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★相場の転換点?為替介入に注意!

◆「ハト派利上げ」で円安ドル高
 植田日銀総裁は、会合の記者会見で「緩和的な金融環境が継続すると考えている」と述べ、「今後も緩和的な環境を維持することが大事になる」との考えを示した。「ハト派的利上げ(マイナス金利解除)は市場に関心感を与え、円安ドル高が進行した。20日22時時点で151.73円/ドルと為替介入を警戒するラインまで円安ドル高が進行してる。
 
◆22年為替介入を振り返る
【キッカケ】22年9月に黒田日銀総裁が記者会見で金融緩和を強調してことで円安が進行した。
【準備】22年9月14日 日銀によるレートチェック(介入準備)・・・144.96円/ドル⇒142.55円/ドル
★3度の介入
①   22年9月22日(木)の円買い為替介入(2.8兆円)・・・介入前145.90円/ドル⇒介入後140.36円/ドル
 22日昼頃、神田財務長官が「相場は乱高下している。過度な変動の場合はあらゆる手段を排除することなく、適切な対応を取る。スタンバイな状態だ」と述べた後に、16時ごろ日銀が為替介入に踏み切った。
②22年10月21日の円買い為替介入(5.6兆円)・・・介入前151.95円/ドル⇒介入後146.23円/ドル
 10月21日(金) 日本時間21時半ごろ151.899円/ドルをつけ、おそらく日銀が加入したのは24時近くだと思われる。5.6兆円と過去最大の介入によって、その後に146円/ドル台まで円高ドル安が進行した。
②   22年10月24日の円買い為替介入(0.7兆円)・・・介入前149.71円/ドル⇒介入後145.56円/ドル
 10月24日(月)日本時間8時過ぎに日銀が東京時間の序盤に為替介入を実施。介入額は少額だったが、21日と立て続けに追い打ちをかけて実施することで、強い意思表示(これ以上の円安は許さない!)のように受け止められた。
 
◆まとめ
22年の円安も今回も日銀総裁が要因である点では同じであり、悪いインフレ要因である過度な円安ドル高に対して、FOMCの結果を見ながら当局がどのように動くが注目される。動かなかった場合は、152円/ドルを超える円安容認として安心感を持って円キャリーが積み上がり、新たな介入ラインを探るように円安ドル高が進行すると思われる。
 一方で、為替介入の場合だが、22年以前の介入も「金曜日深夜」・「月曜日早朝」に為替介入を行われていることが多い。おそらく理由は、円ドル取引の主体である日本人が参加していない時間帯=円売り・ドル買い圧力が少ない時間帯を狙って、少しでも介入効果を大きくすることを期待していると思われる。
5%を超える賃上げによる実質賃金上昇(名目賃金-物価上昇分)に水を差すような円安に対して、介入を実施するのか?それともマイナス金利解除によって得た新たなカード「利上げ」を駆使するのか?
動き次第では為替(円安)・株式相場(株高)のトレンドに転換点となりそうなので、注意したい!!

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