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光の物語

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中近世ヨーロッパの架空の国が舞台。隣国リーヴェニアから嫁いできた王女・アルメリーアと、王子ディアルの物語。政略結婚の相手として出会った二人は、互いの立場を自覚しつつも芽生えた恋を…
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2024年3月の記事一覧

小説「光の物語」第98話 〜深雪 11 〜

大雪の後、シエーヌの領内ではあちこちから被害の報告が相次いだ。 雪で道がふさがっただけで…

おやつ庵
7か月前

小説「光の物語」第97話 〜深雪 10 〜

修道院の居間でテレーザや修道女たちと編み物をするナターリエのもとに、彼女が勉強を教える子…

おやつ庵
7か月前

小説「光の物語」第96話 〜深雪 9 〜

「マティアスが猫を連れてきたって?」 地方の視察から数日ぶりに戻ったディアルは妻からその…

おやつ庵
7か月前
2

小説「光の物語」第95話 〜深雪 8 〜

ナターリエからの手紙を開いたマティアスは、紙の一部が空白であることを不思議に思った。 し…

おやつ庵
7か月前
1

小説「光の物語」第94話 〜深雪 7 〜

ナターリエはマティアスへの返事を書きあぐねていた。 それというのも、彼からの手紙はあまり…

おやつ庵
7か月前
1

小説「光の物語」第93話 〜深雪 6 〜

「あなたがテレーザね」 ナターリエと共に赴いた王城で、テレーザは王子妃と初めて対面した。 …

おやつ庵
8か月前

小説「光の物語」第92話 〜深雪 5 〜

ふたたび降誕祭の時期が巡ってきた。 冬の社交のために各地から諸侯たちが王城に集まってくる。 宮廷が一番華やぐ季節だ。 「この時期は各地の軍人たちも交代で休暇に入りますから、宮廷もますます賑やかになりますね」 この国での二度目の降誕祭を迎えるアルメリーアに向け、ばあやが口にする。 「そうね・・・きっと若者たちが大勢やって来るでしょうね」 考え深げにつぶやくアルメリーアにばあやは尋ねた。 「何かお気にかかることでも?」 「いいえ・・・ただ、砲兵隊もきっと休暇に入るでしょう?あの

小説「光の物語」第91話 〜深雪 4 〜

ナターリエの女官としてアーベルの遠縁がつくことになった。 以前は宮廷に仕えていたのだが、…

おやつ庵
8か月前