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会話でバレるドSの差

 お笑いタレントの東野幸治さんは2001年に奥様と離婚するも2011年に復縁し、再婚されております。これをバツ1と呼んでいいのか判断に困りますが、少なくとも離婚を1回は経験されている。

 どの番組だったか全く思い出せなくて申し訳ないのですが、とあるバラエティ番組で芸人の浜田雅功さんと宮迫博之さんが東野さんの離婚に関してこんな会話をしていたと記憶しています。以下、敬称略です。

宮迫「東野さんが離婚した時、僕『ラヴ・イズ・オーヴァー』歌いましたよ」
浜田「俺は『オリビアを聴きながら』歌ったった」

 どちらの曲も往年の失恋ソングと言えるでしょう。「ラヴ・イズ・オーヴァー」は1979年リリース、台湾出身の歌手である欧陽菲菲さんの代表曲であり、オリコンチャート入りしたのが1983年というロングセラーの作品です。様々な歌手にカバーされている曲でもあります。「オリビアを聴きながら」は1978年リリースされた杏里さんのデビュー曲で、オリコンチャートの順位はそこそこではありましたが、こちらも現在に至るまで様々な歌手によってカバーされており、長く親しまれている楽曲となっています。

 恐らくどちらも東野さん世代が良く知る失恋ソングでしょう。離婚したての東野さんを前にそれらを歌う。傷口に塩を塗って笑う、芸人ならではの慰めです。

 私、番組を見た時は単に笑って終わらせていました。しかし、後になってふと思いました。そう言えば、その2曲はどんな歌詞なのだろうかと。恥ずかしながら名曲の歌詞を存じ上げない私、改めて調べてみました。以下のリンク先にそれぞれの歌詞がございます。

ラヴ・イズ・オーヴァー
https://www.utamap.com/showkasi.php?surl=31834
オリビアを聴きながら
https://www.utamap.com/showkasi.php?surl=35643

 2曲の歌詞を比べてみると、どちらも女性目線の失恋ソングですが、内容が全く違うと気づきます。

 「ラヴ・イズ・オーヴァー」はの「女性」はとにかく男性を慰めようとポジティブなメッセージを発信しています。「ここで私たちは別れるけど、きっとあなたはいい人と出会えるし、あなたのことは絶対に忘れない」。どこか前向きな印象すら受けます。

 一方「オリビアを聴きながら」の「女性」はもう元カレのことなど何とも思っていません。「いや、確かに好きで付き合ってたけどもう別れたんだし、連絡なんて取る気ないんで」。歌詞自体は綺麗な文章ですが、気持ちはしっかり冷めているのが分かります。

 繰り返しになりますが、宮迫さんが歌ったのは「ラヴ・イズ・オーヴァー」、浜田さんが歌ったのは「オリビアを聴きながら」です。離婚したての人にとってどちらの曲が大ダメージかと言えば、どう考えてもオリビアでしょう。

 もちろん、宮迫さんは東野さんの後輩で、浜田さんは東野さんの先輩という違いはあります。しかし、同じ傷口に塩を塗るにしたって、宮迫さんの選曲が傷口に食塩を振りかける程度だとしたら、浜田さんの選曲は動脈に岩塩の塊をねじ込むくらいの差があるでしょう。

 どちらもドSと言われてきた方ですけれども、やはり浜田さんのほうがSっぷりでは上なのでしょう。バラエティ番組の会話でそれがハッキリと現れたのだと私は勝手に思っています。

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