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光の物語

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中近世ヨーロッパの架空の国が舞台。隣国リーヴェニアから嫁いできた王女・アルメリーアと、王子ディアルの物語。政略結婚の相手として出会った二人は、互いの立場を自覚しつつも芽生えた恋を…
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2022年6月の記事一覧

小説「光の物語」第66話 〜悲報 6〜

アーベルに付き添われ、ナターリエは自分の寝室へ戻った。 簡素な寝台に身を投げて新たにあふ…

おやつ庵
2年前

小説「光の物語」 番外編 休暇

「きみには休暇が必要だ」 べーレンス家の出来事がひと段落した頃、ディアルはそう言い出した…

おやつ庵
2年前
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小説「光の物語」第67話 〜新天地 1〜

あるじを失ったベーレンス家の領地は、ひとまず王家の直轄となった。 いずれはナターリエが結…

おやつ庵
2年前
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小説「光の物語」第68話 〜新天地 2〜

「しばらくですね」 王立修道院へナターリエを訪ねたマティアスは、応接室に現れた彼女に声を…

おやつ庵
2年前

小説「光の物語」第69話 〜新天地 3

シエーヌに到着したマティアスはさっそくベーレンス領の現状をつかみにかかる。 彼の身分と魅…

おやつ庵
2年前
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小説「光の物語」第70話 〜新天地 4〜

ナターリエは修道院での静かな暮らしを続けていた。 日々を祈りと日課の中で過ごし、時には修…

おやつ庵
2年前
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小説「光の物語」第71話 〜新天地 5〜

マティアスはシエーヌの地を知るため、家臣の案内で領内の各地を視察した。 この地は国内でも気候が厳しく、山や岩場も多い。 人々は無口で警戒心も強いが、いったん親しくなると情が厚いようだ。 農作物がとれるのは点在する低地だけで、主な農業は山岳地での酪農なのは他の地域と同じだ。 国をあげて始めた土地整備が進めば、農作物の収穫量ももっと上がる。 早くその日が来ることをマティアスは期待した。 険しい山道を越え、隣国ブルゲンフェルトとの国境近くにある湖にも足を伸ばす。 この湖はシエー

小説「光の物語」第72話 〜新天地 6〜

「マティアスからの報告によると、ベーレンス領の混乱は思ったほどではなさそうだ」 ディアル…

おやつ庵
2年前
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小説「光の物語」第73話 〜新天地 7〜

「ナターリエ様・・・ナターリエ様」 ある夜、小さく自分を呼ぶ声でナターリエははっと目を覚…

おやつ庵
2年前
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小説「光の物語」第74話 〜冬陽 1〜

行儀見習いの侯爵令嬢、クリスティーネの結婚が本決まりになった。 相手のラッツィンガー家と…

おやつ庵
2年前
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小説「光の物語」第75話 〜冬陽 2〜

「私、出席できません・・・」 クリスティーネの婚礼への招待を知らされたナターリエは、小さ…

おやつ庵
2年前
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小説「光の物語」第76話 〜冬陽 3〜

マティアスは王都への旅支度を進めていた。 シエーヌの近況報告と、新たな懸案事項である湖の…

おやつ庵
2年前
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