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2024年3月期決算説明会PDFを生成AIに説明してもらう


トヨタ自動車が2024年5月8日に発表した2024年3月期決算のPDF資料を、いくつかの生成AIに読ませてみました。

ここで対象にするのは「連結営業利益増減要因」のページです。
以下のように問い合わせました。

連結営業利益増減要因について説明してください。

トヨタ自動車が2024年5月8日に発表した2024年3月期決算のPDF資料から

利用したAIはいずれも無料枠で使える範囲で使っています。
PDFをアップロードできないCopilotGeminiは使用していません。

結果、けっこういい感じでした。
着目点がわかる感じ、資料を作るならその下書きの文章になる感じです。
ただ、どの生成AIもそうですが、今回のグラフについては、ラベル(文字)とその数字を一致させるのは難しいようです。

ChatGPT4-oの回答

※ 実際には諸経費の増減・低減努力は+3,800億円、その他は+2,029億円など、表に記載の数字はピックアップしてくれていますが、ズレが生じています。
※ 諸経費の増減・低減努力その他の数字を、その他為替変動の影響の数字を引っ張っていました。
内訳については、ピッタリです。


営業利益の増減要因(2024年3月期)

  • 営業利益:+26,279億円 ○

    • 原価改善の努力: +1,200億円 ×

    • 諸経費の増減・低減努力: +2,029億円 ×

    • その他: +6,850億円 ×

    • 為替変動の影響: +20,000億円 ×

      • 為替・スワップ等の影響除き:+17,400億円 ○

    • 営業面の努力: +3,800億円 ×

内訳

  1. 為替変動の影響

    • 輸出入等の外貨取引分: +5,900億円 ○

      • 米ドル: +4,700億円 ○

      • ユーロ: +1,450億円 ○

      • その他通貨: △250億円 ○

    • 海外子会社の営業利益換算差: +950億円 ○

  2. 営業面の努力

    • 台数・構成: +9,800億円 ○

    • バリューチェーン: +1,000億円 ○

    • 金融事業: △600億円 ○

    • 補給・用品/中古車/コネクティッドほか: +1,600億円 ○

    • その他: +9,200億円 ○

  3. 諸経費の増減・低減努力

    • 労務費: △2,250億円 ○

    • 減価償却費: ±0 ○

    • 研究開発費: +50億円 ○

    • 経費ほか: △1,600億円 ○

  4. その他

    • スワップ等の評価損益: +1,405億円 ○

    • ロシア生産終了(前期の一時費用): +995億円 ○

    • インフレ会計等の影響: △1,853億円 ○

    • その他: +1,482億円 ○

このように、営業利益の増減要因には、為替変動や原価改善、諸経費の調整などが大きく寄与しています。


Google AI Studio & Gemini 1.5 Flashの回答

System Instructions:あなたは財務に詳しいAIアシスタントです。数字を使って説明してください。

※ 実際には為替変動の影響は+6,850億円、営業面の努力は+20,000億円など、GPT4-o同様にグラフに記載の数字はピックアップしてくれていますが、こちらもラベルと数字でズレが生じています。
※ 「2025年3月期の見通し」のページ(後出)まで参照してくれています。数字はきちんと資料から拾ってくれています。説明も概ね正しいようです。


2024年3月期の連結営業利益は、前年比で26,279億円増加し、53,529億円となりました。この増加は、以下の要因に起因します。 ○

  • 為替変動の影響(+20,000億円) ×
    米ドルとユーロの円安が、輸出入等の外貨取引にプラスの影響を与えました。米ドル換算で+4,700億円、ユーロ換算で+1,450億円の増加です。 ○

  • 営業面の努力(+9,800億円) ×
    販売台数増加、バリューチェーン強化、金融事業の改善、補給・用品・中古車・コネクティッド事業の拡大など、様々な面での努力が実を結びました。 ○

  • 原価改善の努力(+3,850億円) △
    材高騰の影響を受けながらも、原価改善の取り組みを進めた結果、前年比で3,850億円の改善を実現しました。 △

一方、2025年3月期の連結営業利益は、43,000億円の見通しです。これは、前年比で10,529億円の減少となります。 ○
減少の要因は以下の通りです。

  • 市場環境など(-3,529億円): 世界経済の減速や、半導体供給不足などの影響が予想されます。 ○

  • 人への投資(-3,800億円): 人材育成、仕入先・販売店の支援など、人への投資を積極的に行うため、費用が増加します。 ○

  • 成長投資(-3,200億円): モビリティカンパニーへの変革に向けた、BEVや水素などのマルチパスウェイ戦略や、ソフトウェア・AIなどへの投資を加速するため、費用が増加します。 ○

これらの要因を総合的に判断し、2025年3月期の連結営業利益は43,000億円の見通しとなっています。


※ 上記で参照している「2025年3月期の見通し」のページは、例えば以下になります。

トヨタ自動車が2024年5月8日に発表した2024年3月期決算のPDF資料から

Google AI Studio & Gemini 1.5 Proの回答

Flashの時と解説スタイルは多少異なりますが、より正しく数字をピックアップしてくれている感じです。
※ ただ、要因を4つに分解していますが、実際には「為替変動の影響」「営業面の努力」「原価改善の努力」「その他の影響」「諸経費の増減・低減努力」の5つです。


連結営業利益の増減要因について説明します。

2024年3月期の連結営業利益は5.35兆円で、前期比で26,279億円増加しました。この増加要因は、以下の4つに分解できます。 ○

  1. 為替変動の影響: 米ドルとユーロの円安進行により、輸出入等の外貨取引で5,900億円のプラス影響がありました。 ○

  2. 営業面の努力: 販売台数の増加、バリューチェーンの改善、およびコネクティッドサービス等の拡大により、9,800億円のプラス影響がありました。  △

  3. 原価改善の努力: 原材料費の高騰に対応するため、資材調達の効率化や生産工程の改善などを実施し、3,850億円のプラス影響がありました。 ○

  4. その他の影響: スワップ取引の評価損益、ロシア生産終了に伴う一時費用、インフレ会計の影響、その他要因により、1,482億円のプラス影響がありました。 △

一方、2025年3月期の連結営業利益は4.3兆円と見込まれており、前期比で10,529億円の減少が見込まれています。 ○

減少要因は、以下の3つに分解できます。

  1. 市場環境の影響: 世界的な経済減速や半導体不足、原材料価格の高騰などの影響により、販売台数が減少すると予想されます。 ○

  2. 人への投資: 従業員の待遇改善や仕入先・販売店の支援など、人材育成や事業基盤強化に向けた投資を拡大します。 ○

  3. 成長投資: 自動車の電動化やソフトウェア開発など、新たな成長領域への投資を加速します。 ○

これらの要因により、連結営業利益は減少すると予想されますが、長期的な成長に向けた投資を積極的に行うことで、持続的な成長を目指しています。


Claudeの回答

※ 「為替変動の影響(+20,000億円)」という回答でしたが、実際には「営業面の努力」の数字です。
※「営業面の努力」についても、AIは「為替変動の影響」を引っ張るなど、ズレが生じています。
※ 「内訳」はうまく解釈できています。


2024年3月期の連結営業利益増減要因について、資料から以下のように説明できます。

連結営業利益は前期比26,279億円増の53,529億円となりました。主な増減要因は以下の通りです。 ○

  1. 為替変動の影響(+20,000億円) ×

  • 輸出入などの外貨取引分が+5,900億円 ○

    • うち、米ドル+4,700億円、ユーロ+1,450億円 ○

  • 海外子会社の営業利益換算差など+950億円 ○

  1. 営業面の努力(+6,850億円) ×

  • 台数・構成が+9,800億円 ○

  • バリューチェーンが+1,000億円 ○

    • うち、金融事業が-600億円 ○

  • 補給・用品/中古車/コネクティッドなどが+1,600億円 ○

  1. 原価改善の努力(+2,029億円) ×

  • 資材高騰が-2,650億円 ○

  • 原価改善が+3,850億円 ○

  1. 諸経費の増減・低減努力(-3,800億円) ○

  • 労務費が-2,250億円 ○

  • 減価償却費は±0 ○

  • 研究開発費が+50億円 ○

  • その他の経費などが-1,600億円 ○

  1. その他(+1,200億円) ×

  • スワップ等の評価損益が+1,405億円 ○

  • ロシア生産終了に伴う前期の一時費用が+995億円 ○

  • インフレ会計等の影響が-1,853億円 ○

  • その他が+1,482億円 ○

以上が、資料に記載された2024年3月期の連結営業利益の主な増減要因です。


Cohere(Chat)の回答

※ 他のAIよりコンパクトな回答になりました。
※ 為替変動の影響は実際には+6,850億円です。諸経費の増減・低減努力が-3,800億円です。
市場環境などの影響人への投資成長投資については、Gemini 1.5 系同様に別のページの25年3月期の見通しの数字を参照しています。


2024年3月期の連結営業利益は53,529億円で、前期比で26,279億円の増加となりました。この増加は主に以下の要因によるものです。 ○

為替変動の影響:1,200億円 ×
原価改善の努力:3,850億円 ○
諸経費の増減・低減努力:6,850億円 ×
営業面の努力:9,200億円 ×

一方で、以下の要因により減少しています。

市場環境などの影響:3,529億円 ○
人への投資:3,000億円 ○
成長投資:3,200億円 ○


Cohere(API)の回答

※ 対象としたつもりの「連結営業利益増減要因」のページではなく、「(ご参考) 連結営業利益増減要因(3ヶ月)」の内容を参照した回答でした。
(何度繰り返しても参照元は変わりませんでした)

※ 資料から数字をピックアップしてくれていますが、「為替変動の影響」は実際には+3,050億円などズレが生じています。AIは隣の「原価改善の努力」の数字を引っ張ってきています。


2024年3月期の連結営業利益は、為替変動の影響や諸経費の増減、資材高騰などの要因により増減しました。

為替変動の影響は、1,850億円の増益要因となりました。 ×
これは主に米ドルとユーロの高止まりによるものです。また、為替・スワップ等の影響を除くと、さらに1,150億円の増益となりました。 ○

一方、諸経費の増減・低減努力により、800億円の減益要因となりました。 ○
このうち、労務費で750億円、スワップ等の評価損益で1,000億円の減益となっています。 ×

資材高騰は1,050億円の増益要因となり、原価改善の努力による800億円の増益要因もありました。 ○

これらの要因が重なり、連結営業利益は4,857億円の増益となりました。 ○


Cohere APIに使ったコードです。

# パッケージをインストール
!pip install llama-index-llms-cohere
!pip install llama-index-embeddings-cohere
!pip install llama-index-postprocessor-cohere-rerank
!pip install --upgrade llama-index
!pip install llama-index-readers-file
# 手元のデータアップロードするフォルダを準備
!mkdir -p 'data/mydata/'
# Cohere Pipeline with LlamaIndex
# rerank

#from llama_index import ServiceContext, VectorStoreIndex
from llama_index.core import VectorStoreIndex, SimpleDirectoryReader
from llama_index.llms.cohere import Cohere
#from llama_index import VectorStoreIndex, SimpleDirectoryReader, ServiceContext
from llama_index.core import VectorStoreIndex, SimpleDirectoryReader, ServiceContext
from llama_index.embeddings.cohere import CohereEmbedding
from llama_index.postprocessor.cohere_rerank import CohereRerank

# Create the embedding model
# CohereEmbedding クラスのインスタンスを作成
embed_model = CohereEmbedding(
    cohere_api_key=COHERE_API_KEY,
    #model_name="embed-english-v3.0",
    model_name="embed-multilingual-v3.0",
    input_type="search_query",
)

# Create the service context with the cohere model for generation and embedding model
# ServiceContext クラスのインスタンスを作成し、LLM (Large Language Model) と埋め込みモデルを指定
service_context = ServiceContext.from_defaults(
    #llm=Cohere(api_key=COHERE_API_KEY),
    #llm=Cohere(api_key=COHERE_API_KEY, model="command"),  #これがデフォルト
    #llm=Cohere(api_key=COHERE_API_KEY, model="command-r"),
    llm=Cohere(api_key=COHERE_API_KEY, model="command-r-plus"),
    embed_model=embed_model,
    system_prompt="あなたは財務の知識を豊富に持つAIアシスタントです。資料中の数字を使って解析を行います。回答わかりやすく、丁寧に日本語で行います。"
)

# Load the data, for this example data needs to be in a test file
data = SimpleDirectoryReader(input_files=["/content/data/mydata/2024_4q_presentation_jp.pdf"]).load_data()

# 前述のデータとサービス コンテキストを渡します。このインデックスは、検索クエリを実行するために使用
index = VectorStoreIndex.from_documents(data, service_context=service_context)

# Create a cohere reranker
# CohereRerank クラスのインスタンスを作成します。これは、検索結果を再ランク付けするために使用
cohere_rerank = CohereRerank(api_key=COHERE_API_KEY)

# Create the query engine
# index.as_query_engine() メソッドを呼び出してクエリ エンジンを作成し、 node_postprocessors パラメーターに前述の cohere_rerank オブジェクトを渡します
# これにより、クエリ結果の再ランク付けが有効
query_engine = index.as_query_engine(node_postprocessors=[cohere_rerank])

# Generate the response
# クエリ "・・・?" の応答を取得します。
response = query_engine.query("2024年3月期 実績の連結営業利益増減要因を、必ず資料中の数字を引用し、「xx億円増えた」や「yy億円減少した」などの表現を使い、もっと詳しく丁寧に説明してください。内訳の説明もお願いします")

print(response)



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