【小説】魔女の告解室vol.14
前回までのあらすじ
魔女と人が共に暮らす町。
人を排除し魔女たちの社会を確立させようとする指南役、人と共生しようとする長老の二つの勢力の間で、リコリスは戦っていた。しかし、指南役の筆頭であるガザニアに、長老一派だと疑いを掛けられ、復讐の機会を失おうとしていた。彼女は長老に復讐を託し、身を投げた。
第八章 月下美人⑤
「美しい月を見た。月は誰も殺しはしない。私と同じ夜を行く者でも大きな違いだ。命を摘み取るだけの毎日が、私の生涯で、私のすべて。どこにも逃げ場などない。それなの