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【映画】『花束みたいな恋をした』

(写真は駅前のイルミネーション)
東京は今季でも指折りに冷え込んできて、上着が欲しくなる時期。暖かい場所から外へ出た時の冷えた空気、わりと嫌いじゃない。

仕事を終えてWOWOWで

『花束みたいな恋をした』

を鑑賞。
土井裕泰監督、前作はサスペンス『罪の声』、何故こんなロマンス映画を?と思ったけど、『いま、会いにゆきます』や『涙そうそう』など納得ではある。
そして、セカチューやドラマで話題になった『カルテット』などの坂元さんが脚本

映画に本格的にハマってからは、普段このような邦画ロマンスは滅多に観ないのだけれど、一押し作品だったし、なんか急に観たくなったのだ‼️

【本日の項目】
①映画の感想
②映画を踏まえて

①映画の感想

正直、序盤はそれほど好きじゃない。そんなわけないじゃん、そんなことある?ってこともそれなりで、見方を変えればドキドキしてしまうのだが、それが造り物でしかない感が強くて。
どこからか、2人のそれまでのライフスタイルが変わり始めた辺から、明らかに歯車が空回っていて、でも回ってはいるから、ヤキモキしながら眺めた。

そしてくる後半戦、それまで造り物に感じていた2人が一気に普通の人間に削ぎ落とされていく様が、ここ最近の邦画ロマンス作品には観られなくて斬新だった
まるで、自分の死期を理解した人間のような悟り。この雰囲気は良くないと分かっていながら、依存せざるを得ない何かがずっと2人の宙に浮いてて、ネチネチと粘着質を帯びている
その違和感のない倦怠感、ねっとり感が、とてもリアリティを持って視聴者を共感させる

それなのに最後の最後まで、2人の関係性を貫き通し続けた上でストーリーを終わらせるというのが、爽快ではなくむしろ悲しみが余韻として残る理由出会って、視聴者はそれでもいいのかもしれないと、無理矢理納得させられるようなパワープレイ。2人の芝居が我々を説得していたのかなぁ。さすが菅田さん!有村さん!

②映画を踏まえて

2人の序盤の打者にはなかなかいない雰囲気が、またその2人が巡り合って何となくズルズル暮らしていく様が、どこか自分の世間における中途半端なポジショニングや不確定な将来を抱えた現在の境遇と重なるような気がしてならなかった。序盤は好きじゃないけど、胸がゾワゾワするから作品効果として胸を打たれた。

麦くんの序盤と異なる後半の"一般化"や"社会に埋もれる"ような状況も以前感じていたから、否定しきれない。
けれども絹ちゃんの相変わらずカルチャーと共に生きる太い軸を持った生き方に、甘いと遠ざけたくもなるけど、たまに憧れや嫉妬を抱いてしまう。

一般人が麦くんなら、絹ちゃんは一般人の潜在意識のような存在で、否定しようものなら自己否定に繋がるような。
だから一緒にいたいのだろうか。失えば自分自身の感情やスタイルをどれか1つ失うような、そういう感覚ではなかろうか。

映画を観て、自分も正直に生きていていいよなと思った反面、芯を据えて生きなければならないと思わされた。

尚且つ、そうした自分を支える存在がライフスタイルの中にあって欲しいなと思うし、なくちゃ詰まらないだろうなとも思う

映画はじめエンタメから教訓を得ようと思っている身からすると、正直ロマンス映画から得られるものって、そんなにない。役者がいいとか、音楽が好きとか、たまにキュンとしたいとかその程度。
しかし、今作では、たった5年を垣間見ただけだけれど、そこで伝わってくるものって多かったし、とても味の濃い要素ばかり。

ぜひ皆さんにも一度観て頂きたい!!

#映画  #映画感想
#花束みたいな恋をした

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