~柳川の人に聞く~ Vol4.小路智彰さん(ラーメン一)
九州に来たからには!
僕は4月から6月まで柳川にいましたが、実は九州に来るのは初めて。「ラーメンひとつ!」と頼んで、とんこつラーメンが来たときはカルチャーショックを受けました。
せっかく九州に来たなら、豚骨ラーメンは食べられるときに食べておきたいところ。ふと立ち寄った西鉄柳川駅近くのラーメン屋「一(いち)」の店主、小路智彰(ともあき)さんは僕と同じ元高校球児ということもあり、すぐに意気投合しました。
僕の地元、岩手にもルーツを持ち、都会から移住してきた小路さんに、いろいろとお話を伺ってみました。
―柳川の好きなところはどこですか?
「やっぱ自然豊かなとこかな。あとは焼き鳥とか魚とか、どこいっても飯が美味いよね。」
お恥ずかしい話、僕は小路さんからお話を聞くまで、福岡は小麦の生産量が北海道に次いで全国2位ということを知りませんでした。
その中でも柳川市は、福岡県内最大の2700ヘクタール程の麦畑を有し、県内1・2位を争う収穫量を誇ります。うどん屋よりもそば屋が多い僕の地元とは大きく違いますが、ここのうどんは冗談抜きで毎日食べても飽きません。
そのほかのご飯についても納得のご意見。僕が3か月間滞在しても、美味しいごはん屋さんが本当に多いなと感じました。味噌や醤油といった調味料も多く作られるここ、柳川は食文化にも恵まれているんだなと改めて感じました。
―小路さんから見た柳川って、どんなところですか?
「あったかいところはもちろんだけど、気を遣うんじゃなくて心配してくれるところがいいよね。」
「あー。その感じ、分かります。」と思わず言ってしまいました。僕も3か月の間でたくさんの柳川の人にお世話になりましたが、皆さんこちらが申し訳なくなるくらい心配していただきます。「ご飯ちゃんと食べよる?」とはよく聞かれましたが、おかげさまで順調に肥えました。
コロナ以前はアルバイトも雇っていた小路さん。都会のように求人広告を使って募集をかけてもなかなか人が集まらないのだとか。募集したいとなったときは、知り合いの娘さんや、その友達というような方々に紹介をしてもらっていたそうです。
このようなエピソードをはじめ、柳川の人には良くしてもらったと言います。たまたま飲みに行ったところや出かけた先に知り合いがいることも多くあるそうで、そこもまた都会とは違った良さと語ります。
人とお店とまちづくり
僕がまちづくりに興味があると話すと、こんなエピソードも教えてくれました。
その土地に住むお客さんだけでなく、外から来た人たちにも触れる機会が多いお店の人というのは、僕はまちづくりには欠かせない存在と考えています。特に外から来たお客さんがいる前で街の悪口を言ったり、とんでもなく間違った情報を言ったりしてしまえば、また来よう!とは思ってくれないはず。
「柳川を盛り上げていくためにも、ラーメンとともにお客さんに魅力を伝えられるよう頑張っていきたい。」と話す姿に、自分も負けずに柳川の魅力をいろんなところで発信していこうと思いました、
※この記事は2022年6月発行の「すがわらばんも」第3号に加筆修正したものです。
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