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交差する心地いいの中で。

お祝い事だというのに、居酒屋に行きたいなんて君は言う。
控えめなその言葉がただただ、愛おしくて。

焼き鳥が好きな彼女は、ハツを食べて目をひん剥く。

レバーが嫌いで、パクチーが嫌い。
すぐに顔に出る所もたまらなく愛しい。

君の好きな物の話をずっと聞いてる。
ずっと聞いていたい。俺は頷くだけ。

2件ほど店をめぐって、家で酒を飲む。
酔っぱらった君が、私の好きな曲って流してくれた数々の音楽。
俺も好きだと賛同できる物はプレイリストにそっとしまって。

好き嫌い、我儘、夢。
いつからか、それは二人分になった。
お互いが好きな、お互いが、交わる交差する好きの中で
ただぐっすり安心して眠れたら。それだけでいい。

理解できない部分、頷けない意見はあっていい。
それでも交わる。交差する。二人の心地いいの中で
ただひたすらに愛を深めたいと。

思う。



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