2022/09

2022/09/05
10月下旬に友達と登る予定の山を調べていた。もうこの時期には積雪があることも少なくないようで、4月にコテンパンにされた経験から、おとなしく低山に切り替えたほうが良さそうだ。

去年からハマり始めた登山だけど、いかんせん自然が相手なので、カジュアルに楽しめる期間がものすごく短い。体感的に5-9月ぐらいまでだろうか?もちろん雪山も登ってみたいし、テント泊なんかもやってみたいのだが、簡単に死ぬ趣味なので経験値と装備をきちんと充実させてからでないとなかなか難しい。

とりあえず今年は10月末をラスト登山として、来年はもう少し春〜夏の間にガンガン登っておきたい。

20代後半に山にハマるのはいささか安直すぎるきらいもあるのだけど、実際に主体的に世界と対峙する趣味としてはこれ以上ないぐらいに奥深い世界だと思う。これはスマブラの桜井氏も言っていたことだが、娯楽的な楽しみというのは不快感と快感のバランスである。

https://youtu.be/ItuZ_AZG49M

その点で言えば登山なんてフィジカルにはちゃめちゃな負荷をかけたのちに絶景というポルノ的な面すらある報酬が与えられるわけで、そりゃ多くの人がハマるのも頷ける。

2022/09/07
『ポスト資本主義の欲望』を読んでいたら、訳者の解説でマーク・フィッシャーと藤本タツキ(ルックバック)が合流して声が出そうになった。たしかにカウンターカルチャーの残滓から可能性を取り出して、異なる現実を呼び出している!!

カウンターカルチャーは確かに形骸化したが、そこには亡霊が取り憑いているとしたマークフィッシャーの見方を俺は肯定したい。亡霊が抱いた未練は、もしこうだったら––という、あり得たかもしれない未来を予感させる。

いまはアフロフューチャリズムについての本を読んでいる。黒人たちが過去の歴史を組み替え、フィクションを通じて異なる未来・過去を立ち上げるアフロフューチャリズム。『ポスト資本主義の欲望』はフィッシャーの死によっていささか悲観的というか、光の差す前に終わってしまった感じだけど、未来への戸口は至る所に隠れているなとも思う。

2022/09/10
『アフロ・フューチャリズム』で紹介されていたオクティビア・E・バトラーの『キンドレッド』読んだ。確かに重要なテーマや問いが多く含まれていて、クィアな作家や黒人たちのロールモデルとなるのも頷ける。やはり古典的名著にはそう言われるだけの迫力があって、平易で完結とした文章なのに、70年代のアフリカ系アメリカ人女性・デイナが1815年、南部戦争以前奴隷制下のアメリカに送られることの恐ろしさがひしひしと伝わってくる。

現代に至るまでに彼ら、彼女らは何を勝ち取り、耐え忍んできたのか。ずっと続く負債は現代までどれだけ残っているのだろうか。デイナと、夫であるケヴィンとで見ている世界の、決定的な埋められない溝。

デイナとバトラーは境遇や生い立ちを共有している。作中のデイナの台詞には、バトラーから見た先人たちにとっての抵抗と戦い方への尊敬の念が感じられる。

このことが始まった時に、あなたに言ったでしょう、私には祖先の持っていた忍耐力がないって。今もないわ。あの人たちの何人かは、それがどんなことであろうとも、生き延びるために戦い続けるでしょう。私はそんなふうではないわ。

一方でバトラー本人が言うようにSF色は弱いと言うか、装置としてタイムトラベルがあるだけで、どっちかというとファンタジーではあるので、もう少しSF色の強いものを読みたい気持ちも。とはいえ邦訳が少ないので、現実的に次に当たれるのは短編集の『血を分けた子ども』のみかな。竹書房から『才有る人の物語』『種蒔く人の物語』の2冊が11月に発売予定なので、こちらは予約しておこう……。

2022/09/22
また間があいた。うまいこと習慣化されていたように思うんだけど……。

9/16から有休を取って岩壁音楽祭に遊びに行った。ローカルのDJが多く、他の出演者もそんなに興味があるわけではなかったので、目当てはOmega SapienとCYKぐらい。と思ったんだけど、ローカルのDJたちの実力がすごくて、ロケーションも相まってかなり楽しかった。とくにCYKの前のONJIさんというDJは凄かった。フロアのグルーヴコントロールが巧みで、クライマックスに向けてアゲつつ抑えつつ、ここまで欲を出さずひたすらフロアに捧げるような献身的なプレイはあまり見ない。

Omega Sapienも実力というか、エンタメ性の高さが素晴らしい。感動するぐらい。ウォールオブデスを煽って一回失敗したりもした(コロナ以降の日本のフェスっぽい?)けど、それを引きずらないというか、活かしながら最終的にアゲきっていた。やっぱり韓国のラッパーはステージングがうまい。でかいステージやテレビ出演なんかの経験も多いだろうし、客を味方につけるやり方を知り尽くしているんだろうなと感じる。東京のクラブで見るとフロアがギュウギュウすぎたり、踊らずに動画を撮っている人ばかりでしんどいので、もっと日本のフェスに韓国のラッパーを呼んでほしいな。

それにしても山形は不思議なところだった。回った場所が変だったのかもしれないけど、とくに何というわけでもないラーメン屋がめちゃくちゃある以外なにもない。とくになにもないというのは、パチンコ屋すらない。一体山形県民は何をしているんだ。みんな家にいるのか?でも妙にラブホは多かった。

3日目はワイナリーやダムを見つつ早めに帰路についた。案の定台風と渋滞にはある程度困ったけど、早めに帰って正解だったと思う。彼女に焼き肉を食いたいとせがみ、食うだけ食って爆睡。疲れた。

週明け火曜から今日までは、溜まった仕事にひたすら取り掛かる。今週も三連休で良かった……けど来週も忙しくなりそうで怯えている。

2022/09/27
たまにある音楽のライター仕事はほとんど韓国関連で、俺ももっと韓国の音楽にリソースを全ぶっ込みすれば仕事も増えるのだろうけどどうしてもそれはできない。

2022/09/29
interFMでアリムラさんも言っていたが、レコ屋の持ってる情報というかキュレーション力って今みたいな時代だからこそかなり重要な気がするので、レコード売る以外にも活用できないのかな〜と思う。自前のメディアとかがすぐに思いつくけど、金にならないしな……。

まあそもそも小規模なお店だと本業以外をやるような余力も中々持ちづらいのだろうが。


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