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母親はスネた?!

こんにちは。
介護のつぶやきです。

その日の晩ごはんは天ぷらでした。イカの切り身を解凍して天ぷらにしようと思いましたが、皮がついていると母親は噛めません。ワタシと娘はそれほど苦にならないので皮のついたまま揚げようと思いましたが、母親の分だけは皮を全部はいでしかも細かく切って水分を取って揚げました。

50年前に母親がワタシと兄にやってくれたように、天ぷらをやるときはいつもワタシが揚げて、揚げたてを母親と娘に渡します。その後新しく揚がった天ぷらを都度食卓まで持っていって皿の上に置きます。

最初のロットで皮をはいだイカの天ぷらを母親に出しました。その後揚がった皮つきのイカを娘の皿の上に置きました。小麦粉のついた天ぷらをすべて揚げ終わって娘と母親が食しているテーブルにつきました。

するとなぜか母親が不機嫌なのです。付け合わせのキャベツを全く食べずに

「ワシは天ぷら3個しかもらっとらん。キャベツばっかりこんなに食えん!」

とおっしゃる。娘が

「ナニ言っとるの!私ちゃんと5個置いたよ」
「ワシそんなに食べとらん!キャベツばっかり食えん!お前食え!」

なんだかわけがわかりません。でもこちらも負けていません。

「じゃあ、一箸だけもらうから残りは食べて」
「よー食わん!」
「食わないかん!」

ちょっとした親子(祖母孫)ゲンカですが大したことではありません。こんな話を近所ですると「母親を大切にしていない」とおっしゃる方々がお見えになります。申し訳ないけど母親の前に自分を大切にしないと精神的にやられてしまいます。なのでワタシはそういったご近所さんの言葉にはまったく耳を貸しません。

ブツブツ言いながら、そして時間をかけながら、でもなんとか母親はキャベツを食べきりました。

その後片づけをしていると娘が推論を展開しました。

「父さん、途中でイカフライ私の皿に置いたよね。その時にじっと見ていたから『ワシは追加の天ぷらもらっとらん』って主張したかったんじゃないかなぁ」

おー、なるほど。そういうことね。でもオカズたくさん乗せると『ワシ食えんでお前ちょっと持ってって食べてくれ』と必ず言います。なので少し多めにオカズを作って自分が少し無理して食べていたらそこに追い打ちで余分に食べることになってしまうと自分の体重に直結します。なので今日の母親の天ぷらは最初から少なめにしましたが、見比べてみて『自分の天ぷらの量は少ない』と感じたから抗議してきたのでしょう。

孫や息子と一緒の量がないとスネる。かといって食べきれないと「お前持っていって食べてくれ」とまるでだだっ子です。でも、そんなもんだと理解するでも納得するでもなく淡々と事実を受け止めて時の流れとともに過ごします。

でも、いつもは5分たったらすべてを覚えていないのですが、食べるモノの恨みは認知症であっても忘れないんですね。それはコチラが覚えておきましょう。

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