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TOUCA 始動

2022年3月30日
愛犬の2歳の誕生日に、私は旅に出ました。

高校も大学も家から通える距離に住んでいた私は、まさか20歳で家を出るなんて想像していませんでした。

つい数日前には、高校生になる妹が入寮していたため、彼女が新潟の高校で3年間野球を頑張るということが我が家の最重要課題。そのため、私を含め家族は、私がこれから1年間親元を離れて生活をするということに対してあまり実感がなかったのです。

出発する前日になってやっと荷造りを始め、気づいた頃には出発まであと数時間というところまで来た時、ふと思い浮かんだのは、

魔女の宅急便でキキが独り立ちをするシーン

でした。

そして私は、つい先日買った黒のワンピースに身を包み、20年間育ててくれた両親への感謝を手紙に綴りはじめました。そして、これをどのようにして渡そうかと悩んだ末、コーヒーカップが入っている戸棚にそっと忍ばせることに。

そうこうしているうちに出発の時間になり、人間でいうと24歳になった愛犬も一緒に、家族全員で車に乗って、空港まで送ってもらいました。1番後ろの席から家族一人一人の後ろ姿を眺めているうちに、色々な思いが交錯してきたのです。

「これから1年間、嬉しいことや楽しいことがあれば、辛くなったり逃げたくなったりする時もあるかもしれない。でも、私には支えてくれる家族や友人、大切な人がいて、帰れる場所がある。」

そう思った時、私の心の中に小さな明かりが灯ったような気がしました。

「他の街で1年修行しないと1人前の魔女になれないんだから」

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