【FX】実践編③

ディレクショナルシステム

トレンドフォロー指標で、エントリー条件を考察

ディレクショナルシステムは、その銘柄にはトレンドがあるのかどうかを判断する指標で、3つの指数「+DI」「一DI」「ADX」から構成されている

+DIは上昇トレンドを、一Dは下降トレンドを計測し、ADXは+DIと一DIを総合してトレンドの方向性や強さを判断するものです。ADXが上昇しているときはトレンドが進行中であり、下落しているときはトレンドが止まったか、保ちあいに移行したといえます。なお、ADXはトレンドの方向は区別していません。上下どちらかの方向にトレンドがあるときにADXは上昇します。ADXは強い上昇トレンドでも上向きになるし、強い下降トレンドでも上向きになります。

買いのサイン
①+DIが一DIを上抜く
②+DIのクロス後ADXが下落してきた一Dを上抜く

一般的なディレクショナルシステムの売り買いのサインに注意するとともに「トレンドの強さ」や「トレンドが継続しているのか、それともそろそろ終盤局面に近いのか」を判断するときも、この指標は参考にできます。

例えば、+DIが一DIより上に位置している期間は「上昇トレンド」と見ることができます。そしてにの期間はADXも力強く上昇していますので「勢いは強い」と判断します。したがってこの期間では、ブレイクアウトや押し目買いが狙えそうな状況であると見ることもできるでしょう。

その後、十DIが一Dより上に位置しているものの、ADXが下落を始めた場合では、「上昇の勢いがなくなってきだ」可能性を示唆しています。そのため買いトレードには、慎重になる必要がありますし、他の勢いのある銘柄を探す必要があるかもしれません。

また、場合によってはこのADXがある一定の水準値以上(例えばADX数値が30以上)の時にしかトレードを行わないというルールを決めることもできます。

つまり上昇トレンドにしろ、下降トレンドにしろ「トレンドの勢いを数値で判断して、勢いのある時にしかしかけない」というトレードプランができます。

ディレクショナルシステム実例

ディレクショナルシステムの一般的な買いサイン売りサインの1つは、+DIと-DIのクロスです。上図では5月中頃に+DIと-DIのゴーールデンクロスが発生しています。この後株価はおよそ5ヶ月にわたる上昇トレンドに入りました。上昇トレンド中はADX(緑のライン)が上昇していますが、このことは「トレンドの強さ」を表すことになります。

ディレクショナルシステム実例2

+DIと一Dのゴールデンクロス後に下降する-DIをADXが上抜いたあたりが上昇トレンドの始まりのサインとなっています。

(1)+DIと-DIがGC
(2)株価が移動平均線を上抜いている
(3)移動平均線がゴールデンクロスする
(4)下降する-DIを上昇するADXが上抜く

といったことがほぼ同じ期間内で発生しており、上昇トレンドが確かなものになっています。

ADXでトレンド状態を見る

ADXの角度を見て、ADXが上向きならば、25%以下でも「トレンド状態」、75%以上であっても、上昇していたADXが下向きとなったならば以前のトレンドと逆行する状態と判断します。(ADXはオシレーター系の指標ですので、0%と 100%の近くではダマシがでる事があります。)

ADXが上向きとなった時とADXが上昇後の下向きになった時を一つのエントリー条件とすることもできます。

基本的にはADXが水平の時は、トレンド不明の状態として待機です。

他のシグナルとのエントリー条件

ADXが上向きで「トレンド発生」と判断される状態が確認され、移動平均線(ミドルバンド)とMACDラインがどちらも同じ方向になった時には、それぞれの方向でポジションを持つエントリー条件としてよいでしょう。

上向きならば「買い」ポジション、向きならば「売り」ポジョ状態、トキャスティクス・RSIが天井国でも関係なく。

ADXの上向き角度が水平に近く、とても小さい場合や移動平均線(ミドルバンド)が上向いてはいるが、時間の経過とともに 上向き角度が落ちてきている場合、(売りポジションの場合は、移動平均線が下向いてはいるが、時向の粧過とともに下向き角度が鈍くなってきている場合)、MACDが上向いてはいるが、時間の経過とともに上向き角度が落ちてきている場合、(売りポジションの場合は、MACDが下向いてはいるが、時間の経過とともに下向き角度が郵くなってきている場合)は、ダマシが多くなるので注意が必要です。

上昇していたADX下向きとなった時、MACDラインとストキャスティクスがどちらも同じ方向になった時に、それぞれの方向でポジションを持つ判断をしてもよいでしょう。上向きならば「買い」ポジション、下向きならば「売り」ポジション

基本的にはADXが水平の時はポジションを持つタイミングではないと判断しますが、例外的に、移動平均線(ミドルバンド)、ストキャスティクス、MACDの3つのインジケーターがそろって同じ方向になった場合は、それぞれの方向でポジションを持つことを検討できます。

ADX(DMI)と似たような動きやシグナルを示す指標として、BBandWidthRatioがあります。併せて確認することも有効です。

エグジット(クローズ)

ポジションを持った後は、クローズしなければなりません。クローズのタイミングを間違うと、利幅を減らしたり、一転、損失を被ったりしてしまいます。クローズの特徴としては、短いスパンのトレードでは、「機敏さ」が要求され、長いス
パンのトレードでは、振り落としにあわないようにすることが要求されます。

クローズするタイミングを計るシンプル方法としては、MACDが横向きになろうとした時にクローズするという方法もあります。デイトレードの場合、スウィングトレードと違い、その日のうちに、(数分から2時間程度)クローズするペースを意識しましょう。

大まかな目安ですが、ポンド円は、20pips、ユーロ円は、15pips、ドル円は、10pipsくらいの値幅を一単位として意識し、早めに利確するようにしましょう。

5分足と5本移動平均線と1日

一日の動きを5分足で見てみます。
(天底を付けた後の足の本数と、直近の波の形成に要した足の本数との比較

資金管理の具体策

テクニカル分析の目的は、多くのトレーダーがやりがちな、相場がいつどこに行くかを予測することではありません。

分析の主な目的は、重要なポイントや、水準を事前に見極めておき、そうした要点を利用して、次のトレードの戦略を練ることです。

ロスカットポイントやエントリーポイントなどは、こうした要点を利用し、意味のあるポイントにすることにより、トレードを優位にでき、資金コントロールの威力を引き出すことができま勝利の方程式というのは、淡々と行う作業のようで、退屈でつまらない側面があります。しかし、他のつまらないものと違って、トレードは、ひたすら繰り返すことにより面白いほど資産が増加します

ここで言いたいことは、トレードをスリリングに楽しむギャンブルのようにしてし
まうと、一過性のもので終わってしまいます。トレードは、淡々と継続することで、他の仕事では得られない程の利益を個人で生み出せる可能性が出てくるのです。

淡々と遂行していく中で、結果に結びつかない局面もあるでしょう。トレードがうまくいかないときは、テクニカル分析や手法の問題の前に、資金管理の4つの要素を確認する必要があります。
(リスクリワード、勝率、ロスカット、レバレッジコントロール)リスクリワードについては、ストップを置けるときのみエントリーを考え、必ず1対1以上を狙うようにします。

レバレッジコントロールに関しては、損切を確定させたときに、自ら納得のいく最大の損失額を設定しておく必要があります。損失額が心理的にきつくならないようにし、ポジションサイズを減らして準備する必要があります。

勝率に関しては、よりシンプルで明確な基準と優位性のある条件やツールを使い、勝率の高い勝ちパターンに徹し、無駄だと思われるエントリーを減らしましょう。

「pips」表示について

pipsとは、percentagein pointsの略で、為替レートの変動幅を表す単位の事です。

円の場合は、pipsを100で割る。
100pips=1.0円
10pips=0.1円
1pips=0.01円
円以外の場合はpipsを10,000で割る。
100pips=0.01ドル
10pips=0.001ドル
1pips=0.0001ドル

期待値の計算

トレード1回当たりの平均損益は、期待値と呼ばれていますが、以下のように算出します。

1トレード当たりの期待値
(勝率x平均利益(値幅pips)-(1-勝率)平均損失値幅pips)

平均コストの計算

ドル円を何度かに分けて買った事例を計算してみましょう。

取引数量-取得価格x建玉数量
試行回数のそれぞれの取引数量を求めて、合計

1回目 108.350円X2000通貨=216,700円
2回目 108.230円X2000通貨=216,460円
3回目 108. 100円X2000通貨=216,200円
            合計 649,360円

建玉数を合計し、平均コストを求めます。

1回目2,000通貨
+2回目2,000通貨
+3回目2,000通貨
=6,000通貨

平均コスト=取引数量の合計。建玉数量の合計

649,360円=6,000通貨=108.227円

これで今回、買いの平均コストは、108.227円だったことが分かります。

ポジションサイズの計算

ポジションサイズ=
リスク許容(金額)-リスク許容(値幅)

証拠金200万円¥500,000
リスク許容(金額)1.5%(30,000円)7500円
リスク許容(値幅)40pips(0.4円)損ぎり
5分で笑っても大丈夫な
全額でエントリーする
通貨ペア EUR/JPY
30,000円-0.4=60,000通貨

60000通貨でエントリーして、40pipsでロスカットすると、30,000円の損失に限定されます。

(JPYではない通貨の例)
ポジションサイズ
=リスク許容(金額)-リスク許容(値幅)-決済通貨の対円レート

証拠金200万円
リスク許容(金額)1.5%(30,000円)
リスク許容(値幅)40pips(0.004ドル)

通貨ペアEUR/USD
USD/JPY 108.000H
決済通貨がドルなので、USD/JPYのレートを使います。
30,000円-0.004ドル-108.000円=69,444通貨
69,444通貨でエントリーし、40pipsでスカットすると、30000円の損失に限定されますが、決済時のUSD/JPYのレートにより変動します。

レバレッジの計算

レバレッジ=(基軸通貨の対円レート×ポジション数量)-(有効証拠金)
証拠金 200万円

通貨ペアEUR/JPY118円で30,000通貨保有した場合のレバレッジ
EUR/JPYの基軸通貨はユーロで、ユーロの対円レート EUR/JPYのレートを使います。

118円x30,000通貨-2000000円1.77倍
この場合のレバレッジは、1.77倍となります。
同じ30,000通貨でも基軸通貨が違えば、レバレッジは異なりますので、確認が必要です。

日本のFX会社では最大レバレッジは、25倍となっております。
証拠金維持率100%=レバレッジ25倍
レバレッジ1倍=証拠金維持率25000%
証拠金維持率=2,500%-レバレッジ

例えば、証拠金維持率200%の時のレバレッジは、
2500% -200%=5
この場合のレバレッジは、5倍となります。
レバレッジ7倍の時の証拠金維持率は、
2500%-7=357.143%
この場合の証拠金維持率は、357.143%となる。


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