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備忘録 雷と神の変性について

ハタハタの画像を見て、違和感を覚えたので調べてみました。
雷は元々は神様のような扱いだったんですね、そりゃそうか

「雷」という漢字とその概念が時代とともにどのように変化してきたかをさらに詳しく見ていきましょう。


### 古代中国の雷信仰


#### 起源

- **甲骨文字**: 最も古い文字である甲骨文字には、雷を象徴する象形文字がありました。雷は天の力、神々の怒りや意志の表現と見なされていました。この時期、雷は単なる自然現象以上の意味を持ち、神聖視されていました。

  

#### 周代

- **金文**: 金文(青銅器に刻まれた文字)では、雷の象形がさらに明確になり、稲妻や雷鳴を表すシンボルが強調されました。この時代、雷神(雷公)は雨をもたらす神として信仰され、農業にとって重要な存在でした。


### 漢字の進化


#### 秦漢時代

- **篆書**: 秦漢時代に使われた篆書では、「雷」の字は自然現象としての雷を表すとともに、雷神を象徴するものとしても使われました。この時期、雷の神格化が進み、雷神は天帝の意志を伝える存在とされました。


#### 後漢時代

- **隷書**: 後漢時代の隷書では、文字の形が簡略化され、現代の漢字に近い形となりました。雷は依然として神聖視されており、雷神に対する信仰は続いていました。


### 中世


#### 唐宋時代

- **楷書**: 楷書が一般に使われるようになると、「雷」の字もさらに整った形となりました。唐代には、雷公(雷神)や電母(雷の女神)などの神話が広まり、雷神信仰が民間に浸透しました。


#### 宋代

- **風水と雷神**: 宋代には風水の概念が発展し、雷は天地のエネルギーの一部として重要視されました。雷神は風水の中でも重要な存在として位置づけられ、建築や墓地の配置において雷神の意志を考慮することがありました。


### 近世から現代


#### 明清時代

- **民間信仰の浸透**: 明清時代にも雷神信仰は続きましたが、科学の発展に伴い、雷の自然現象としての理解が進みました。それでもなお、雷神信仰は地域の祭りや儀式において重要な役割を果たしました。


#### 近代

- **科学と信仰の融合**: 明治時代に西洋の科学知識が日本に導入され、雷の物理的なメカニズムが解明されました。雷は電気現象として理解されるようになり、科学教育の中でも重要なテーマとなりました。しかし、雷神信仰や雷に対する畏敬の念は文化的に残り、雷をテーマにした芸術や文学も多く存在しました。


### 現代日本


#### 科学教育

- **学校教育**: 現代の日本では、雷は科学の授業で物理現象として教えられます。雷の発生メカニズムやその影響についての知識が一般的に普及しています。


#### 文化と信仰

- **雷神祭り**: 雷神信仰は依然として残り、各地で雷神を祀る祭りや儀式が行われています。これらの祭りでは、雷の力を借りて豊作や安全を祈る風習が続いています。

- **芸術と文学**: 雷は依然として強力な自然現象として、多くの文学作品や芸術作品のテーマとなっています。雷神や雷のイメージは、現代のポップカルチャーやフィクションにおいても重要な役割を果たしています。


### 結論


「雷」という漢字とその概念は、時代とともに変化しながらも、常に自然現象と神聖視の両面を持ち続けてきました。古代から中世にかけては雷神信仰が強く、近代以降は科学的理解が進む一方で、文化的な信仰や芸術においても重要な位置を占め続けています。

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