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儀式 ・一杯のお酒と/その1

バーで飲むことが好きだ。

その時は、まず一杯目を決めている。写真の「ギムレット」をどのバーでも(なるべく)一杯目に頼むようにしている。

よく、「そのバーの腕前は〇〇を飲めば判る」という言葉を聞く。これがジンフィズだったり、マティーニだったりする。
自分はそれほど違いのわかる程の通っていないけれども、初回入るバーであれば、ギムレットがきちんと冷えていて、ジンの好みを聞いてくれて、砂糖も程々に切れ味のよい仕上がりになっていれば、このお店は安心だと判断している。
仕上がりがぬるかったり、素材が混ざっただけの「ライムジュースのジン割り」みたいなのもにも出会ったことがあるので、概ね見分けるに足る材料とは思っている。

また、前のお店で味わった舌をリセットする意図もある。酸度の高いライムが舌を洗って、ジンの強アルコールが胃に落ちると気合が入る。
氷を飲み込むほどに冷えている液体を含むと、火照った身体に緊張が走り、バーカウンター越しでお酒を味わうための集中力に背筋も改めて伸びるように感じる。

ギムレットは自分にとって、カウンターバーで飲み始める前の一種の儀式のようなものである。この儀式が成功することで、二杯目への集中力が高まるのだ。

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