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[Excel]データ集計をどう行うか? 実際の自治体データをもとに考える① イントロダクション

これまでの記事では、エクセルの「小ワザ」的な操作をお示ししていました。
今回からは、実務に役立つ(だろう)実践的な集計を記載していきます。(それが本来の目的です。ただし、「小ワザ」系も織り交ぜながら、になります。それはそれで、重要ですので。)

集計には大きく2つの作業があります。
1 複数のデータ(例:各所属からの報告)を「合体」させる作業
2 合体したデータの集まりを、計算・分析する作業
実務では1も多いと思いますが、今回は2です。
(分析というほどのレベルではありませんが、その入り口です。)


サンプルデータは「茨城県 旅館業法に基づく許可施設一覧

多くのデータが並んでいる「一覧表」。
眺めているだけでは、そのデータの持つ意味は掴めません。
データをどう集計すれば「意味」が見えてくるか、実際の自治体データをもとに考えていきます。

使用するデータはこちらです。
茨城県ホームページ 「旅館業」 の下にある
「7.旅館業法に基づく許可施設一覧」内の
旅館業法に基づく許可施設一覧(令和5年11月15日現在)(エクセル:350KB) を用います。
上のサイトがリンク切れやデータ更新される可能性もあるので、この時点のファイルをこちらに上げておきます。

このデータには、茨城県が許可をした旅館業法の施設が1,000ちょっと並んでいます。

データはこんな感じです

項目一覧

このデータには、以下の項目が並んでいます。

A列 №
B列 申請年月日
C列 営業者氏名(法人にあっては名称)
D列 営業者代表者氏名
E列 営業施設の名称
F列 営業施設の所在地
G列 営業施設の電話番号
H列 営業の種別(旅館・ホテル/簡易宿所/下宿)
I列 許可指令番号
J列 許可年月日
K列 総客室数
L列 総定員

このデータから何が出せるのか?何が分かるのか?

この一覧を、ただ眺めていても、茨城県の旅館業法の状況はイメージできないでしょう。(たくさんあるなぁ、ぐらい?)
個々では意味の薄い「データ」の集まりが、集計することで意味ある「情報」となり、茨城県の旅館業の「輪郭」が浮かび上がります。
そこから、様々な事実が分かり、課題や今後に向けた考察を行うことができます。(一般論です。同県の旅館業に課題がある、という意味ではありません。)
もちろん、集計結果がすべて有意とは限りませんが、集計してみないことには、分りません。

項目のすべてが集計の対象になるとは限りませんので、不要なところは削除しておいた方が集計は楽です。
ただし、集計内容次第では必要になる項目があるかもしれないので、今回は、とりあえずこのままにしておきます。

では、このデータ一覧からどんな集計ができるでしょうか?
あるいは、上司からこんな指示がきたら、どう対応すればいいでしょうか?

  • 種類別の許可件数を出してくれ(基本)

  • 種類別の総客室数と総定員(と平均)を出してくれ

  • 市町村別に営業種別別の許可件数を出してくれ

  • 法人と個人で営業種別の許可件数を出してくれ

  • 年ごと(暦年又は年度別)の許可件数を出してくれ

  • 10年単位(暦年又は年度)の許可件数を出してくれ

  • やっぱり5年ごとにしてくれ

  • 保健所ごとの集計を出してくれ

  • 許可案件を地図上に落としてくれ

などなど。色々考えられます。
逆に言えば、このデータ一覧から、ある程度の「傾向」や「推移」を見て取ることが可能になります。

上司の指示には2種類ある

「上司の指示」には2種類あります。
①具体的な指示 「〇〇の数値を出してくれ」
②抽象的な指示 「○○の理由は?」「〇〇への対応は?」

上司とは、直属ばかりとは限りません。
もっとハイレベルの上司(トップ)とか、
あるいは、議会(議員)とか、
あるいは、マスコミとか。
レベルが上がるほど②の抽象的な(=漠然とした)指示(質問)が多いでしょう(マスコミは⓵でしょうけど。)
例えば、、、
「業務量に応じた人員配置をしたい。」と言われたら・・・





「旅館業の許可」ばかりが業務ではありませんが、このデータから、導き出せるものもあるでしょう。
具体的に、どうすればいいか?
それはいずれ、とうことで。

こういった漠然とした指示(問い)に、「定量的(データ)」で答えるためには、どういう集計をすればいいか、それを考えるのは大変重要です。
つまり、②の抽象的な質問(指示)を、①の具体的な質問(指示)に変換する。
ちゃんとした直属の上司(係長等)なら、「答えに結び付くデータ」を見出し、部下に「具体的な集計の指示」をすることでしょう。
それが上司の仕事です。

でも、それができる上司ばかりとは限りません(経験的に。残念ながら。)。実務では直属の上司から抽象的な質問が来ることも多いかも。
担当者が自分で考える力を身に着けておくことが大変重要です。

*注意
この一覧には、中核都市である水戸市のデータは入っていません。
従って、集計を行っても、実際のデータとしては有益ではない場合がありますが、「見本」ということでご理解ください。

さて、まずは、一番基本となる「営業の種別(旅館・ホテル/簡易宿所/下宿)」別の許可件数を集計してみます。

ゴールは、こんな表です。
件数を出すだけなら5~10分位でしょうか(ピポッド使えば1~2分?)。

まずは、営業の種類別の件数を出してみます。
集計結果を隠す必要はないんですが・・・

でもその前に、このデータ自体について、見てみます。
ちょっと残念なところがあります。
具体的には、次回ということで。
引っ張っといて、すみません。

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