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心のこと

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画像は2019年3月9日、アリーナ前で。プレイオフファイナル初日、サハリン戦直前の空は、こんなにも美しかった。心の動きを詩にしています。
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#詩

掌の渚

青く光る渚を切り取って 掌に乗せてくれた貴女へ 伝えたいことがあります わたしの大切な女の子は 美しいものに心奪われ 笑顔の秘密を知りません 心響かせたいと思っても あの子の心を動かすものは 人の顔より世界の不思議 空や海 木や花 光に触れ ひとり心を震わせている そっと青い渚を掌に乗せ 同じことを見つめた刹那 あの子の世界に届いたの  渚の続きの空の広がり  青色に光り弾けるしずく  細く連なる銀色の糸が  妙なる調べを奏でる様に  あの子と私の心を揺らす それは

秋の陽だまり

おやおや 窓辺の陽だまりさん 光のお手てを長くして お家を温めてくださるの あらあら お空の太陽さん お目めを少し細くして ふわり照らしてくれるのね 夏の終わりの秋の始まり 庭のイチイはキラキラ赤く 通りの胡桃はぽこぽこ蒼い ふんわり優しく光に包まれ ふううとひと息伸びをして お日さま あなた様と 光あることに感謝します

アナログ

時を費やし手間をかけ そのことひとつを想う 温めて育むようにして 両手で掬うようにして 先を細く研いだ色鉛筆で ひと筋またひと筋と描く 煌めきを埋め込むように 光りを移していくように 慈しみ時をかけ掘りあげて わたしはそれを天に掲げる この手で成したものとして

大好きの風船

大好きの入る心の風船はね ちょうど胸の真ん中にあって 空っぽのうちは小さいけれど 美しいものに心震わせたり 眩しい輝きに胸が奮ったり 柔らかな優しさに触れたり 心と心の糸を結んだりすると ぷうぅっ ぷうぅっと どんどん大きく膨らんで おおきな心になっていくの 大好きが入る心の風船はね ほとんど透明な半透明だから 空っぽのうちは見えないけれど 世界と生命の美しさや 燃え盛る闘志の弾ける様や 陽光のような慈愛の光や ほんとうの愛の煌めく様が きらら きらりらと どんどん

一滴

言葉が溜まる 心へと溜まる 祝福のように 呪詛のように 言葉が抜ける 底から抜ける 沁ゆく水の如く 海辺の砂の如く 言葉が褪せる 時をかさねて 地の花弁の様に 霞む満月の様に 言葉に愛あれ 光の一滴と 共に あらんことを

宝探しのお手伝い

誰もが持ってる宝もの ちゃんと気づいているかしら 大きな大きな宝ものなら 掘り出す時が要るもので あなたの内の奥そこに 眠っているかもしれないの あなたが持ってる宝もの 在ること気づいているかしら 綺麗な綺麗な宝ものなら 磨きあげる時が要るもので あなたの内で殻をかぶり 隠れているかもしれないの 心澄まして見つけてごらん 内側の声をさがしてごらん ほらね 煌めいている この道を照らす 胸に灯る光 先を行く者の役割は、個々の内に眠る宝物を見つける、お手伝いをすること

あたためて

さみしんぼさん あなたもそうなの? 一期一会の お別れむかえて ぽっかり胸に穴空いて 風がすうすう 隙間をとおって 心が寒々してるでしょう かなしんぼさん あなたもそうなの? たからものを 無くしてしまって 空の両手を見つめると 涙がぽとぽと その手に落ちて 冷やり凍えてしまうのね ぽっかぽかのお日さま あなたの出番がきましたよ 竦んだ肩をあたためて 翳した両手をぬくめてね 初夏の風に心をさらして 世界の光で照らされて ほら ここにもあそこにも ひかり ヒカリ 

言葉

言葉を 恐れ 畏れよう 愛なき言葉は 諸刃の剣の様に 誰かを傷つけ わたしを傷める ひとつの文字まで 恐れ 畏れよう 愛ある言葉は 慈愛の光の様に 誰かを温め わたしを温める 飲み込もうとしたけれど、やはり書きます。 アイスホッケー界が揺れ続けています。 なにかひとつのことがあるたび、 地響きが鳴り、地割れが起きるようです。 わたしは誰も傷ついて欲しくないのです。それはひとつ残らず全ての組織、1人残さず携わる人々、選手、そしてファンです。 もうみんなわかっている

綿毛

まん丸綿毛の蒲公英さん 離陸の時を待っている 風の一吹きを予感して 傘を開いて待っている せーので空へ舞い上がり 命の種よ お行きなさいね 荒野に芽吹き根を張って いつか野原となるために 生きる大地となるために

永遠の

きらりと生まれた光 そっと触れた刹那の事 小さく眩いその輝きは 金と銀のオーロラ色で 心に錦のひだを編み 永遠の温もりを灯す

綱引き

勝負の綱を引き合っている 地を踏みしめる圧は高い 重心を下げ微動だにせず 心持ちは静謐へと向かう 意識がひとつの束になる 綱を握る掌は燃えるようだ 何万と数えたスイングにより 鍛え上げた全身が支えている 足並みを揃えじりじりと引く 一瞬の緩みは傾斜を生んで 手繰り手繰られる綱となる 勝利の女神は静観している 想いの機微を 命の爆発を 緩まず引き合う勝利の行方を 青く広がる天空に在り 口角を少しだけ上げたまま 恍惚として時を待っている 春季大会釧根支部予選の決勝戦

キャッチボール

言葉のボールをぽーんと放る 受け止めるあの子は 包んで撫でてゆっくりと返す 無色の言葉をふわりと投げる すぽり胸に収めたあの子は 真心の明かりをうつして返す 大きな言葉を真っ直ぐ投げる その勢いにも怯むことなく 知恵の真芯でどおんと受ける あの子の返す言葉たちは ひとつひとつが確かに彩り 力強く実直に伸びていく 清く澄んだ声に託された 意志から生まれた意図を持つ あの子の言葉を受け取る事が 楽しくて嬉しくてたまらない

望み

そう いつかそんな夢を 見たような気がするの 無意識下の夢か 意識がイメージを造ったか 予知夢なのか 予感なのか ふわふわと朧げで 不確かなことだけど あなたは確かに笑ったんだ いつものように目を細めて  ほら  大丈夫だったよ 花が開くような温かな笑顔で そう 言った それを見たの それは予知夢なのか 造られたイメージなのか 不確かなことだけど わたしは その未来を望む

君の翼の音が鳴る  ぴううと鋭く風を切り  高く高くと羽ばたく音が 君の翼の風が吹く  かつて嵐の最中を飛んだ  ごうごうと強く気を捉え 君の翼の光舞う  銀の羽根を空に散らして  それは煌々と続く道の標 悠々広げる無骨な羽は 君だけの彩りを纏うもの 君の翼の煌めく軌跡は  未来を描く無二の羽搏き