00年代浪漫飛行
今回はいつもと違う備忘録。
さっき自宅からさほど遠くない距離にある書店に行ってきたんですよ。昔からある色あせた書店。
ガラス張りの壁に数年前上映された映画のチラシが貼ってあり、書店の看板はネオン管で文字が描かれていて、一昔前を彷彿とさせる。
そんな場所に足を運んでみた訳ですよ。それもまあ気まぐれで。
中に入ってみるとまあビックリ。当時から残っていた在庫をそのまま残していたのであろう。薄く埃の被ったフィルムに色褪せた表紙がズラッと一面にならんでいる。出入口の入ってすぐ右には今店開いたなら絶対に出来ないであろうボンテージなどSM寄りのコスプレ衣装がそのまま剥き出しにハンガーにかけられ売られている。オマケにVHSの棚を見たらYMOでお馴染みの坂本龍一が出演している戦場のメリークリスマスが置かれていた。流石に驚く。
そして少し奥に行くともう18禁コーナー。暖簾を挟んだ一角には週刊号が数年前で止まっているコミックスが100円で売ってあり、奥のコミックスは割と最近のものまで品揃え多く置かれていた。
一旦レジカウンターまで戻りまた左に行くと暖簾の隙間からアダルトビデオの山が見える。早速入ってみた。すると今までのアダルトショップとは全く訳の違う構図が広がった。
最近のものから昔のアダルトビデオまで当たり前のように陳列棚に置かれ、本棚の下の隙間にあるボックスにはまさかのVHSのアダルトビデオが100円で割と品揃え多く置かれていた。如何にも当時のディープさと言うかアングラっぽさを彷彿とさせる雰囲気である。何よりポータブルDVDプレイヤーからそのままアダルトビデオが流れているのも乙なものである。そしてアダルトコーナーと言えばグッズが醍醐味ではあるが、これまたビックリ。当たり前のように置かれているものの、箱が若干色褪せていたりするものから最近のものまであり、とてもアダルトグッズの欄にしては年代の幅が広すぎる。オマケに隣の棚にはSMプレイで使うであろうグッズからコスプレ衣装からずらっと棚一面に置かれていた。なんなら少し窪んだ壁の一角には女性モノのパンツの詰め合わせとか普通に置かれてたし。
もっと凄い事があった。棚の横の部分にチラシが貼ってあるので読んでみると「熟女・メール・電話 ○○分 5000円 引換券」などと書かれていた。これには度肝を抜かれてしまった。一昔前の自販機の横に、路地裏の広告に当たり前に貼ってあったようなものが当時の雰囲気保ちつつ令和の今でもご健在であった。今では空いてる路地裏の壁には議員のポスターばっかりで埋まっているのが当たり前になってしまったが、逆になんでここにこれがあるんだと。もうどこを見渡しても気分は3,40代である。今打っているこのスマホでさえもipodに見えてしまった。もしかしたら今文章を打ってブログを上げようとしているこのサービスはnoteじゃなくてmixiかもしれない。それくらいまで錯覚しても可笑しくないまである。かつては小学生が親に「怖いお兄さんとかが沢山いるから行ってはいけない」などと諭されるので有名な某書店があったが、2002年頃に大火事になりお宝が全滅してしまった。まあとっくの昔の話だが、最近また改装された今ではクレーンゲームの宝庫と化してしまい、あの近寄り難い風貌なんてものは無くなってしまった。が、そんな夢のようなサブカルチックな場所がまだ地元には残っていた。流石ラブホの街と言われたまである。
そして帰る前にもう一度全年齢が入れるスペースの本棚をぐるりと一周してみた。うわ、手前の本棚には新日本プロレスの雑誌の表紙に若い頃の前田日明がどデカく載ってるし、下にあるプロレスの本には力道山がいる。おまけに隣の棚はデコトラの本で全部埋まってる。あれ、今って何年だっけ?
そんなタイムマシンに乗ったような不思議な体験をしたのである。タイトルの浪漫飛行とは正しくこのことである。そして綺麗にタイトル回収をした所で今回の珍しい備忘録を〆ようと思う。
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