博士の愛した数式【読書感想文】
美しい物語でした。
最後の一文を読み終わった瞬間、胸がじんわりと熱くなるような、心満たされる思いになりました。
ルートへ向けられる博士の愛があまりに尊く、胸のなかに澱む様々な仄暗い何かが、全て浄化されていくような心持ちになります。
物語が始まって間もない数行に、心が静かに共振を始めます。
いくら考えても正解を出せないでいる時こそ、私たちに自信を与えることができた。
その一文に触れたことで、お話の中に存在している博士にわたしも会いたいと思いました。博士のことがもっと知りたくて、続くページを次々とめくっていきました。
少年ルートが怪我をした時に見せた博士の恐れと勇敢さ。プレゼントを受け取る時の心を震わすその有り様。
博士、家政婦、少年ルート。3人のお互いを思う心が、どんな時も博士の小さな家の内を、愛でいっぱいに満たしていました。
そんな数々の温かなエピソードが繰り広げられながら、2人の存在すら博士の記憶には残りません。
辛い現実が背景にあっても、3人は終始愛によって時を積み重ねていきました。
80分しかもたない記憶。
過去も未来もなくその時だけを共に生きる関わり。
愛は量でも、時間でもないんだ。
その瞬間その刹那に、互いを尊重し愛することの尊さを思いました。
一度その物語に触れると、何度でも読み直したくなる、心の滋養のようなお話です。
映画にもなっているお話ですね♪
スクリーンでも観てみたかったと思いました☺️
DVDを探してみようかな?
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