見出し画像

カラオケ行かん

カラオケボックスで先輩が、セフレへの想いを綴った虚しい女の歌を歌っている。

2番目の女なんて嫌だね、どうでもいい男となんか寝たくないよね、好きな人としかしたくないよね、とか散々私と言い合ったのに、先輩はカラオケボックスに入った途端に人が変わるのかもしれない。

「ええ歌やなぁ〜」と歌い終わった先輩は、次の曲を入れる。
また同じような歌をしんみりと歌う。

私と話す時は寧ろ、そういった関係を軽蔑するけど、本当は羨ましいのだろうか。
実は過去に捨てられない思い出があって、それをなぞるように切ない歌を歌っているのだろうか。
若しくは、そういった関係に憧れを抱いているのだろうか。

かと思ったらGReeeeNの愛唄を歌い出した。
GReeeeNを歌う人って、恋には愛と希望と未来しか抱いていないのでは???
純愛歌なのかセフレ好きよ歌なのかどっちかにしてほしい。

そう思いながら硬いソファーに横になって始発を待つ。
眠りに落ちる前に先輩は、おジャ魔女どれみのおジャ魔女カーニバルを歌い出した。
なんなんだ本当に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?