過去の記憶を書き換えた雌阿寒岳登山
私の趣味である北海道登山シーズンは、
もうすぐ終わりを迎えます。
雪が降っても
ちょっとした散策はする予定ですが、
本格的な登山は来年の春までお預けです。
今年は友人と登山の他、
一人で大好きな活火山にも登りました。
登山が10年以上ぶりとなる夫を誘い、
今シーズンの締めくくりに登ったのが
小学生の時に一度家族で登ったことのある
北海道足寄町の雌阿寒岳です。
エゾマツなどの樹林帯を歩き、
ハイマツのトンネルを抜けると、
ゴツゴツとした岩石と砂れきになります。
頂上付近の稜線は火口が
ずっと眺められるようになっており、
火口の壁からシューシューと音をたてる噴煙、
茶色の赤沼とエメラルドグリーンの青沼、
何色にも重なった地層が見えたりと、
雪がちらついてあんなに風が強くなければ
いつまででも眺めていたいと思うほど、
気持ちが高ぶってしまう光景でした。
小学生の時、家族で登った雌阿寒岳では、
姉のかぶっていた帽子が
突風で火口に飛んでいったのを見て、
火口の深さと風の強さが怖くなったのと
帽子が無くなったことが悲しくなりました。
そんなことがあったので、
小学生だった私は山の景色にも
特に感動することもありませんでした。
でも、再び雌阿寒岳に登ることで、
今まで抱いていた印象が変わり、
また行きたいと思うようになりました。
こうやって原稿を書いていると、
母が作ったおにぎりの大きさや
家族がどんな服装だったかを
なんとなく思い出せるようになっています。
今回の雌阿寒岳登山は
おとなになった私が、
新たな経験をすることで、
過去の記憶を書き換えることもできると
感じた登山でした。
来年の登山も、もうすでに楽しみです。
写真は山頂から見える
阿寒富士と火口にある青沼です。
ちほ
※この文章は2022年10月に書かれたものです。
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