見出し画像

大学受験の英文読解

今回は大学受験における「読解」の学習についてです。もちろん大学受験以外の読解学習にも通じるところは多いと思います。

大学入試における長文読解問題というと、解法を身につけなければ、と考える人も多いでしょう。長文中の設問は大きく分けると、文章全体の理解を問うものと局所的な理解を問うものの2つがあります。解法を身につけて使いこなすには、この2つの読み方ができなければなりません。文章全体の理解と文章中の一部分の局所的な理解は相互に依存する関係にあります。文章全体には一文一文の理解が必要ですし、一つ一つの文の理解には文脈を踏まえる必要があります

このように考えていくと大学入試のための読解学習には精読が必要であることが明らかになってきます。文法項目ごとの文レベルの学習が進んでいって文章レベルの学習に移行させていくときに、まず最初に取り組むべき学習活動が精読なのです。理想的には文レベルの学習と並行して、文構造の難しくない文章でパラグラフのしくみに習熟していくほうがよいですし、日本語の短い文章を書くことでパラグラフを自分でまとめられるようにすることも大切です。しかし、学習計画を単純な単線型で組んでいくとすれば、文レベル学習から文章レベル学習へという流れになり、文章レベル学習のスタートは精読からとなります

逆に言えば、さあ今から精読を始めましょう、となったときに、「まだ精読に取り組める自信がないな」と思う人は、文レベル学習が不十分であるという自覚があるということです。これが流し読みのような読解学習をしていると、その自覚が得られず、文法学習が不十分なままになってしまいます。読み流しは入試問題集のようなものでやるものではありません。読み物として楽しめる多読教材を利用すべきです。多くの受験生にとっては入試レベルの英文は多読には向きません。精読に用いるべきです。その精読の前提には文レベルの表現や理解がしっかりできていなければなりません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?