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宮﨑あおいの思い出

先日、「小池栄子の思い出」を書いて、(私のアカウント的には)そこそこ好評だったので、今回は宮﨑あおいの思い出について書こうと思う。

といっても前回と同じく、囲み取材に参加して、写真を撮ったくらいである。宮﨑あおい主演のNHK大河ドラマ「篤姫」が放映中の2008年、江戸東京博物館で「篤姫展」が開かれたのだが、わが業界新聞社にも記者発表会の案内が来て、私が参加することになった。
といっても、前回の小池栄子のようにたまたま出くわしたのではなく、今回は宮﨑あおいに会ってみたくて、半ば強引に従来の仕事をほっぽり出して取材に行ってしまったのである。

女優・宮﨑あおいを初めて知ったのは、青山真治監督の映画「ユリイカ」であった。当時15歳の少女は、確かに顔立ちが整っていたし演技も上手かったが、何よりもその眼力の強さというか、まっすぐな眼差しが強い印象を残した。それから映画初主演作の「害虫」をDVDで観たが、もうこの映画、彼女の存在感だけで持っているような映画だった。実際ストーリーは、少女の美しさゆえに家族から教師から友人から恋人からみんな狂わされるという話であって、宮﨑あおいの存在感なくしては成り立たたない映画だったが、見事に演じ切っている。
青山真治監督「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」、塙幸成監督「初恋」など、シリアスな役ほど、輝きを増していたと思う。逆に彼女の可愛さを前面に出した作品「NANA」とかコメディ作品「少年メリケンサック」などはあまりよさが生かされてなかったように思う。

要するに、真面目な女優だと思うのだ。

というわけで、江戸東京博物館で宮﨑あおいと、あと聞いてなかったが松坂慶子が記者会見に登壇したが、宮﨑あおいは、想像通り、とても大人しくて、物静かで、怒られるかもしれないが地味ですらあった。女優として初めて映えるのかもしれない。受け答えもしっかりしていて、かといって受けを狙うこともなく、「篤姫展でここを見てほしいところは?」という質問には、「ドラマの調度品はとても史実に忠実だと聞いているので、この展覧会で調度品を見ることでドラマの魅力がより高まると思います」と答えていた。小池栄子のようにスポーツ新聞の芸能欄には載らないかもしれないが、展示会とドラマ関係者にとっては100点の回答だったと思う。カメラマンの「松坂慶子とポスターについて語らいあっているポーズください」という無茶振りにも、ちゃんと答えていた。

宮﨑あおいは元夫の行動や、人気者の現夫の影響もあって、叩かれたりもしているが、私は女優としてとても評価しているので、応援している。幸せになってほしいなあとも思うのは、結局ファンの贔屓目なのかもしれない。


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