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「お座敷」とは。座敷との違いを考察してみる。

【この記事は、お座敷レッドが書きました】

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私たち「お座敷文化普及委員会」の名前にも
お座敷という言葉が入っているが、

「そもそも、お座敷とは何なのか。」

この問いからスタートしたいと思う。



まず、辞書的な意味から押さえていきたい。

お座敷の前に「座敷」で調べると、こうなっている。

1 畳を敷きつめた部屋。特に、客間。「お客を座敷に通す」

2 宴会の席。酒席。また、酒席での応対。「座敷が長引く」「座敷を取り持つ」「座敷をつとめる」

3 芸者・芸人などが招かれる酒席。「お座敷が掛かる」→御座敷(おざしき)

4 しとね・円座・上げ畳など、すわるための座を敷くこと。また、そのようにした場所。通常の板敷きに対していう。「御—に高く座を構へて」〈沙石集・九〉

(デジタル大辞泉)


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「座敷」とは、

1、のように物理的な意味で畳部屋のことを指すこともあれば、

2のように時間・空間を含めた宴席・酒席のことを指す言葉でもあることがわかる。



この時点で、なんとも日本人らしい感性を感じる。

というのも、日本には「間(ま)」の文化があるからだ。


英語では、Time(時間)とPlace(空間)は分かれていて、
同時にその2つを現す言葉は存在しない。


しかし、日本語では、間(ま)という言葉が現すように、時間と空間が分かれているものではない時間・空間認識があったのだ。



この部分については、やまとことば(大和言葉)の角度からもまた改めて見つめていきたいが、

「座敷」という言葉の使い方一つとっても、

単に畳がある場を呼ぶのではななく、そこに生まれる空間・時間も含めて「座敷」と呼んでいるのだ。

もう、この時点で文化の香りが漂って・・・






そして、その座敷という言葉に「御(お)」がつくのがお座敷だ。

(それが3!!)




ご存知の通り、日本語では「御」がつくのは尊敬の意味を表す。

「座敷」と「御座敷」では使われ方、意味合いが異なるのだ。




芸者・芸人などが招かれる酒席になって初めて、

「御(お)」


がつくのだ。


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ちなみに、お座敷(御座敷)で調べると大辞泉ではこの通り。

1 「座敷」の尊敬語・美化語。
2 芸者・芸人などが呼ばれる酒宴の席。「お座敷を勤める」

このように「芸」というものがあって初めて、お座敷となる。

お座敷というのは、
「芸事」があってこそ成立する言葉ともいえるのだ。




さらに考察を深めると、そもそも、場所や時間のことだけを表現するのであれば、御(お)をわざわざつける発想は浮かばないはずだ。




これは当時を想像するにだが、

その場に対する敬意

そこに生まれる時間に対する敬意

そこにいる人に対する敬意

こういったものがなければ、
御(お)をつける発想は生まれなかったのではないだろうか。




もっといえば、

そこにいない人に対する敬意

見えないものに対する敬意

こういった部分まで大切にしていたからこそ、

座敷からお座敷へと進化していったのではないか。

そんなふうに感じる。




私は、師匠(長野県の山奥にいる仙人様)のおかげで、
ただ単にお座敷遊びをするのではなく、

・見えないものを大切にする心
・先人への敬意や感謝

こうした部分を大切にした上で、お座敷の道に入っていくことができた。


今振り返ると、それは本当にたいせつなことだったし、もしこうした部分がなければ浅い理解と体験で終わってしまっていたように思う。

このあたりのあり方についても、また大切に考察していきたい。


感謝合笑 

お座敷レッド拝


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