好きだったもの × 好きなもの
はじめに
これは、にじさんじに所属するライバー「社築」による「東方ダンマクカグラ」のゲームプレイ・実況配信の感想を書きつつ、同時に「にじさんじ」と「岸田教団」の薄くて細い繋がりをメモしておく記事です。
やしきずの配信の何が良かったか
にじさんじに所属するライバー「社築」は、東方Project初公認のスマホ向けリズムゲーム「東方ダンマクカグラ」のゲームプレイ・実況配信を行いました。
(以下、配信アーカイブ・ゲーム公式サイトへのリンク)
社築は音ゲーがめちゃくちゃ上手なライバーです。
今回の配信では実装されている楽曲の最高難度にどんどん挑戦していて、初見でフルコンボを獲得したり、見どころもたくさんあったように思います。
耳馴染みのある曲をリスナーと一緒に懐古しながらも、初めて東方の世界に触れるリスナーに対してはゲームと東方音楽の魅力をしっかり伝えようとしていたように見受けられました。
ライブ配信中のチャット欄には東方同人界隈におけるビッグネーム・著名人が何人も現れ、配信の最後に行われたスパチャ読みまで含めてとても楽しい配信だった、と思います。
(以下、ツイート引用)
個人的には「ビートまりお」さんと「伊東ライフ」先生が関わる楽曲、『マツヨイナイトバグ』プレイ時のチャット欄に、「この二人は『Vコンビ』だ」といったような内容のコメントが書かれていたのが印象的でした。
(このお二方は今でも交流があり、現在はバーチャルYouTuberとしてのアバターを使って活動しています)
あの頃は想像すらできなかったことが実現する時代になってしまったということ、第一線で活動するクリエイターは常にアンテナを張って世間の流行を敏感に察知して柔軟に活動スタイルを変えているということを、改めて感じるようでした。
記事の表題にも書いた通り、「好きだったもの」と「好きなもの」が交わった配信だったということが、やしきずの配信の趣旨や狙いとはもしかしたら違うことかもしれませんが、私にとっては一番良かったことでした。
ここでの「好きだったもの」とは「東方の世界」、特に「東方同人音楽の世界」です。
「好きなもの」はもちろん「にじさんじ」です。
この配信の概要欄に「御三家のアプリがランキングに並んでいる令和」とあるように、アイマス・ボカロと並んでニコニコ動画コンテンツの王道御三家である東方は、青春時代にニコニコ動画の恩恵を受けていた人なら、一度は必ず触れるコンテンツだと思います。
(「ゆっくり」「饅頭」と呼ばれるようなアレも、東方の二次創作が発祥だと記憶しています)
多分に漏れず、私自身もその中の一人で、特に東方同人音楽の世界・アーティストで言うと「岸田教団&THE明星ロケッツ」は、今もなお、好きで追い続けている大切な音楽でありコンテンツです。
(以下、岸田教団公式HP、YouTubeチャンネルへのリンク)
今回の配信の中で、何が一番私の琴線に触れたかと言うと、この場面です。
(以下、配信内スクショ画像引用)
この瞬間、夢に見ていた「岸田教団」×「にじさんじ」が、私にとっての「好きだったもの」 × 「好きなもの」が実現しました。
サンキューやしきず。サンキュー東方。
このゲームを世に出すために様々尽力してくれた制作陣、スタッフ、収録されている素晴らしい楽曲の制作者、そしてなにより、東方の世界をこの世に生み出してくれたZUNさんに最大の感謝を。
コンテンツの盛衰、人の好き嫌い、様々なものが時間と共に移り変わっていく中で、青春時代からずっと大事にしていた私にとっての宝物である「岸田教団」の楽曲と、今現在一番楽しいことを提供してくれる人たちとのコラボレーションが実現してしまったわけです。
押入れの中からアルバムを引っ張り出して一緒に眺めてくれるような、そんな心地よさ・楽しささえ感じてしまう瞬間でした。
個人的メモ:「にじさんじ」と「岸田教団」
有志の方が整備してくださっている、にじさんじライバーの配信アーカイブのチャット欄に書き込まれたコメントの文言を検索することができるサイト、「にじさんじコメント検索」を利用することで、にじさんじライバーが岸田教団の楽曲について喋った際のリスナーの反応を辿ることができ、どのライバーが岸田教団のことを知っていて配信で話題に出したかを探ることができます。
(以下、検索結果へのリンク)
歌枠におけるライバーへの歌唱リクエストコメントが散見される中で、「卯月コウ」「樋口楓」「葉山舞鈴」「三枝明那」「夕陽リリ」が、配信内で岸田教団のことを話題に出していました。
「にじさんじ」と「岸田教団」の薄くて細い繋がりを記録しておくために、個人的に特筆したいライバーが二名います。
それは「卯月コウ」と「夕陽リリ」です。
卯月コウについて、にじさんじ初のカバーソングアルバム『Prismatic Colors』で歌唱した『再会』のオケを演奏したバンドメンバーに、岸田教団のドラムを叩いている「みっちゃん」が参加しているということです。
(以下、ツイート引用)
アルバムの歌詞カードをぺらぺらとめくっていたらみっちゃんの名前を発見して、驚愕とともに嬉しさがこみ上げてきました。
楽曲のテイスト的にみっちゃんの代名詞であるところの「はやくてつよい」ドラムではなかったですが、めっちゃ嬉しかったです。
俺得ってこういうことを言うんだなと思いました。
夕陽リリについて、彼女は3Dお披露目配信の振り返り配信にて、お披露目配信内で披露する楽曲について、実際披露したのはTVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』の二期オープニング楽曲『ANIMA』でしたが、TVアニメ『博多豚骨ラーメンズ』のオープニング楽曲『ストレイ』とどちらを披露するか最後まで迷っていた、というエピソードを語ってくれていました。
(以下、配信アーカイブ内、該当部分へのリンク)
いつか機会があればどこかで披露してもらいたいな、というわがままが心の内に湧いてきます。
岸田さんの書く歌詞が厨二ismに溢れている(最高の褒め言葉)ということを知っていると、未来人自身が語った「にじさんじにいる夕陽リリ全体に焦点を当てたような曲(になり得る)」という『ストレイ』という曲に対する感想・印象を聞いて、夕陽リリ自身は夕陽リリのイメージのことをよく理解しているんだな、と思いました。
おまけ
東方二次創作楽曲の生ライブの配信アーカイブが沢山あって、東方のキャラ紹介動画もあるダンマクカグラの公式チャンネル、クリエイターズトークが聴けて『Flowering Night2020』も見れる「東方同人音楽流通」のチャンネルへのリンクを貼っておきます。
(以下、YouTubeチャンネルへのリンク)
IOSYSの『チルノのパーフェクトさんすう教室』の生歌唱とか、当時の声そのまんまでめっちゃびっくりしました。普通におすすめ。
(以下、配信アーカイブ該当部分へのリンク)
岸田教団のライブ映像も、この二つのチャンネル内の動画にたくさんあるのでぜひ。
メジャーベストアルバム発売決定、とてもめでたい。楽しみ。
追記 フレンのダンカグ配信
社築と同じく、にじさんじに所属するライバー「フレン・E・ルスタリオ」もダンカグの配信を行っていました。
(以下、配信アーカイブへのリンク)
フレンも岸田教団の曲をやってくれてました。めっちゃ嬉しい。
(以下、配信内スクショ引用)
岸田教団の曲、『幻想に咲いた花』、『明星ロケット』を「かっこいい」と言って好意的な反応をしてくれて、更に「ライブ行きたい!」と言ってくれたフレンに「それな~~~!!!」の気持ちでした。
ダンカグ公式チャンネルの配信アーカイブ、東方同人音楽流通のFN2020のアーカイブを見てくれ……!と言いたくなりました。
岸田教団に限らず、東方同人サークルの洗練された高いクオリティのめっちゃ楽しいライブがそこにあるから。
その辺りのアーカイブを勝手に再生リストにまとめたので、気になった方はぜひ。
音ゲーそのものを楽しみながらも、流れている楽曲のオケや楽器にも着目(着耳?)する感性を持っているのが素晴らしいと思いました。
フレンは、過去に楽器を演奏した経験がある、ということをどこかの配信で述べていた記憶があって、だからこそ耳の良さと音楽に対する理解・経験値が他の人よりもあって、別の音ゲーを楽しんでいた経験も加わって、十六分の連符をズレずにしっかり叩ける正しいリズム感を持っているんだろうと思いました。
配信内でフレンが述べていた、個人的に印象的だった発言へ勝手に回答したいと思います。
・「(この曲)聴いたことある」
・(ロックな曲をプレイした後に落ち着いた雰囲気の曲をプレイする時に)「今までやってきた曲となんか違う」
フレンからこういった発言が出てくるのも、ダンマクカグラで遊べる楽曲が全て東方の原作ゲームのBGM原曲をアレンジした二次創作楽曲だから、ということにに他ならないと思います。
東方の原作者、ZUNさんが二次創作に寛容だからこそ、ロック、ジャズ、ラップ、電波、バラード、どんなジャンルの曲にアレンジするのも自由。
さらに二次創作界隈自体の歴史が長いので、元が同じ曲の別アレンジが膨大に存在していて、有名で聴く機会が多い曲と原曲が同じ(メロディーが同じ)だと初聴きだとしても耳馴染みがあるからだと思います。
あとは、『マツヨイナイトバグ』のジャケットイラストが伊東ライフ先生の作品であると気づいたコメント欄のざわめきが、ジェネレーションギャップを感じるようで、個人的に面白かったポイントでした。
ライフ先生に対して、同じくにじさんじライバーである「愛園愛美」のママだという印象しかなかったり、Vtuberとして活動して雀魂公式から肉球をはく奪されている姿しか知らないと、ああいう反応になるのも至極当然だよな、と思って見ていました。
めっちゃ面白かったです。
フレンのダンカグ配信も、とても楽しく見させてもらいました。
配信してくれてありがとう……!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?