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馬と水平線、都井岬を訪ねて

2024年7月7日、七夕の日。
宮崎県最南端の串間市にある都井岬を訪ねた。

都井岬は、日南海岸国定公園の一部で、日向灘に突き出すような形をした風光明媚な岬です。ここには、希少な日本在来種として国の天然記念物に指定されている野生馬「御崎馬(みさきうま)」が生息しています。
岬の草原をゆっくりと歩む野生馬たち。眼下に広がる青い海。そして、青い空。約550ヘクタールの岬全体が、貴重な自然の宝庫です。

都井岬パンフレットより

実は、今回が2回目の訪問である。
ちょうど1年前になる前回は、どんよりとした曇り空で、空も海もすべて灰色だった。
7月にしては過ごしやすい気温だったからか、車道にまでたくさんの御崎馬がいて驚いたのを覚えている。

今回はめちゃくちゃ天気が良くて、気温もかなり高かった。アスファルトはものすごく熱かっただろう。
丘の上に集まっている御崎馬たちにしか出会えなかった。
そのかわり、パンフレットやホームページに載っている写真のような青い海と空を見ることができた。

その時見た青の綺麗さは、これからもずっと忘れないだろう。目の奥まで真っ青に染まりそうなほど、鮮やかな色。
空と水平線が交わるところのグラデーション、息を呑むほど美しかった。照りつける日差しに汗を流しながらも、しばらくその場から動けなかった。

九州に引っ越してこなければ、この景色を見ることはなかったと思う。
こんなに素敵な場所があることを、わたしは知らなかった。

日々の生活に追われて忘れてしまいそうになるが、他にもそういう場所は数え切れないほどあるはず。

わたしの毎日は、半径1.5キロメートルもあれば生活できてしまうようなものだった。手元にある小さな端末で世界を覗いて、分かったような気になって。

外の世界に出るのは楽しいことばかりではないし、中から眺めていたほうが安全で、誰かに傷つけられることもない。
わたしは外に居場所を見つけるのが下手な人間だった。もう一生外に出ないと思っていた時期もある。その話はまたいつか改めて書きたい。

ここ数年で毎日が楽しくなった。
その理由のひとつは、自然に触れられる場所をたくさん訪ねるようになったからだと思う。

まだ見ぬ美しい場所を求めて、これからも軽やかに生きていきたい。


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