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砂電池って何?

クリーンなエネルギーとして太陽光発電や風力発電が注目されているが、再生可能エネルギーは発電量が不安定なため大容量の蓄電池が欠かせない。BBC(英国放送協会)は2022年7月5日、フィンランドのPolar Night Energyが、世界で初めて砂に熱エネルギーを蓄える「砂電池」の商用運転を開始したと報道した。蓄熱装置はカンカーンパーという町にあるVatajankoskiの発電所に設置。幅4メートル、高さ7メートルの円柱形の容器に詰められた100トンの砂は、約500度の熱を蓄えることができる。抵抗加熱(抵抗器に電流を流しジュール熱を発生させる)で熱伝達パイプ内の空気を加熱・循環させ砂を温める。砂は熱を蓄えるのに非常に効果的な媒体で、数か月にわたって500度を維持できる。装置は100キロワットの暖房能力と8メガワット時のエネルギー容量を備える。Vatajankoskiはこの装置を利用して地域暖房ネットワークの水を温め、家庭やオフィス、さらには地元のプールにポンプで供給する。

2022年5月10日からの訪日を前にフィンランド・ヘルシンキの首相公邸でインタビューに応じたサンナ・マリン首相は、北大西洋条約機構(NATO)への加盟について「今月中に意思決定がなされる」と表明。ロシアはフィンランドに対し5月15日に電力、21日にガスの供給を停止した。

2021年8月30日、アメリカの国立再生可能エネルギー研究所(NREL)は、「ENDURING(珪砂を使用した熱エネルギー貯蔵技術)」のプロトタイプを使用したテストの最終段階に入ったと発表した。太陽光や風力の余剰電力を利用して、蓄熱材の珪砂を抵抗加熱で1200度に熱し、コンクリート製サイロで保温。電力需要が高い時間帯などに熱交換器に重力で供給し、ガスを加熱・加圧することでタービンを回して発電。冷えた珪砂はサイロの上部へ運ばれ、再び加熱・保温される。

2021年1月に誕生した米バイデン政権は、2030年までに温室効果ガス排出量の65%を削減し、2050年までに連邦政府の業務をゼロエミッション化することを目指している。ENDURINGプロジェクトは、これらの目標を達成する上で重要な役割を果たすと考えられている。

※ 見出し画像にはPixabayのフリー素材を利用しています。

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