日帰りトリノ旅〜観光編〜
前回の記事では、ミラノからトリノへ高速バスを利用した行き方と、美食の街として知られるトリノの名店をご紹介しました!
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今回は見所たっぷり!観光編をお届けします。
トリノには美術館や博物館など、様々な観光名所があります。色々と巡る前におすすめしたいのがトリノ•ピエモンテカード。2ヶ所以上予定している方は、確実にお得になります。
このカードを購入すると、トリノだけではなくピエモンテ州内190ヵ所の文化遺産や美術館、博物館を無料または割引で利用できます。
1カ所につき最低でも15€〜の入場料を払うとなると、1度購入してスムーズに入館できるのは時間もお金も節約になるので知っているとかなりお得です!
オンラインで購入もできますが、今回は現地のカウンターで1日券を購入しました。
他にもGTT(トラム•バス•地下鉄)が乗り放題になるチケットもセットで購入できるとの事なので、自分達のスタイルにあった情報を事前にチェックしておく事をおすすめします。
カードをゲットしたら早速観光!
まずはエジプト博物館へ。
トリノにまでに来てなぜエジプト?と思うかもしれませんが、本家エジプトの首都にあるカイロ博物館に次いで、世界2位の収蔵数なんです。
少しその経緯に触れると、最初にトリノにエジプトの発掘物がやってきたのは1628年のこと。サヴォイア王カルロ・エマヌエーレ1世が獲得したブロンズ製の「イシアカの祭壇(Mensa di Isiaca)」。ナポレオンが古代エジプト文化に興味を示し、初の本格調査を行う際に、ベルナルディーノ・ドロヴェッティというトリノ人が参加しトリノへ発掘品を送った事をきっかけに、その後も様々な背景があり1831年に博物館がオープン。現在ではエジプトからも研究者が足を運ぶのだそうです。
ミイラは本物を見るとやはり少しだけギョッとします。笑
ですが、ミイラの起源は『死者は名と共に生き続ける』という思想から。魂の器として身体を生前同様に保つ必要があったことから、名を残し、いつでも死者が帰ってこれるようにという願いをカタチにしたものです。
かなりリアルなミイラもあるので、観覧注意の注意書きを参考にしてくださいね。
数メートルにもなるスフィンクスから、手のひらサイズの副葬品、書物まで。その収蔵数の多さは膨大で、かなり時間がかかりますが、独自な文明を生み出し発展させ、現代まで語り継がれている貴重な現物を当時のまま間近で拝見できる機会は素晴らしいなと感じました。
時を経て、異国の土地へ運ばれた歴史にもロマンを感じ、先人たちの知恵や技術に時間も忘れてついつい見入ってしまいます。
続いては絶対に外せない!
世界遺産トリノ王宮へ。
トリノの歴史はここから始まったとも言われています。
イタリア統一運動の際、主力となったサヴォイア家が統一後にトリノをイタリアの首都としました。トリノ王宮は1584年〜1658年に70年あまりかけて造られ、その後、一部増築などを経て18世紀に現在の姿となりました。左右対称が美しく、時代を反映するかのように、ネオクラシック様式、バロック様式、ロココ様式と様々な建築様式が用いられています。トリノの中心地、カステッロ広場にあり、いわばトリノのランドマークとも言えるでしょう。
外観はシンプルな造りとなっていますが、一歩足を踏み入れると打って変わってエントランスから彫像やフレスコ画がぎっしり!階段を登るたびにその圧倒的豪華さに眼が眩みます。
階段を登りきり、扉から中へ入ると迎賓ホールに繋がっていて、ここでスタッフの方へチケットを掲示すると本格的に王宮ツアーがスタートします。
天井も高く、上壁一面のフレスコ画、ライトや装飾の数々がとにかく素晴らしい。ピアノも常置されていて誰でも弾くことができます。ピアノの音が反響する広間で隅々まで鑑賞していると、なんだか当時のサヴォイヤ家に招待していただいたかのような優雅な気分に浸ることができます。笑
ネオ・バロック様式で構成されたお部屋は部屋毎にカラーテーマがあり、そこに統一されたゴールドが組み合わさっていて、どこを見てもゴージャスそのもの。『王位の間』は赤が基調とされており、天蓋付きの王座がとても立派でした。シャンデリアも一際豪華。調度品や家具もお部屋によって様々でしたが、東洋の文化も取り入れており、和洋折衷のミックス感に興味をそそられました。部屋数の多さにも驚かされながら、部屋毎に違ったムードも楽しめます。
ダイニングには、数メートルにもなるテーブルにお皿やグラス、カトラリーが並び、フレスコ画やシャンデリアが煌びやかで眩しいほど。晩餐会の様子が垣間見えます。サヴォイヤ家の料理人は、舞踏会用のメニュー本を書いたことでも知られるジョバンニ・ビアラルディ。美食の街として知られるトリノは、当時から食の拘りも強かったのですね。
豪華絢爛のお部屋の数々を拝見した後は、武器博物館へ進みます。
1837年に開設された博物館では、12世紀〜18世紀にかけてのサヴォイヤ王家縁の武器・武具コレクションが展示されています。
数々の鎧兜を纏った騎士や馬、銃や剣、武器の数々がズラリと並ぶ展示方法は圧巻!今にも動き出しそうなほどの迫力です。カラーリング、装飾だけではなく、眼を凝らすと柄が細かく施されており、戦いにかけるプライドや情熱をヴィジュアルにも反映させていたのだと感じました。
ダンスホールは、壁までダンスを楽しむ人々のフレスコ画になっていて、シャンデリアやコリント様式の白い柱がいくつもありました。他の部屋に比べてカラーリングは白やゴールドを基調としていたので、落ち着いた印象ではありましたが、ドレスアップした人たちがダンスをしながら溢れかえる様子を妄想するだけで気分は高揚!チャールズ皇太子とダイアナ妃が踊ったことでも知られるこのダンスホールは、数世紀に渡って幾つもの出会いや交流を生み出してきた国際的社交場だったのですね。
王宮に隣接しているサン・ロレンツォ教会は王宮内部からも拝見できます。サヴォイヤ家がフランスとの戦いに勝利したことがきっかけで、当時売れっ子だったグアリーノ・グアリーニによって17世紀に建設されました。
最大の見所は、画像にもあるクーポラの装飾。
下からクーポラを見上げると、バロック様式のもうひとつ特徴でもある『ゆがみ』が絶妙に取り入れられおり、八角系上に伸びる様子が美しかったです。
見逃さまいと歴史に思いを馳せながらじっくりと拝見したので、かなり時間は要したのですが、どこを切り取っても眩いばかりのトリノ王宮!!
トリノ旅行の際は是非訪れていただきたいです。
今回3カ所は訪れたいと張り切ってピエモンテカードを購入したのですが、1カ所ごと時間をかけすぎて体力と集中力が切れそうだったので、潔く次回の楽しみとして取っておくことにしました。笑
日帰りトリノ旅のグルメ編と観光編にわたってご紹介しました。グルメと観光それぞれの面から見ても大満足なトリノ。イタリア旅行の際は、少し足を伸ばしていただきたくらい、オススメが盛りだくさんで、お気に入りの街になりました。
またいつかトリノの新しい情報をお届けしますね!
拝読いただきありがとうございました。
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