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寒い冬に外で遊び続けるにはコツがあるのです

こんにちは!おやまのようちえんの酒井です。

最近寒いですね〜。
外遊びしたいけど、寒いし風邪ひかないか心配だから、ついつい家の中で過ごしがち。
一緒に行く私も寒いし、カフェ併設の室内遊び場ないかな〜スマホポチポチ。
みたいなこと多いんじゃないでしょうか?

そんなあなたに、寒い時期、子どもも大人も無理せず楽しく外遊びできるためのヒントをお伝えできればと思います。
コツさえおさえれば、寒さだけでないく暑さにも対応できるようになり、親子の選択肢と行動範囲が広がることにつながります。
スポーツ観戦や野外ライブのときにも使えます。

この時期の山はめっちゃ寒い

おやまのようちえんの子どもたちは3歳から6歳のいわゆる幼児たちですが、雨が降ろうと雪が降ろうと基本的に一年中毎日山の中で過ごしています。

おやまのようちえんのある原という集落は街より気温が2~3℃低く、山の中はさらに数℃低いです。真夏でも30℃超える日は珍しかったです。

そんなおやまですが、とくに最近はめっきり寒くなってきて、氷が張ることも多くなってきました。
そんな極寒とも言える環境の中で、おやまのようちえんの幼児たちは一体どうやって過ごしているんでしょうか?
震えて耐えているのでしょうか?
それともモコモコに着まくっているのでしょうか?

結論から言うと、けっこう薄着で元気に過ごしている。
むしろ暑いと言ってる子もいます。

その子一人ならその子が特殊って思うんですが、複数の子がそうなので、そうなるに至った何かがおやまの過ごし方にあるようです。

おやまの子に学ぶ、冬に外遊びするコツ3選

①徐々に体を慣らす

おやまの子たちは毎日山で過ごしているので、少し寒くなる秋口から徐々に体を寒さに慣らしながら冬を迎えています。
これを「寒冷順化」と言います。
順化は数日から数週間かけてゆっくり完成していくと言われています。
順化が進んでいくと寒さに慣れていき、適応していくので、我慢してるとかではなくその環境に居られるようになります。

薄着の北海道、厚着の沖縄の秘密

余談ですが、昔、1月に北海道に行ったときに高校生の下校の場面に遭遇したのですが、一面雪の路上で、女の子は素足にスカートで普通に歩いていました。
愛知県出身、京都南部在住で寒さにはあまり慣れていなくてモコモコに着まくってた私には衝撃の光景でした。
それと対照的な出来事もあって、12月か1月に沖縄に行ったときに、夜に居酒屋さんに寄ったんですね。その夜私はTシャツに薄手のセーター、シャツくらいの服装だったので、気温10何℃かあったと思います。居酒屋に入ると、なんと石油ストーブ焚いてるんですよ!えー、あっつ〜!と思って周りを見渡すと、地元の方はダウンジャケット着てたりするわけです。
まじか〜こんなに感覚違うものなのか。
びっくりしました。

そういえば外国人旅行者の方で時々めちゃくちゃ薄着の人いますよね。そういう人はすごく寒い国から来られたのかな、と想像しちゃいます。

運動会はやっぱり秋がいいワケ

そういえばまた思い出したのでまたまた余談になりますが、春の運動会で熱中症が多いのも順化が関係していると聞いたことがあります。
運動会は昔、10月10日の体育の日に行うのが一般的でした。10月というとまだ日中は暑いのですが、その時期の子どもたちの体は暑さに順化(暑熱順化)しているので、熱中症のリスクは比較的少なかったわけです。もちろん絶対リスクがないわけではないので、ちらほらと症例があったわけですが。
そこで大人たちはこう考えたようです。

「よし、熱中症予防のためまだ暑い秋口ではなく、涼しい春に運動会をもってこよう!新学年始まって早々にチームで一丸になる体験をすれば、その後の学級経営にもきっと役立つぞ〜」

ところがどっこい。
5月に春の運動会として開催しだしたら、熱中症で倒れる子どもが続出しだしたとのことです。
なぜか。急に暑くなった5月では多くの子の暑熱順化が完成していないのです。さらに直射日光、グラウンドの輻射熱、運動により発生する熱がリスクを増加させます。

話がだいぶそれましたので、寒冷順化の話に戻しますね。
順化は体の適応なので、すぐには起こりません。寒いからといって暖かくばかりしていたら順化しないので、春まで寒さに慣れることはありません。
しかも順化はリセットされます。暖かくすることも大事ですが、寒さに触れ続けることがかえって寒さに負けない体をつくることも大事な考え方です。

②温めた空気を逃さない

服を着ると暖かい理由のひとつに、空気の循環を妨げるからというのがあります。
ダウンジャケットが良い例ですが、体温で温めた空気をまとうと暖かいです。
材質はいろいろありますが、服は要するに布です。布はそれ自体発熱しないのですが、服自体や服と体の間に空気をためることができます。
ためられた空気を自分の体温であたため、それを逃がさないことを意識することがコツのひとつです。

服のチャックやボタンはしめる

コートやジャケットなどの上着の前をあけて着ていると、せっかく温まった空気が逃げてしまうし、冷たい風が入ってきます。
暖かくしたいなら、前はしめましょう。

襟元や袖、裾を絞る

襟元や袖や裾からも空気は逃げたり入ってきたりします。しめておきましょう。
ただし、しめすぎると息苦しかったり血液の循環が悪くなるので、ほどほどにしましょう。

風を通さない素材を外側に着る

ウィンドブレーカーやカッパなど、風を通さないアウターを着ると温まった空気を逃しにくいのでおすすめです。
フリースやセーターは空気をためるのには優秀ですが、防風効果はないので、アウターではなくミドラー(中間着)向きです。

汗冷えにも注意

風も通さないし、暖かい空気の層も作ったし、これで完璧だー!と思っても、実はもう一つ落とし穴があります。
それは汗冷えです。
外遊びのための防寒なので、外遊びをすると冬でも汗をかくことを見落とさないようにすることは大切です。
汗は急速に体温をさげるので、動いてるうちに汗をかくようになったら、襟元やアウターの前を少し開けるなど少し空気を入れ替えたり、ミドラーを一枚脱ぐと良いです。
ミドラーではなくアウターを脱ぐと、汗で濡れたインナーが急速に冷え、体温も急速に下がることがあります。
ゴアテックスのような防風・撥水(外側は水をはじく)と透湿(内側の湿気を外に逃す)を兼ね備えた素材がベストだとは思いますが、値段が高く、子どもの外遊びならそんな本格的なものでなくても、すでに家にある服を工夫して着る方がいいんじゃないかな、と思います。

ちなみに体温や湿度調整のために脱ぎ着をすることを考えると、分厚い服を着るよりも、薄手の服を重ね着するのがおすすめです。
これをレイヤードシステムと呼びます。

③頭、首、末端をあたためる

頭をあたためる

熱は熱いところから冷たいところへ移動します。
子どもの頭の上はけっこう暖かくて、逆に言うと熱を逃しやすいです。
帽子をかぶると頭から熱が逃げるのを抑えることができるので、帽子をかぶるのは簡単でとてもおすすめできる方法です。

「首」をあたためる

首、手首、足首といった「首」とつくところには体表近くに大きな血管が通っているため、そこを保温すると効果的だと言われています。
そういう意味ではネックウォーマー、手袋、厚手の靴下は非常に有効なアイテムです。

末端をあたためる

登山者が凍傷を負うのは手足の指先、耳、鼻などの末端です。
つまり末端は寒さに弱いと言えます。
末端を守る意味でも帽子、ネックウォーマー、手袋、厚手の靴下は有効な寒さ対策です。
特に帽子は耳まで覆えるニット帽や耳当て付きの帽子(フライトキャップとかロシア帽とか呼ばれているもの)がおすすめです。

【終わりに】対応していけば一年中怖いものなし

体を慣らす、服装の工夫でリスクを減らす。
これができれば怖いものなしです。

さらに運動は大きな熱を生み出すので、外で元気に動き回ったら寒さはへっちゃらです。

でも、運動量が少なく体温調節機能が未発達な乳児は無理させず、大人がしっかり守ってあげてくださいね。
で、ちょっと大きくなって動き回るようになってきたら少しずつ寒さに慣らしていくと強い体を得られると思います。

個性を知ろう

寒さ、暑さに強いか弱いかは、体質や筋肉量、脂肪率の影響も大きいので、紹介した対策をすれば絶対に大丈夫ということはありません。
あくまで一般的なコツですので、くれぐれも誤解ないようお願いします。

かく言う私は体脂肪率10~11%、40代男性としてはやや痩せ型で、この業界に20年以上いますが寒さに慣れることは全然なく、外遊びするときは服を6~7枚くらい着ています。
体質、体格、感覚などの個性を知っておくことは、どんな対策よりも大切なのかもしれません。

ちなみに暑さ対策は寒さ対策を逆にすればよいと考えてもらえればほぼ間違いないです。

読んでくれたあなたの参考になれば嬉しいです。

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