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オゾン発生量を公表せず「オゾン濃度◯.◯◯ppm以下」という表記のトホホなオゾン発生器について

通常、オゾン発生量は「◯◯mg/h」または「◯◯mg/hr」などと表記されますが、稀にオゾン発生量を公表せず「オゾン濃度◯.◯◯ppm以下」とされている家庭用オゾン発生器がありますが、これは買わないのが無難です。その理由をご説明します。

まず、大前提として、ppmという単位は濃度を表す単位になります。
そして、オゾンはごくわずかの量(濃度)ですが、普段私たちが吸っている空気のなかに含まれています。
濃度でいうと、0.01〜0.03ppmなど。
オフィスの大型コピー機周辺や、自然界では森や海岸周辺だとちょっと高めで0.02〜0.05ppmなど。

で、たまに見かける家庭用オゾン発生器のなかに、オゾン発生量を表記せずに、オゾン濃度で「0.03ppm以下」などと表記している製品があるわけです。
0.03ppmというオゾン濃度は、自然界レベルの濃度ですから、オゾンの効果はほぼ期待できないことがわかります。

そもそもですよ?
濃度というのは、簡単に言えば、どのくらいの水量のなかに、どのくらいの墨汁を垂らすのかみたいな感じです。
つまり、濃い・薄いを表すわけじゃないですか。
つまり、部屋の大きさによってオゾン濃度は異なるわけですから、一概に◯.◯◯ppm以下なんて表記をするのはおかしいわけです。

仮に、10畳の部屋で使う場合も、1畳程度のトイレで使う場合も「0.03ppm以下」になるのであれば、この時点で、「ははぁ〜ん、さてはおぬし、オゾンをほぼ発生していないな?」てな感じです。

0.03ppm以下という表記をするからには、それ以上にオゾン濃度が上がらないと確信しているわけです。

なぜ確信しているのか?
オゾン発生量が0.5mg/hr以下だからです。
オゾン発生量が0.5mg/hr以下であれば、たとえ1畳程度のトイレであっても、オゾン濃度が0.03ppmを超えることはありません。

オゾン発生量0.5mg/hrとか、意味ないです(T_T)

ちなみに、まともなオゾン発生器メーカーはこんな表記ので自社の製品は売っていません。
必ずオゾン発生量が公表・表記されています。

「オゾン発生器は得意分野ではないけど、うちは大手だし、なんか売れそうだから作ってみた」みたいな。
誰もが名前を聞けばわかるような大手電機メーカーにありがちなパターンです。(そしてまぁまぁ売れちゃっている)

オゾン濃度0.03ppm以下で一体何ができると思っているんですか?
と、メーカーの開発担当者に尋ねてみたいです。(特に何も効果はありません)

たとえば、先日、奈良県立医科大学が世界初となる「オゾンで新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を不活化」というビッグニュースが飛び込んできましたが、そのときのオゾン濃度は1.0〜6.0ppmです。
0.03ppmに対して、33〜200倍程度のオゾン濃度です。

もちろん、この奈良県立医科大学が行った実験のオゾン濃度は、人や動物がいない環境でしか利用してはならないオゾン濃度であり、実際にはそこまで高いオゾン濃度でなくてもコロナウイルスは不活化されますが。

ただ、オゾン濃度0.03ppmって、自然界に普通にあり得るオゾン濃度ですからね。。。
オゾン発生器の吹出口20cm程度の範囲に存在する浮遊菌の一部を殺すとか、そういうことはあっても、部屋全体を空間除菌なんてわけには絶対にいきません。

そんなトホホ...な商品は買わないようにご注意下さい。

ではでは、今日はこのへんで〜

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