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2024年大予測座談会③ - 渋沢栄一さんに学ぶ

2024年も大きなイベントが待ち受けていますが、その中の一つに「新紙幣発行」があるのではないでしょうか?数年前には、NHKの大河ドラマの主人公にもなりました。
その渋沢栄一さんから、今だから学べることは何か?を話しました。


1.新紙幣の顔 渋沢栄一さん

あずき:少し話は変わるのですが、2024年は新紙幣が発行されます。渋沢栄一さんが壱萬円札の新しい顔になりますので、今、彼から学ぶことは何かを改めて考えたいと思います。

あずき:代表的な著書、『論語と算盤』(東亜堂書房, 1916年初版)では、「論語=倫理観や道徳観」と「算盤=経済や利益の追求」の両立はできると説いています。今の時代でも、「世の中の役に立つことと、自社が儲けることは別物だ」という考え方がまだまだありますが、当時も、同じように「両立できない」と考えられていたようですね。それより少し前の時代、江戸後期から明治にかけて、近江商人は「三方よし」という考え方で発展してきていますから、両立できるのが当たり前と考える時代なのかなと思っていたのですが、そうでもないのですね。
たま:「お役立ち道経営」でも、「お役立ち道経営は儲かるのか?」という議論がたびたび起こります。いつの時代でも、悩ましい課題です。
あずき:『論語と算盤』以外にも、ジェックでは『人生の急所を誤るな!』(渋沢栄一『人生の急所を誤るな!―私が実践した夢と成功の実現法』, 竹内均解説, 三笠書房, 1991/『青淵百話』が原版)という著書が社内推薦図書になった時期もありました。これは、バブルがはじけて、ビジョン経営が必要だと言われ始めたころに、評判になったようです。「信念と志を持って、何事にも取り組んでいこう」という内容だったように記憶をしています。今の時代だからこそ、彼から学ぶことは何だと思いますか?
ゆーりママ:本来なら、国が主導で進めるべきこと、つまり、交通インフラや、金融、主要産業を興す、そして、外交に至るまで、民間の側から取り組んだというところですよね。
たま:500社以上の民間企業の設立や育成にかかわったそうですね。
あずき:「民」が主導で日本を創ろうとしたと。
ゆーりママ:一時期、政府に入ったこともありますが、退任後は「民」にこだわって、日本の近代化や、民主主義化に貢献したと感じます。
あずき:そう考えると、今も同じような状況かもしれませんね。経済も、国や社会のあり方も、科学技術や情報インフラも、大きな転換期にあって、国と「民」とが協力して、新しい社会を創るチャンスが来ている。でも、多くの人は、不具合にばかり意識がいってしまって、国が頼りないとか、国が動いてくれないとか、国はなんだ、政治家はなんだ。ま、政治家も政治家なんですけどね…。コロナの時も、今のデフレについてもそういう愚痴は良く聞きますよね。自分から、新しい社会づくりに関わろうとしない。もしくは、関わろうと思えないほど困窮している人も多いのですよね。
ゆーりママ:渋沢栄一さんは、「社会のインフラを整えることこそが、私たちの利益につながる」と信念をもって取り組まれていたそうです。
あずき:結局、民間の私たちが、将来を見てどういう国を作っていくか、どういう仕事をしていくか、というところを、渋沢栄一さんから学ぶべきということですよね。
ゆーりママ:学ぶべきですね。政治に対する愚痴の中で、最近は増税が多いと思うんですよ。確かに税金の無駄遣いは多いと思うんですけど、僕は、結構税金を払うことに賛成な方で、国を雇っていると思っているんですね。国の株主なわけですよ。だから、その分、物言う株主であるべきだと考えているんです。しっかりと金は出す、そして、無駄遣いが多いなどは、しっかり見て、選挙で意思表示をする。ある意味、政治家のロールモデルに僕たちがならなきゃいけないのかなとも思いますね。いろいろ問題のある政治家は多そうですもんね。

2.政治家の話にちょっと脱線

あずき:あくまでも主観なんですが、本当に自分に謙虚で誠実な人って政治家にならないような気がするんですよ。国をよくするという責任が大きすぎて、そんな自分なんておこがましいと思うのが普通の人の感覚じゃないかなと思うんです。なかなか公約を果たせない。これは、企業人であれば辛いし、責任問題になりますが、政治家は責任を問われず、しれーっとしているように見える。
ゆーりママ:人のせいにするの上手ですよね。秘書とか。
あずき:自分が言ったことを忘れないと、メンタル的に持たないんでしょうね。
たま:鈍感力ですね。
一同:(笑)  ※あくまでも3人の主観です
あずき:そういえば、私、数年前にある政治家からDMが来まして、それが選挙違反だったらしく、警察から電話がかかってきていろいろ聞かれました(…詳細はここでは書きませんが…)。もともと、野党第一党を渡り歩くような人で、自分が政治家でい続けるために世渡りをしているという印象があって、あまり好きではなかった人なのですよ。どんな社会を創りたいかではなく、自分が政治家でい続けるために知恵を使って行動しているという感じで。
ゆーりママ:そんな人は言語道断ですよね。自分に謙虚で誠実な人は、権力を求めないで、本当にコツコツコツコツ活動されていらっしゃいますよね。自分にできることは何だというのをきちんと考えて、声をあげて、自分の行動で実現していく。
あずき:それこそ、渋沢栄一さんのように、民間から変えていこうとしていらっしゃいますよね。
ゆーりママ:もちろん、尊敬すべき政治家もいらっしゃいますけどね。でもやっぱり理想を持って地道に動かれている方は、選挙に出る前に、別の行動を起こされています。
あずき:そうですよね。で、もうやり尽くして、やっぱり最後は政治の壁を破らないとどうにもならないところがある、というタイミングで政治の世界に入っていくのは、共感するんですけど。
ゆーりママ:何人もそういう方もいらっしゃいます。
あずき:民間で実績がないままに政治家を目指すというのは、勘違いをしている人が中にはいるのかもしれないなあと思ってしまいます。それこそ、倫理観だとか、志だとか、信念だとか、民間からだとか、渋沢栄一さんが説いてこられたことが、足りないように思います。

(つづく)


<まとめ>本日の大予測(?)ポイント

1.国や会社に任せっぱなしにせず、「どういう社会を創りたいか?」を考えて実行していく


<付録>押さえておきたいワード

新紙幣

2024年7月3日に、一万円、五千円、千円の3券種が改刷される予定。新札の肖像は、新一万円札は渋沢栄一、新五千円札は津田梅子、新千円札は北里柴三郎。(参考:国立印刷局「新しい日本銀行券特設サイト」, 2024/1/25閲覧)

近江商人/三方よし

近江商人とは、近江に本拠地をおく他国稼ぎ商人のこと。江戸時代後期から明治時代の創業で現在も商社など多くの企業が活躍している。その商いの精神「三方よし」、つまり、「売り手によし、買い手によし、世間によし」とされ、「商いというものは、売り手も買い手も適正な利益を得て満足する取り引きでなければならない。そして、その取り引きが地域社会全体の幸福につながるものでなければならない」という共存共栄の精神を表している。(鈴鹿から琵琶湖まで-東近江市の博物館の情報サイト「近江商人とは」「家訓」より抜粋, 2024.1.25閲覧)

座談会メンバー紹介

あずき(お役立ち道ねっと運営担当) たま(〃運営担当) ゆーりママ(〃運営サポーター)

以下のサイトから、動画(短縮版)で見ることができます。
お役立ち道ねっと「2024年大予測座談会!(後編)/ 自分らしさ全開でいこう!」

文字起こし & 編集 あずき

<おまけ>血洗島に行ってきた!

新紙幣の顔が渋沢栄一さんになると聞いてすぐ、渋沢栄一さんの故郷、埼玉県深谷市血洗島に行ってきました。その日は暑く倒れそうになりながら深谷市内をめぐりました。その時の画像を少し共有します。

旧渋沢邸「中の家」 2019.8撮影
血洗島の表示がある電柱。影が無く逃げ場の無い暑さ 2019.8撮影
熱中症になりかけて駆け込んだカフェ MOCOさん 2019.8撮影