ソフト屋さんに求められる能力

ソフト開発に関わってかれこれ15年ほどたち、いろんな人たちを見てきましたが…リーダー的な立場になると割り当てられた人的リソースに対して「出来る」「出来ない」を判断し場合によっては戦力外通告を出さなければなりません。ここ数年そういった立場に置かれているおっさんSE視点の”優秀な人材”について勤務年数別で考えてみようと思う。
※あくまで私の経験を元にした考えなので参考程度にしてくださいね

そもそもの話として…
コミュニケーション能力とか積極性とか協調性は人並みにある事が前提です。これらがダメな人はたとえソフト開発の能力が高くても指示通り動いてくれなかったりクリティカルな問題を報告してくれなかったりと問題だらけなので使い物になりません。というか、お客さんから「あの人大丈夫ですか?」といわれてしまい最終的にメンバーから外されるor外します。人と接するのが苦手なのでソフト屋になろうとしているそこのあなた。ソフト屋も人と接する機会はあります。特に立場が上に行けば行くほど気を遣う相手と話す機会が増えます。そこは覚悟しておいてください。

新入社員とかソフト開発歴1年未満の人
ソフト開発の技術力は求めません。たとえプログラムの知識があったとしてもそれを技術に昇華できる程の経験がありません。こういった人材に求める能力は”理解力”とか”吸収力”です。私がこの手の人材をメンバーに迎えるときに設定する教育期間は半年~1年です。そのぐらい時間を掛けないと完全放置で作業させる事はできません。なのでこの期間に多くの知識を理解し吸収してくれる人材は教育期間も短縮できるので非常に優秀な人材だと私は思っています。

開発経験2年目~5年目位の人
祝!新人卒業。能力的にはだいぶ安定してきている頃なのでそれなりのアウトプットを出せるはずと期待されています。自分の能力もだいぶ把握できているでしょうから作業見積もりなんかもお願いしたいです。そんな人たちに求めるのは手の早さです。例えば3日で見積もった作業を2.5日で終わらすなどです。見積もり通り終わればいいじゃないかと思う方もいるかもしれませんが、ソフト開発の現場は大体が予定通りに行かないもので仕様追加や変更、進捗に影響のあるバグが出るなど忙しい時ほどよく想定外のイベントが発生します。なので前もって作業を前倒してマージンを作れる人材は非常に優秀です。もうね、焼き肉おごっちゃうレベルで優秀でありがたい人材です。

開発経験6年目~10年目ぐらいの人
6年目ともなれば技術力もそこそこあり手も早くなっている頃。ぼちぼちワンランク上の役職につくチャンスも出てくる頃で10年目位までが勝負の時です。出来る人間だという印象を上司達に植え付けてやりましょう。そんな人たちに求めるのはプロジェクト全体を見渡す能力です。プロジェクトの管理はなにもリーダーだけの仕事ではありません。むしろ積極的に関わって臨機応変に動いてくれる人材は喉から手が出るほど欲しい人材と言えます。こういった事が出来る人材は後任だったり別プロジェクトのリーダー選定時に推薦しやすいというか、既にリーダーとしての土台ができあがっているので胸を張って推薦できます。

11年目以降の人

大卒で就職したとして35歳前後、運もありますがリーダー的立場になっていいたりそれに準ずるような信頼を得られている頃かと思いますが、そろそろ若さに物を言わせて残業&徹夜でアウトプットを出すような仕事は遠慮したいと思うお年頃(私はそう思ってました)だと思います。ここまで来たら自分自身の技術/能力向上はそこそこにして人材教育(または教育する力)に注力した方が未来が明るいです。残念ながら人にお願いするより自分でやった方が早く終わるって事がよくあるのと、お客さんもASAPで仕上げる事を期待している方が多いため効率よく教える(伝える)のが苦手な人は結構多いです。逆に言えばそれができるというのは一つの強みになりますし下が育つ事によって自分が楽できる状況が増えてきます。歳をとると記憶力や理解力は頭打ちどころか下手すると下がっていくので、そっち方面での評価は殆ど上がらないし何より40歳を過ぎると冗談抜きで体力的に無理が利かなくなってくるので人並みのアウトプットしか出せなくなっていきます。しかしそんな人でもメンバーに技術的な教育を施してくれてチーム全体のアウトプットや品質向上に貢献してくれる人は優秀以外の何者でもありません。というか、リーダーやってると「誰かアイツを何とかしてくれ!」と言いたくなるような事がよくあるんですよ…

最後に
これ実践すれば本当に優秀な人材になれるの?と思いますよね。そりゃ名無しの40代のおっさんが一方的に語ってるだけですからね…
優秀になれるかどうかはひとそれぞれリーダーそれぞれ考えがあると思うのでここで書いた事は答えの一つでしか無いかもしれません。だた私がソフト屋として社会に出てからなんとなく意識していた事であり、少なくとも私はお客さんから「居てくれないと困る」と言われる程度には便利な人材だと思ってもらえているので100%間違いでは無いと思っています。もう5月も中盤ですが今年ソフト屋になった新社会人の方々には幸せなソフト屋人生を送れるようお祈りしています。

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