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[Excel]セル内で改行してはいけない(セル内での改行のマイナス面)

【まとめ】
「セル内で改行」してはいけない(データとして扱う際は)
  *単なる表の「見てくれ」のためなら使用も可 


【説明】
「セル内での改行」の方法は別記事で説明しましたが、長い文章でも短いセル内に示したり、自由な場所で改行できる、などのメリットがあります。
しかし、マイナス面(デメリット)もあります。
それは、一見同じに見えてもデータとしては同じでない、ということです。

同じに見えても同じではない

下の表では、上のF2セルも下のF3セルの両方に「東京都品川区」と入っています。
一見、同じように見えます。
しかし、2つのセルが同じかを判断する計算式(=F2=F3)を入れると・・・
結果は FALSE(偽)。つまり、同じではない、と言うことです。

表示は同じ「東京都品川区」だが、同じでない

セルを伸ばしてみると、違いが分かります。

セルを伸ばすと、下は改行されているのが分かります

上は途中で改行されておらず、下は「東京都」と「品川区」の間で改行されています。
後者は、「東京都」と「品川区」の間に、目には見えない改行コードが入っているため、計算式では「違うもの」として判断されてしまうのです。

これのどこが問題なのか?

セル内に改行が入ると正しく集計できない

下の表では、2・3・5のセルに「東京都品川区」という語句が入力されています。
一見、3つのセルは同じデータに見えます。
しかし、「東京都品川区」の数を拾い出す計算式(COUNTIFS)を入れてみると・・・
*COUNTIFSは条件が1つでも複数でも使えるので、条件が1つしか使えないCOUNTIFを使う必要はありません(詳細別途説明)。

D12からD15に、F12と同じものがいくつあるか数えます

「東京都品川区」に該当するデータは2つしかない、という結果になります。

なぜか?

上の例と同じく、セルを伸ばしてみると・・・

3番目のセルは「東京都」と「品川区」の間に改行が入っていることが分かります。
この改行の部分には見えない改行コードが入っているため、「東京都品川区」とは違うものとみなされ、集計から漏れてしまったのです。

これだと、XLOOKUP関数を使う際にも、正しいータが検索できなくなります。

セル内の改行は御法度

そのため、計算式に扱う(可能性がある)データは、セル内の改行は「御法度」です。(同じ意味で、セル内のスペースも御法度です。)

私も多くのデータを集計した際に、全体の件数と、各項目の計の総数とが合わないということがありました(一つの計算方法だけでは誤計算の有無を見つけられないので、別の計算方法で確認することをクセにしていたため、誤りに気付くことができました。)。

調べてみたら、データのいくつかは、セル内で改行されていました。

列幅が短く設定されていたため、意図的なセル内の改行とは気づかす、エラー探しにかなりの時間を費やしてしまいました。
(元データにそんな改行を入れていたのが元凶です。)

このような場合、正しく集計ができませんので、事前に「データ洗浄」(データクレンジング)が必要です。
具体的には、「セル内の改行を削除(消去)」するのです。
(他にも、セル内の半角や全角スペースの消去、半角と全角の統一などが必要な場合があります。)

膨大なデータを集計する際には、いきなり集計を行う(計算式を入れる)のではなく、異物の混入(改行コード、半角/全角スペース等)や、表記のブレ(半角・全角)がないか、確認し、修正することが必要です。

といっても、そんなに難しいことではありません。
詳細は別項でお示しします。

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