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起業家/藤田晋/2013/★★★★★

言わずと知れた、サイバーエージェントの創業者の著者。華やかな起業家としての生活ではなく、人知れず感じた苦労や孤独を赤裸々に記載している。
事業を創るというのはどういうことか、プロデューサーや社長という立場の方の責任が垣間見える。有名人もちらほら出てきますし、読みやすい小説風の作品です。

▼おすすめのヒト
・ユニットリーダー、チームリーダー、マネージャーの方全員
・PMFフェーズの事業に携わる方

▼印象的なコト
・社内の飲み会が頻繁に行われるようになって、ぎすぎすした社内が円滑に動き出しました。やはり飲みニケーションというのは馬鹿できないものです。
・リクルートは買収が苦手な会社だと思う。カルチャーが強すぎて買収相手が引いちゃうっていうか…(省略)でもリクルートの話を聞いて、サイバーエージェントも同じ理由なのだということに気がつきました。
・実際、トラブルへの対応はいつも後手に回っていました。しかし、それでもアメーバのユーザー数は凄まじい勢いで伸びていきました。(省略、去っていく人よりも入ってくる人が多ければ大丈夫)意識の底にはそんな考えがあったのかもしれません。サービスの質に対する考えが著しく低かったのです。
・インターネットのメディア事業をやるうえで、技術に疎い会社というのは致命的であることに、私はようやく気付きました。ブログ事業に出遅れたうえに、リリースして1年近く経って、やっとアメーバのシステムを完全に「内製」することを決めたのです。
・正直、間違っていたのは自分自身、という想いもありました。しかし、そんなセンチメンタルなことを考えていても仕方ありません。この顛末の最後は自分で責任を持つ。それは、創業以来こだわっていた、「任せたら口出しせず、支援に徹する」、そんな自分の経営スタイルからの決別を意味していました。
・「大体メディアは月間30億ページビューくらいを超えると、広告が自然と集まり始めます」(省略、30億ページビューいってもダメだったらその時また考えればいいや。とにかく今は信じ込もう・・・)
・途中でユーザー視点からブレたサービスは、世に出さないと私は決めていました。
・またその頃から、社外の方との会食を極力減らし、アメーバの社員、特に技術者と食事に行く回数を増やしました。
・華やかに見えても、現実の日々は我慢と忍耐の連続でした。
・芸能人の8割はブログを携帯で更新しています。(省略)これをきっかけに、大慌てで携帯の機能「アメーバモバイル」を強化していったのでした。
・結果的に、「何がアメーバの転換点になったのか?」と尋ねられれば、幹部3人を更迭したことでした。しかし、3人は3人とも優秀でした。では一体何が問題だったのでしょうか。本当の理由は、幻冬舎の見城社長から聞いた言葉で気づかされました。「全ての創造はたった一人の『熱狂』から始まる」「新しいことを生み出すのは、一人の孤独な『熱狂』である」


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