恋の始まりはお弁当から。
じー………………
ここ最近お昼の時間に僕は凄く視線を感じてます…。
少し怖い気持ちはあるけど、この視線の正体は知りたい…。
ってことで周りを見渡してみると…
えっ!と小声で呟いて僕から視線を外した人が一人
この前、席替えして隣の席になった五百城さん
視線は五百城さんだったのか…?
隣の席ではあるものの話した事も無かったので、困惑する。
僕の顔や服に何か付いているのだろうか…。
〇〇:あっ…五百城さん
茉央:あぁ最悪や…〇〇君にバレてもうたぁぁぁ……
〇〇:えぇと…どういう事ですか…?
茉央:ほんまにごめんな…〇〇君をずっと見とったの私やねん。
どうやら本当に、今まで感じていた視線の正体は五百城さんらしい
でもどうして僕の方を見ていたのだろう…。
〇〇:謝らなくても大丈夫ですよ、別に何かされた訳じゃないですし。でも、何を見てたのかは気になってます。
茉央:あぁそれわな、〇〇君のお弁当を見ててん。
〇〇:…えっ?なんでお弁当を?
茉央:ほら〇〇君のお弁当ってさ、盛り付け綺麗やしめっちゃ美味しそうやんか?
茉央:せやから〇〇君が昼ご飯食べてる最中ずっーと見とってん。
〇〇:そうだったんですか…。作ったものが褒められるのは嬉しいです😊
茉央:って事はあのお弁当〇〇君が作ってたん!?お母さんが作ってるのかと思っとった。
〇〇:両親は朝早く家を出ないといけない仕事で、自分のお弁当を作ってるんです。コンビニで買うより安く済みますし。
〇〇:もし五百城さんが良ければなんですけど、明日五百城さんの分も作ってきましょうか?
茉央:え、ええの…?2人分も作るの大変ちゃうん?
〇〇:一人前から二人前になるだけなので、いつもよりちょっと多く作るだけなので心配しなくても大丈夫ですよ。
茉央:なら明日お願いしよかな。楽しみにしとるで。
その後五百城さんに苦手な食べ物やアレルギー等を聞いたりしたので、これでお弁当を作る準備は万端
…翌日
〇〇:五百城さんお弁当作ってきましたよ!
茉央:うわっ!めっちゃ美味しそうやんっ!
いただきまーす
茉央:…どれも美味しそうで何から食べるか迷ってまう。
〇〇:それならオムレツから食べてよ、一番自信あるからさ。
茉央:ほな、オムレツから食べてみよ
!?
茉央:こ…こ…これは……
〇〇:これは…?
茉央:うまいおき!
〇〇:………え?うま…いおき?
茉央:えっとな、うまいおきってゆーのは美味しい食べ物を食べた時に、出てまうやつやねん。
〇〇:ということは、オムレツ美味しかったってことでいいんですか?
茉央:うん😍たまごがふっわふわで、今まで食べたオムレツの中で一番うまいおきやった。
茉央:あっ、そんな簡単にうまいおきは言わへんからな。これはほんまに美味しいと思った時しか出やんから。
とべた褒め。その後も…
茉央:次は焼き鮭やっ!
茉央:うまいおき!!!!!
茉央:そして次はきんぴらごぼう!
茉央:うまいおき!!!!!!!
茉央:そしてそして、最後は炊き込みご飯!
茉央:ん〜〜うまいおき!!!!!!!!!
ごちそうさまでした!
〇〇:お弁当どうだったかな…?
茉央:めっちゃ美味しかったで!うまいおきを超えてうままいおきやわ!
〇〇:五百城さんありがとうございます!
茉央:それでなんやけど、〇〇君にお願いしたいことが2つあるんやけどいいかな…?
〇〇:何ですか?
茉央:1つ目はな私のこと茉央って呼んで欲しい。同級生やのにずっと五百城さんってちょっと堅苦しいやんか。せやから敬語もやめへん?
〇〇:…うん。分かった茉央。もう1つは?
茉央:もう1つはな、これから毎日茉央にお弁当作って欲しいなって…。我儘なのは分かってるねん。でも毎日食べたいなって思うぐらい美味しくて・・・。
〇〇:いいよ
茉央:えっほんまに?
〇〇:あれだけ美味しそうに食べてくれたら、また作ってあげたい!って思っちゃうよ。
茉央:やった〜!😍
〇〇:それに
茉央:それに?
〇〇:うまいおきって言うのも可愛いかったし…//
茉央:ちょっと恥ずいやん…//
茉央:明日もうまいおきって言わせてな!
〇〇:うん!もっちろん!
茉央が胃袋を掴まれて〇〇を好きになるのも
また同じ頃に〇〇がまっすぐな所に惹かれて茉央を好きになるのも
少し先の未来の話である。
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