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ローカルのプロジェクトマネジメントの必要性


これまで

東北に戻ってきて約3年。ようやく方言も自然に話せるように戻ってきた(笑)同級生からは、「かっこつけんな!」と言われそうだけど。あと、地元の会社、地元の人たちと一緒になって事業に取り組むことにも慣れてきた。帰ってくる前までは、どちらかというと半身を各地域に踏み込んで仕事していたスタイルだったので、地元にどっぷりつかって仕事をするのは初めての経験。

新年度がスタートして、あらためて、これまでの自分の仕事を振り返ってみた。

NTTデータ時代は、システムエンジニアとして社会人をスタート。大学時代はプログラミングの授業をとっていなかったので、まさにバックグランドが何もない所からの出発。今思うと、そんな何もできない自分に丁寧に教えてくれる上司、先輩方が多い会社だった気がする。しばらくお会いしていない方ばかりですが、皆さんありがとうございました!!

そして、何十億のプロジェクトを、何十社のパートナー企業(一番大きいシステム開発の時は、1000名規模のプロジェクト体制)と連携して進める開発経験(プロジェクトマネジメント)は、今となっては貴重な宝物。まさに、仕事をする上でのコアスキルとなっています。

次に、studio-L時代には、一転、業界、仕事内容をがらりと変えて、全国各地のまちづくり事業に参画。主要スキルもコミュニティデザインを一から学びなおすこととなりました。今でも覚えていますが、大阪の事務所で面接の際に、「今までの経験、スキルは役に立たないので、一旦忘れて」と言われました(笑)ちなみに、この転職のきっかけは別の機会に。

Lでは、主に、新潟、長野の案件のプロジェクトリーダーを担当していました。例えば、新潟県では十日町市の中心市街地の活性化、長野県では木島平村、白馬村の行政の計画策定のプロジェクトなど。各地域ごと、そこに住む皆さんにお話を伺い、同じ目線で課題に向きありました。その過程で、新しい取り組みを実施する楽しさ、難しさを身をもって体験。自分の性格的に、自分が関わった仕事、プロジェクトのその後が気になるタイプなので、私が生きている限りは、各地域に伺って、皆さんとお付き合いしていきたいと思っています。(コロナが落ち着いたら?、皆さん、伺いますね!!)

心に引っかかっていること

このような経験を経て地元に帰還。きっかけは、気仙沼市の総合計画策定プロジェクトに関わって、計画を作るだけじゃなくて、実行フェーズに地元出身者として最後まで見守りたいという想いが強かったから。

その後、いくつかのローカルプロジェクトに参画。全てではないけども、各プロジェクトを進める過程で、何度か心に引っかかる事柄に遭遇しました。一部は、自分のFacebookページにも書きましたが(2021年4月1日の開業届の件)、大まかに言うと、プロジェクトが中途半端だったり、横やりが入って意図しない形で終了してしまうこと。その大きな要因は、プロジェクトマネジメント機能、人材が不足にあるんだと思っています。

そんな状況を横目で見ながら、「こんなに面白いプロジェクトなのに、なんでこんな結末にしちゃうの!」という心の叫びが、心の中で積みあがっていきました。

さらに、コロナウィルスによって、特に、まちづくりの事業では、高齢者の方々と集まることができない、そして、Web経由でのコミュニケーションも難しいケースなどもあり、一概にマネジメント機能だけでは、どうしようもない悶々とした状態が重なっていきました。

【おしらせ】 2021年4月1日 開業届を出しました。 屋号は、べたに【 小山弘二 事務所...

Posted by 小山 弘二 on Thursday, April 1, 2021

前置きが長くてすいません。Facebookで書ききれなかった背景、個人的な想いになります。以下は、自分の経験をもう少しだけPRさせてください(笑)

ローカルでのプロジェクトマネジメント

コロナウィルスによって、社会状況が加速度的に変化していく世の中となって、プロジェクトマネジメント機能を保持した会社または組織、人材を担保しないといけないと私は思っています。特に、ローカルエリアでの課題感。

なぜかと言えば、各地方では、大切に維持していきたいこれまでの慣習、文化もあるかと思いますが、一方で、刻々と変化する社会に応じて、新しい取り組みを数多く試みて、その地域に適合した形(ローカライズ)にする。このことをより強く求められる時代になっていくと考えられるからです。そのためには、確実に新たな試みを、後で検証できる形まで持っていくプロジェクトマネジメント機能の拡充がローカルエリアで必要条件となってくると思っています。

ただ、過去、同じようなことを考えている方もいたのでしょうけど、私が調べた限り組織、個人としてもほとんどやっていない。その大きな壁となるのが、いかにマネタイズするのか。背景にあるのは、プロジェクトマネジメント機能、人材の必要性、認知度がそもそも低い。正直、ローカルエリアに行くほど、自社・組織内、もしくは複数事業体が共同で新たな取り組みをする場合、臨時で事務局を設置し、事業を推進するケースが多い。あえて、事務局員を確保するために、外部にお金を払ってまで事業を推進することもないと考えている人が大半な気がします。

その上で、この現状に対して、ひとこと言わせてもらいますと、「そのような体制で進めた各事業、何か結果を生み出せたでしょうか??」、「予算執行して、なんとか形にしたものの報告書を提出したのみになっていませんか??」と。全部の事業がそのような状況ではないんでしょうけど。。

そのような課題感に対して、自分自身の新たなチャレンジ、フルコミットするために、自分で開業届(屋号 小山弘二事務所)を出してローカルエリアでプロジェクトマネジメント業やってみよう思った次第です。

【新しい時代に、新しい仕事の仕組を、自分の人生を使って実験したい】

ただ、かっこつけて言ってみたけども、じゃーどうやって仕事をとるか。その壁にまずはぶつかるんだと思うんです。現にそうなっています。。

地方で、何か事業するときに、必要な機能、人材だけど、どのように仕事を発注すればいいの??小山さんに頼んだら、何を、どこまでやってくれるの?みたいな漠然とした不安が依頼側にはあるんだと。私が仕事を依頼する立場でもそうですもの(笑)

ですので、私がこれまで関わらせてもらった事業で、ある程度、結果がみえたプロジェクトを一つご紹介します。正直、プロジェクトごとに、関わる内容が違うので、「これをやれます!」ていう内容をご提示できないののが正気なところ。少しでもご参考になればと思います。(当然、まだ結果が出ていなくて、現在進行形のプロジェクトもあります)

私がプロジェクトマネジメントを行う上でモットーとしているのは、【難しい案件でも楽しみを見つけながら、結果が出るまで粘り強く対応する!】。目の前のことに、結果を出せないやつに仕事をお願いする人はいない。それは、withコロナ時代になっても変わっていません。文字にして書いてみると至極当然ですが(笑)

事例 気仙沼市でのインバウンドツアー造成事業

私が関わった、気仙沼市でのインバウンドツアー造成事業では、地域にとって新しい一歩(結果)を踏み出しています。

【現状の共有】
これまで、気仙沼市近隣の岩手県一関・平泉や猊鼻渓では、それぞれ約5万人(前者)、約2万5千人(後者)ほどのインバウンド集客数を獲得していました。コロナウィルスの流行前です。一方で、気仙沼は年間千名程度の集客でした。観光業を地域全体で取り組むために設立した気仙沼DMO発足後もインバウンド分野に関しては苦戦を続けていました。他の地域と同様に、地元事業者と連携して、海外の商談会などに参加していましたが思ったような効果がでない状況でした。

その要因として、大きくに2点あったかと思います。

①他の地域、事業者は何年も前からPR活動を地道に続けてきた
各地域、行政、事業者が協働し、その活動を5年から10年ぐらいかけてターゲット国を絞りつつ、継続的な誘客活動を行われている地域・組織が集客できている。聞いてみると当然なのですが、途中で予算が無くなった、担当者が変わったなどで、活動の継続性が見えなくなり、インバウンドへの熱が低下しているケースも同様に見受けられました。ですので、東日本大震災を経て、2~3年前に本格的にインバウンド誘客に向けて活動し始めた気仙沼エリアは東北の中でも後発グループに位置づけられます。

②ターゲットを絞りつつ、出口戦略が見えていなかった
①の内容とも関連しますが、うまくいっている地域・組織は、誘客活動を行う際に、自分たちの地域特性を活かせるような、もしくは現状の受け入れ態勢のレベルに応じたターゲット国、コンテンツプログラムの選定していました。そして、確実に集客してもらえるような海外のパートナー企業と連携し、PRだけの活動に終わらせない戦略もセットで組み込んでいました。

【打ち手Ⅰ】
まずは、事業者の立場から上記の状況を改めて関係者で共有するところから始めました。一緒に狙う直近のゴールがブレていると、一体感をもった活動ができないので。ローカルエリアで複数事業者が連携してプロジェクトを推進する場合に、その都度、丁寧なコミュニケーションが必要になってきます。
また、プロジェクトが進む過程で、取り巻く社会状況、関係者の意図に変化していきます。その際に、柔軟に軌道修正していくために、関係者内で定期的な目線合わせ、進捗、ゴールの確認プロセス(会議体など)を組み込んでおいた方が良いです。このようなことを意識して事業者間をマネジメントできる人材がプロジェクト内でいるか、いないでプロジェクトの成否が変わってきます。

【打ち手Ⅱ】
そのような状況下で、協力してもらえそうな海外の旅行エージェントを、様々な伝手を活用して探しました。突破口となったのが、マレーシアの旅行業者とのツアープログラム造成でした。詳しくは、取材してもらった以下の記事にのせてもらったので読んでください!

具体的には、以下の2Stepの作戦を仕掛けて、インバウンドの新しい集客ルートを獲得ました。

【Step1】お付き合いのある事業者経由で海外旅行会社をピンポイントで紹介してもらう
まず、水産事業でお付き合いある会社さんにマレーシアの旅行会社さんを紹介してもらいました。そして、地域の観光資源をPRしつつ、モニターツアーなどを開催して、商品造成担当の方に、近隣地域も含めて体感してもらうようにしました。

【Step2】 海外旅行会社が販売しているツアーに組み込んでもらう
その旅行会社が実際に販売している東北ツアー行程(ゴールデンルート)に、気仙沼市に滞在するプログラムを組み込んでもらいました。

【結果】4か月で約400名の集客を達成!
この作戦が見事はまって、2019年11月からのツアー催行が決定(下記、旅行会社ページのTOHOKU WASHOKUツアーを参照)。コロナが急拡大する2020年2月までツアー催行されました。トータル約400名のマレーシアの方々が気仙沼に滞在。※2020年7月までの本ツアーが販売されていたのですが、残念ながらこれからという所でコロナウィルスの来襲でキャンセルに

【キーポイント】他業種でも使えるものは使う
気仙沼エリアは、インバウンドに関しては、震災後から力を入れてきた後発組でした。海外の旅行業商談会にも地域として参加していましたが、思ったほど効果は出ていませんでした。一方で、水産業は輸出関連で海外の会社とお付き合いのある地元会社がいくつもありました。今回は、そのルートを活用して、観光ビジネスの開拓につなげました。これを一つの事例をきっかけして、新しい事業者さんとの出会いもあり、別ルートでツアープランの仕込み中です。世の中的に、旅行がしづらくなってきているので、これからの話になるのですが、何かしら結果が出てきたら、noteでご紹介します!


これから

現在、以下2点をの事業に、それぞれ所属している組織の立場で中心的に携わっています。

・気仙沼近隣のインバウンドツアー造成の事業
・行政計画策定、駅前エリアの新コミュニティ構築の事業

今回、開業届を提出したことにより、これ以外の事業に対して参画できるようにしました。というのも、ローカルエリアに、個人的に面白い!と思うプロジェクトが散在しているからです(笑)なので、フットワーク良く動けるようにした方が、関わっていただく方々にとっても相談しやすくなるかと考えて。当然、上記の2つの事業で結果を出すべく注力します!さらに、それ以外のテーマ、業界でも私の経験、スキルを活かしていく一年にしたいと思っています。

もし、ご興味ある方は、気軽にご相談していただければと思います。

これからもよろしくお願いします!!

追伸 今回、開業した事務所では、プロジェクトマネジメント業だけでなく、ローカルガイド業も行う予定です!以下のスノーピークさんの記事あるような内容が近いのですが、もう少しに詰めてからご紹介したいと思います。


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