見出し画像

4.餅米(もちまい)は水引き必要

ワタシが見よう見まねでおはぎを作りました。
母親は一口食べて言いました。

「コレ水引きしたか?」
「・・・水引きってナニ?」
「うるち米に比べて餅米は水を吸いやすい。だから餅米使ってなにか作るときは通常お米を炊く時より水を少なめにしにゃいかん。コレは水をうるち米のままで炊いただろ」

現在母親88歳。要介護2の判定をもらって5年経ちます。昭和7年生まれ、戦後のごたごたの中、隣のまんじゅう屋さんに勤めて子守や職人さんの作るお菓子の下まえ(下準備)をやってきました。

結婚して一度離れ、その後ワタシが生まれた頃からまた行きだしたと母親は言っていました。。ワタシも子供の頃から高校生くらいまでずいぶんとお手伝いしてお駄賃(雇う側も働く側もアルバイトというレベルではなかったので)をもらったり、作りたてのまんじゅうをいっぱいほおばったりしたものでした。

だから母親もワタシも和菓子になじみ深いのです。ワタシのお手伝いは10年以上は続きました。3月には桜餅と三色だんご、4月になるとヨモギを摘んで草餅、こどもの日には柏餅とちまき、8月には土用餅、中秋の名月にはお月見だんご、そして年末のイベントはお餅つきと季節を和菓子で感じていました。

でも「水引き」というのは聞いた覚えがありませんでしたので、母親は勤めているときに大将や職人さんに聞いて覚えていたのでしょう。20歳ぐらいのことと考えると68年前になります。そのときの記憶は残っているんですね。


最近は5分前・・・いや、寸前の記憶がありません。甥っ子が結婚報告に来たときのことです。

「ばーちゃん、オレ結婚するんだ」
「ほーかほーか(そうかそうか)で、結婚してどこに住むんだ?」
「嫁さんとオレの勤め先の中間で安城に住むんだ」
「ほーかほーか」
1分後
「で、お前たち結婚してどこに住むんだ?」
「安城に住むんだ」
「ほーかほーか」
1分後
「で、お前たち結婚してどこに住むんだ?」

結婚することだけは覚えていたみたいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?