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『センセイの鞄』 川上弘美

「センセイ」
「はい」
「センセイ」
「はい」
「センセイ」
「ツキコさん」

もう、このやり取りに毎回胸がきゅんっとする


同級生とのシーン

会話も成立するし、言葉の裏にある意思も疎通できているのに、なんとなく違う、なんとなく噛み合わないあの感じ

わあ、わかるそれ!ってなった。嫌いではないけど好きでもないひとってあの感じ



川沿いでひとりセンセイに話しかけるツキコ
期待するなかれ、期待するなかれ、と繰り返し唱えるツキコ
怒りながらも「センセイはやく帰ってきて」とひとり口に出すツキコ

ついツキコに自分を重ねてしまう。自分の気持ちを隠そうとおもうけどうまく隠せないあの感じ


季節が移ろった時にみえる風景とか、美味しい旬の食べ物とか、綺麗な花とか、そういうものをみたときに、あの人ならこういうかな、あの人は好きじゃないかもな、そうやって思い浮かべる相手がいるのは幸せなことなのかも



すきなひとと会いたくなった

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