Fight Club -僕というままごとの全滅-


※この記事は2019年7月11日に下書きのままにしておいた記事である。


僕は全てを救いたい。
"自己破壊"、それがFight Clubの最大テーマだ。
僕は何となく気付いてしまったんだ。
僕が遣りたいことも、もしかしてこれじゃないのかって。
すべてを救いたいのに、自分を破壊して、破壊して、破壊し尽くしたい。
その最高の矛盾に、僕は気付かない振りをしている。
気付いてしまったなら、行先はもう決められている。
"自滅"、そして"全滅"だ。
生命の絶滅を喰い止める為に、僕は全滅しなくては、最早生きてゆけない。
タイラー・ダーデンは、自分を正義だと信じていたか?
盲目なヴィーガン過激派テロリストのように。
どうだろう?
彼は何処かで、自分の遣っている反社会的破壊活動は、社会の為になる、人々を、世界を良くするって、何処かで信じていた、願っていたんじゃないか。
もしそうじゃなかったなら、何故あそこまで社会を巻き添えにして自己破壊を展開し続けたんだ?
「一人で遣れ!」そう人々は彼に対して叫んでいた。
自己破壊は、一人で遣ってくれと。
死者も出てしまった。
彼の過激極まりない自己破壊行動によって。
徐々にエスカレートして行ったのは何故だ?
「満足できなくなったから。」
一対一の殴り合いでは、満たされなくなった新たなる不満を、解消する為にか。
"生きる"為に、"自己破壊"を続けた結果、何処かで"自己破壊"する為に生きていることに気付いてしまった。
"生きる"こと、それは"自己破壊"だ。
この先どんどん、事態はエスカレートしてゆくだろう。
大量絶滅まで、タイムリミットは迫りつつある。
では僕ら個人個人の制限時間も当然迫っているということだ。
ヴィーガン過激派テロリストたち、彼らの組織名は『VEGAN MONKEYS』。
彼らが未来に企むことを僕は預言できるよ。
彼らは幾つもの食肉工場を、同時多発爆破テロで、粉々に粉砕させる。
死者は100桁に上る。
何故なら彼らが遣っているのは、彼らが遣りたがっているのは、ファイト・クラブと全く同じ、"自己破壊活動"だからだ。
過激派テロリストたちが、どう足掻けば"正義"になる?
『剣を持つ者は、剣によって滅びる。』
イエスの言葉を彼らは知らないのか?
それとも知ってはいたが、忘却の灰の彼方に、爆破させ、自分の家さえ、闇の穴のように黒焦げにしたのか。
僕は彼らの結末が目に見える。
"ファイト・クラブ"だ。
彼らは彼らと動物たちと人々を救い出す為に、危険なfightをやめない。
やめる気はない。
だってそうしなければ、僕らがじっとしていたら…待ち受けているものは、どこを見渡しても地平線まで続く砂漠の山々。
「生きているものはいるか⁈」
誰かが砂の海に向かって叫ぶ。
だが何の音も、虚しく、風音すら返っては来ない。
ヴィーガン過激派テロリスト組織『VEGAN JUNKIS MONKEYS』を創立したタイラー・ガーデンはピンク色のグラスのゴーグルを床に投げつけ、「ぼく」の右の手の甲を苛性ソーダで焼きながら血走った目を見開いて「ぼく」に向かってこう言う。
「いいか、よく聴け!俺たちは俺たちを救わなくちゃならない。此処は誰の星だ?ミートイーター達だけの星か?ふざけるな!この星は皆んなの星さ。俺たちが何故肉を喰いたいだけ貪り喰って約半数近くは廃棄し続けるミートイーター達の為に共に灰と共に去り行かなくちゃならない?理不尽にも程がある話さ。俺たちは自分たちの生を護らなくちゃならない。彼ら大多数のミートイーター・モンキーズと共に、滅びゆく時を今か今かと震えて怯えながら待っている訳には行かない。俺たちは俺たちを救う為に行動を起こさなくてはならないんだ。その為には、犠牲を避けることはできない。全生命が絶滅するよりはマシさ。お前はこう想っているんだろう。俺たちは神に憎まれているかもしれない。過激な行動一つ取らないで、どうやって世界を変えられる?暴力に対して、暴力でしかわからせることはできないことがこの世界にはある。その一つが死刑というものだ。最悪の暴力だ。でも動物たちは彼らに一体何を遣った?人間たちを牛や豚や羊や馬や鶏たちは殺しまくったのか?もしそうでないなら、なぜ彼らを大量に殺し続けることが正しいんだ?それでも人間なのか?俺たちは人間だと言えるのか。それでも神に愛されていると?神は俺たちを許していると?彼らが貪り食べているのは、彼等自身じゃないか。俺たちは最低限の犠牲で済ませようとしている。だが彼らは大量に自分自身を殺戮し続けている。彼等の方がよっぽどおぞましい行為をし続けているじゃないか。俺たちは彼等を救い出す為に、彼等を殺すことも避けては通れない。それを避けていては、誰も救えない。ただのカルト組織だと、人々は俺たちを非難し、或る者は俺たちを殺そうとするだろう。お前はそれを恐れているんだ。でも忘れるな。俺たちは最早、自己破壊による苦しみと犠牲とによってでしか、生きられない、生きている実感を、感じることはできない。もう後戻りはできないんだ。俺たちは、少しでも犠牲を減らしたくてヴィーガンになったんじゃない。俺たちは人類の自己破壊をこの世からなくす為に、ヴィーガンになったんだ。彼等はみずからゲヘナに向かっていることをわかっちゃいない。そこがどんなに恐ろしく、苦しい世界か、彼等はわかっていないんだ。他にどんな方法がある?他のどんな方法で、俺たちは自己破壊を止めることができる?俺たちが何も行動を起こさずに死んでも、彼等は殺され続ける。彼等はみずからを殺し続けているんだ。そして誰もそれに気付こうとしない。俺たちはそれに気付いた。だが俺たちが彼等にどんなに泣き叫んでそれを訴えようとも、誰も聴く耳を持たない。だから俺たちは遣らなくちゃならないんだ。俺たちに苦しみと犠牲が必要であるのと同時に、彼らにも苦しみと犠牲が必要なんだ。苦しみと犠牲を拒んだところに、救いなどない。俺たちは自分のすべてを犠牲にしてでも、彼らを救い出す使命がある。殺人が目的ではない。人に危害を与えることが目的ではない。業務妨害が目的ではない。人を嫌な気持ちにさせ生活にストレスを与え続けることが目的ではない。彼らは動物を大量に虐殺し続けることが目的ではない。ただ食べる為だ。俺たちの目的はただ一つ。俺たちと、動物と、彼らのすべてを、救う為だ。全生物の滅びを何もしないで待つか、少しの犠牲によって大量の生物を救い出す為、メイヘム計画(世界最大の自己破壊工作)を実行するか。二つに一つ。俺がお前に言いたいことは、これですべてだ。お前が遣らないと言っても、俺は遣る。
これは究極の、自己破壊、俺たちすべての、生きる行為である以上。」


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