小説「光の物語」第92話 〜深雪 5 〜
ふたたび降誕祭の時期が巡ってきた。
冬の社交のために各地から諸侯たちが王城に集まってくる。
宮廷が一番華やぐ季節だ。
「この時期は各地の軍人たちも交代で休暇に入りますから、宮廷もますます賑やかになりますね」
この国での二度目の降誕祭を迎えるアルメリーアに向け、ばあやが口にする。
「そうね・・・きっと若者たちが大勢やって来るでしょうね」
考え深げにつぶやくアルメリーアにばあやは尋ねた。
「何かお気にかかることでも?」
「いいえ・・・ただ、砲兵隊もきっと休暇に入るでしょう?あの