見出し画像

ちぐはぐな会話#6

引力って何

「なあ、引力があるとものが集まってくるよな。」
「まあ、そうだね。」
「この前、あそこの場所にたくさん人が集まってたんだけど。」
「あー、あれは誰か芸能人みたいな人がきてたから。」
「引力がなくても集まるのか。じゃあ、何か別の力(ちから)が働いてるのかな。」
「いやー、もうそれは物理で説明できる現象じゃないんじゃないかな。」
「昔のひとだって、リンゴが落ちることと、太陽とか月とかが同じ力で影響しあっている、とはおもってなかったよね。最後には物理で説明できるんじゃないのかな。」

目に見えないもの

「昔は目に見えるものだけが物理の対象になってきたよね。惑星の動きとか。」
「まあ、そうだね。」
「近代になってきて、目に見えない原子とかも対象になってきて、素粒子レベルまで対象が小さくなってきた。」
「まあ、そうだね。」
「人間の精神や意識とかも直接は目に見えないよね。そういう本質的に目に見えない、実体のないものも今後、物理の対象になるのかな。」
※古代ギリシア哲学者のデモクリトスは万物は原子からできていると唱えた

未解決問題が解決

「なあ、よく数学とかで何百年も解かれていなかった問題が解かれた、とかニュースで流れるけど。」
「フェルマーの最終定理とか」
「ちょっとみたんだけど、全くわけがわかんないやり方で解かれた、と言われても、全然ピントこないのだが。これじゃあ、解かれても解かれなくても同じのような。」
「・・・」

物理にとって未知の問題

「いまある理論で説明できないと、架空の物質とか出してきて、そういうものが存在するとか予想したりするよね。」
「ダークマターとかダークエネルギーとか、そういうやつね。」
「観測結果があるものならば、それと理論が合わない、だから架空の何かがある、という流れでいいのかもしれないが、観測結果がない場合、どうやって理論が正しいかどうか判断するんだろ。」
「アインシュタインの相対性理論もすぐには受け入れられなかったみたいだよ。そのあとの観測結果で、ようやく認められたとか。」
「人間の意識とかは観測結果というか自己認識というかで漠然と存在しているとわかるが、理論がない。理論に裏付けられていないのに、感情だったり気持ちだったり、いろんな表現で表されたりしてて、あるけどもどうなっているのか、どうなるのか、がわからない。なんか気持ち悪い感じだな。」

偶然か必然か

「月がなぜ地球を回っているのか、その起源についてはいろんな説があるみたいだね。」
「そうだね。」
「ほとんどの説が、確率的にかなり低いものらしい。」
「そうなのか。」
「真の起源が、仮にまさにほとんど起こり得ないような確率で起こったとしたら、その起源説を唱えたひとは正しいにもかかわらず、信じてもらえないよね。何か他にもっともらしい理由があるはずだ、とか言われて。偶然起こったことは説明できないことになる。人間原理とか持ち出すのもそういうことか。」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?