【詩】春氷水
手元の氷水、眼前の春
わたしの
体の内側から溶かし切ってしまおうと
スニッカーズ、チュッパチャプスに似た
気だるい春
冬のきりりとした厳しさもない
夏のじくりとした厳しさもない
あぁこの誤魔化しと虚栄の春
春が来るたびに
不機嫌で律儀な老人が腐すように
わたしも詩を詠おう
澄んだ目で春を冷ややかに見つめよう
北極から零さずに持ってきた氷水
一滴で夢から醒める氷水を
春の海に垂らしてやろう
イラスト 舞様
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