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遺灰を換金?

火葬場を持つ全国の自治体で、遺骨を骨つぼに納めた後に残った「残骨灰(ざんこつばい)」から金や銀などの貴金属を抽出して換金する取り組みが広がっている。残骨灰は火葬後に残る細かい骨や灰で、治療した歯や人工関節、ペースメーカーなどの製造に使用された貴金属が含まれている。全国20の政令指定都市のうち、残骨灰を売却または抽出した貴金属を売却しているのは15市。残骨灰の取り扱いに明確な定めはなく自治体に委ねられているが、故人の尊厳を理由に売却を実施していない自治体もある。

危機的な財政状況にある京都市は、2022年度末に残骨灰の保管場所が満杯になることを理由に、残骨灰を細かく粉砕して圧縮し、抽出した金属を精錬して売却することを決めた。山科区にある市営の火葬場・中央斎場の敷地内では、袋に入れられた残骨灰を保管している。2022年の秋、2021年の1月から9月分の約39トンの残骨灰から、約35キロの貴金属を抽出。圧縮した残骨灰2.3トンは、再び保管場所に戻した。抽出された貴金属の内訳は、金約7.2キロ、パラジウム約6.3キロ、銀約21キロ、プラチナ約0.2キロで、売却額は約1億1950万円と見込まれている。京都市は、「骨つぼに収骨した後に残った骨は遺骨ではなく、火葬場管理者の所有」とする1910(明治43)年と1939(昭和14)年の大審院(現在の最高裁判所にあたる)の判例を根拠として、制度を導入。今後、ほかの残骨灰についても同様に取り扱うとしている。

大分市でも残骨灰の処理が検討されている。

※ 見出し画像にはPixabayのフリー素材を利用しています。

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