異星人の恐怖

「キシャアアーッ!」「うわああーッ!」

船内で三匹目の怪物に遭遇する。その叫び声に身が竦むが、なんとか勇気を奮い立たせる。怪物は腕先の硬質な物体から何かを高速で飛ばしてくる。俺は壁に咄嗟に身を隠す。

なんておぞましい姿だ。別の惑星で違った進化の道筋を辿った末の最適化とは分かるが、それでも生理的嫌悪感は拭えない。

追ってくる怪物を待ち伏せし、不意を打ってその身体に鋭利な武器を突き立てる。怪物は叫んで身をよじるも、徐々に力が抜け、動かなくなった。

床に倒れ臥す死体から目を背ける。なんなんだこいつらは。血なんて赤いし、腕も足も二本ずつしかない。皮膚なのか殻なのか多色的な外装が剥けると、中身の肌色が見えるのも気色が悪い。冒涜的なデザインだ。

「キシャ、キシャアアーッ」

おもわず独り言を呟く。複眼を閉じて思案する。単なる寄生型宇宙人の俺がどうしてこんな目に遭っているのだろう。

【続く】
#逆噴射プラクティス #逆噴射小説大賞

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