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父を思う時には


先日、母から電話があり
父の三回忌をどうするか?相談を受けた。

去年一周忌をやったよね?
えぇーっっっ!
三回忌って、その次の年にやるものなのー?
もういい大人のワタクシですが
そう言う常識は全くと言って良い程の無知。

お父さん!知らなくてごめん!(>_<)

そこから仕事のシフトの希望を入れて
休みが取れることになり
三回忌やれるよ!と母に電話してみたけど
やらなくて良いとの返事。

せっかくの休み ただでさえ忙しい私を気遣う
母の思いに、今回は素直に甘えることにした。
正直なところホッとしたのも事実だ。


父は2年前に他界。
病院で最期を迎えたわけだが、病院から
父の荷物を受け取った母曰く
「お父さんの腕時計がない」
「きっとどこかに紛れているんじゃない?」

母は形見分けで、夫か私の息子に父の時計を
譲るつもりだったのだろう。

しかし結局、父の腕時計は出てこなかった。

それから暫くして、母の腕時計が止まり
電池交換してもらうべく
生前、父と行ったと言う時計店へ。
普段スマホがあるから腕時計を付けない私だが
どうしても気になる時計がある。

迷いに迷ったあげく購入することに。

これは後から気付いたことだが
起き上がれなくなった父を病院に連れていく
ために救急車を呼んだ時
救急隊員の方に「腕時計を外して下さい」と
言われて見た 父の時計は文字盤の色から何から
私が買った時計とそっくり。
大きさが違うだけの
まるで拡大コピーしたような時計だった。

今年のお盆にお墓参りで帰省した帰り道
青空に広がる雲がみごとで
「あぁ!父が生きていたら『すごい空だなぁ
写真撮りたいなぁ』と言ったはず。」
米作り農家の合間に、道路工事 冬は酒屋の
酒造りの仕事に精を出し
働き詰めの父の趣味は、北海道の雄大な景色の
写真を撮ることだった。

私は、居てもたってもいられず
夫の運転する車が赤信号で止まった時
すかさず窓を開けて空と雲を写真におさめた。
父はもうこの世には居ないけれど
確実に私の中に存在する!


腕時計を見る時
日常の何気ない景色に目が止まる時
私は父を思う。

肉体が無いからこそ
父はいつも私と共に存在する。
なぜなら
私の半分は父で出来ているから。
父のDNAは脈々と私の中で、そしてわが子の
中にも生き続けている。

そこにはいつも
おだやかな顔で笑う父が居る。

ありがとう お父さん  (୨୧•͈ᴗ•͈)◞ᵗʱᵃᵑᵏઽ*♡

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