見出し画像

よく噛んで食べることはなぜいいの?噛むことの大切さを知って、永久歯が生える前からよく噛む習慣を身につけよう!

「よく噛んで食べなさい!」私も小さい時、よく言われたものです。
その甲斐もなく、私はとっても早食いでした。
最近は気をつけてますが、ちょっと気を抜くとすぐ早食いになってしまって反省します。
このように、小さい時からの習慣ってなかなかおとなになってから直そうとしても直らなかったりしますよね。。
よく噛むことはおとなにもこどもにもいいことがたくさん!
小さい時(特に乳歯の頃)からよく噛んで食べる習慣がつくと、どんないいことがあるのか、よく噛んで食べるためにはどうすればいいのかを以下にまとめてみました。

噛むことってどうして大切?口は食べ物が入ってきて一番最初に通る消化の第一関門!

よく噛まず飲み込んでしまうと、胃腸の消化吸収に大きな負担がかかり、消化不良や炎症を起こしたり、便秘がちになったりします。
小さいこどもの消化器官は未発達なので特に負担が大きくなります。

よく噛むことで唾液の分泌が多くなります。
ごはんをよく噛むと甘みを感じますよね?
それは唾液に含まれる酵素が働いてでんぷんを小さい分子に分解し、マルトースという糖質の甘みがでてくるからです。
その甘みこそ消化の第一段階です。

よく噛むと、そしゃくによる刺激と唾液の分泌に反応して、胃液の分泌が始まります。
胃の準備が整った所に食べ物がはいっていくことにより、消化器官に無理な負担をかけることなく、消化がスムーズに進みます。

画像3

噛むことでカラダが強くなる?噛むことはカラダ全体の骨格や筋肉に影響します!

たくさん噛むことで口まわりの筋肉が発達し、きれいな発音が出来るようになり、あごだけでなく頭蓋骨全体もバランス良く発達し、口をよく動かすことで表情も豊かになります。
あごが弱かったりゆがんでいたりすると、体全体の筋肉や骨格のバランスに大きく影響します。
乳歯の頃から噛む動作をたくさんすることであごの骨は強く丈夫に大きく育ちます。あごが大きく育たないと、永久歯に生え変わる時に歯並びが悪くなってしまうこともあります。

よく噛んで健康になろう!唾液には生活習慣病や病気の予防の効果も!

よく噛むことで脳内に増えるヒスタミンには、満腹中枢を刺激して食欲を抑制する効果があるので、余分な食べすぎを防いでくれます。
最近のこどもに増えている肥満を予防できます。
唾液の中に含まれるベルオキシダーゼという酵素にはがん予防の効果があると言われています。
唾液にはがんや老化の原因となる活性酸素を減らす役割もあります。

よく噛むことでアタマが良くなる?脳の発達に役立ちます!

たくさん噛むことで、脳が刺激され脳内の血流が活発になり、脳にたくさんの酸素が運ばれるので思考力がアップします。
特に脳の中でも、人間の知性にかかわっている前頭前野が活性化されます。
前頭前野が未発達だと、物事をキチンと判断して行動することが難しくなったり、イライラや衝動的な行動が抑えられなくなったりします。
最近増えている「キレやすいこども」はこの前頭前野の未発達が原因の一つになっているようです。
脳の発達は老化防止や認知症予防にも役立ちますのでおとなにもいいこといっぱいですね。

虫歯のない健康な歯を育てよう!

よく噛んで唾液の分泌が増えることで、口の中の虫歯や歯周病の原因菌を少なくしてくれます。
また、唾液に含まれる酵素がカルシウムと結びつき、歯を強くしてくれる効果も期待できます。
よく噛んであごを充分発達させることで、永久歯の生え変わりの時、歯並びが悪くなるのを防ぎます。

気持ちを落ち着かせて集中力を高めることができる!

噛むことで、脳の中に緊張をやわらげてくれる化学物質が増え、緊張やストレスを軽減し、リラックスすることができます。
スポーツ選手等が試合中にガムを噛んだりしているのは、気持ちをリラックスさせて集中し、持っているチカラを充分に発揮するためです。
そして噛むことは、集中力だけでなく記憶力を高める効果も期待できます。
その上、丈夫な歯があれば、ここぞ!という時に歯を食いしばってチカラを発揮することができます。

「噛む=味わう」噛むことで味覚が育ちます!

噛むことで食感や味の違いがよく分かるようになり、味覚が発達します。
一番わかりやすいのは、ごはんをよく噛むと甘みを感じること。
そのように、よく噛んでゆっくり食べることで味や食感・香りなど、素材本来の美味しさを知ることができ、薄味の食事でも満足できるようになります。

画像3

噛む習慣をつけるためにはどうすればいいの?

こどもはお母さんのお腹にいる頃から指しゃぶりをし、生まれてからは母乳を吸うことで自然と噛むことの訓練を始めています。
おおむね2〜3歳には乳歯が全て生えそろい、ちゃんと噛むための準備が整ってきます。
そして5〜6歳ごろには噛む力はおとなの1/3程度まで育ってきます。
噛む力を育てるためには4歳ごろから意識的に噛みごたえのあるものを食事に取り入れていきましょう。
乳歯が生えそろったばかりの2〜3歳ごろはあまり無理せず、ちょっと硬めのりんごなどのフルーツなどから少しずつ噛む訓練を始め、4歳ごろから繊維質の多い野菜やこんにゃくなど弾力がある食べ物を増やしていくのがいいでしょう。

実際何を食べさせれば噛む訓練になる?

おせんべい等のパリッとした硬いものではなく、弾力がありぐにゃぐにゃしているものを奥歯まで使って左右にすりつぶすように噛むことが大切です。
繊維の多い根菜類(れんこんやごぼうなど)、乾物類(切干し大根など)、こんにゃくやするめ、フランスパンなどもいいですね。
よく噛まないと飲み込めない食材を1回の食事に1〜3品入れたり、こどもだからとあまり小さく刻まず、煮物やカレーなどの柔らかい具は大きいままにしておくことで、自然と噛む回数が増えていきます。
こんにゃくなど、ノドに詰まらせる心配があるものはその心配がなくなってから与えるようにします。

画像2

噛む回数や姿勢など、どんな事に気をつければいい?

噛む回数の目安はひとくち30回と言われています。
目の前に美味しそうな食事が並んでいると、無意識に次々と箸をすすめてしまいがちです。早食いが気になるこどもは、ひとくち口の中に入れたら、箸やフォークを一旦おいてみるといいかもしれません。

また、食べ物をよく噛まずに飲み物で流し込んでしまわないように、口の中にものがなくなってから飲み物を飲むようにするといいでしょう。
楽しく数を数えながら噛んだりして、たまに自分が噛んでいる回数を意識させるのもいいですね。

食べるときの姿勢も重要です。足をぶらぶらさせているとしっかり噛めないので、足がしっかり床などについていることが大切です。
椅子には浅めに腰をかけ、背筋を伸ばして足をしっかり床などにつけることで腰から頭までがフラつかず安定します。
噛むときの姿勢の悪さは永久歯の歯並びにも影響するので気をつけましょう。

よく噛むことの大切さ、わかりましたでしょうか?
噛む力の発達はこどもによってとても個人差があります。
あまりガミガミ言ってしまうと食べること自体が嫌になったり、億劫になったりするこどももいますので、こどものペースに合わせて無理なく噛む回数を増やすようにできるといいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?