、これからケアしつつ着ていこうと思います。

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