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今日もどこかでうんこマン

 私は普通に近所を歩いていただけなんです。そうしたら、近くの家のドアが開いて、中から出てきた女性がいきなりこう言ったんです。

「うんこマーン」

 私は下ネタが全然平気な人間ではありますけれども、いきなり下ネタの不意打ちを食らいますとやっぱりビックリしてしまいます。更に女性は歌い始めました。

「うんこマーン、うん♪ うんこマーン、うん♪」

 オリジナルの旋律で、しかも歌い慣れている。とても即興とは思えないクオリティです。アイデアを少しずつ形にし、人前で披露できるレベルにするまで試行錯誤を重ねたに違いない。

 私としてはその場に立ち止まってうんこまんの歌を聞くわけにもいかず、そのまま通り過ぎてしまいました。その間も女性はうんこまんの歌を口ずさんでいました。

 別に私に向けて歌ったわけではないと思います。たまたま歌いながらドアを開けたら、私がそばを歩いていただけだったんでしょう。女性は私の存在には気づいていたと思うんですけど、「急に歌うのをやめて気まずい空気にするくらいなら歌い続けてやれ」と考えたのか、それとも「この素晴らしいうんこまんの歌はひとりでも多くの方に聞いてもらいたい」という確固たる信念を持っていたのかは知りませんが、女性はずっと歌い続けていました。近所迷惑も考慮してか、ほどほどの声量ではありましたが、妙にリズミカルだったことから考えても明らかに楽しそうだったと記憶しています。

 しかし、本当によくできた歌であり、一朝一夕で出来上がったとはとても考えられない。まさか本当に実際あるのかと思って「うんこマン」で検索してみたところ、Googleでは約7,560,000件ページがヒットいたしました。おびただしい数のうんこマンです。「うんこまん」で検索すると約2,290,000件に激減するのもよく分かりません。とにかく、これではあの女性がどのうんこマンを歌っていたのか特定するのは困難です。

 念のため「うんこマンの歌」でGoogle検索してみたところ、それでも約920,000件ものページがヒットしましたし、歌が収録されている動画もバンバン出てきます。とりあえず、5つくらい動画を見たんですが、どれもあの女性が歌っていたものとは旋律が異なります。やっぱり特定は困難でした。

 噂では「うんこ」は時代を問わず非常によく検索される言葉なんだそうです。子供から大人まで知っていますし、ふざけたい人にとってこんな便利な言葉はありません。検索する人はもちろん、情報発信する側だってうんこを活用する方は後を絶たないでしょう。だから、みんな「うんこ」と検索して、出てきた検索結果の多さに「世の中ふざけた輩がこんなにたくさんいるのか」とすがすがしい気持ちになるわけです。

 そりゃあ、うんこマンの歌もたくさん生み出されますし、世界のどこかで歌われるはずです。ひょっとしたら、人にはそれぞれ心のうんこマンがいるのかもしれません、人類の数だけうんこマンがいる。はしゃぎすぎて訳の分からないことを書いてますね。それでは今回はこの辺で。

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