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恋した女が勧誘セミナーの手先だったハナシ 3

前回のハナシはこちらから読めます⬇︎



第三章「師匠カナコの頼んでもいないありがたい話」


女の名前はカナコ

なんか会社とかいっぱいやってるマツモトリサの師匠だと説明されたが動揺してあまり覚えてない

僕がオロオロしてると例によってマツモトリサが言い訳を始めた

たまたまこのカフェで待ってたら、たまたまカナコさんが入ってきて、たまたま暇らしいから、たまたま...」

いくらなんでも“たまたま”が過ぎる
もうそこまで“たまたま”が続くと運命の人じゃねえかとも思える



ここからカナコの落語家のような一人喋り

自分がいかにグローバルな視野を持っていて常識にとらわれないかをいろんな言葉を使って一生懸命教えてくれた

お前が来月オーストラリアに行くなんて知らねえよ
まずお前誰だよ

お前が会社で億動かしてるなんて知らねえよ
億持ってるじゃなくて、億動かすってなんだよ。運搬してるってこと?現金輸送車のトラクター?


あとマツモトリサに続きカナコにも金持ち父さんを勧められた
もういいよお前
何者なんだよ金持ち父さん

僕とあいつらの読書ってまるで違うみたいで、
あいつらのいう読書ってビジネス書で勉強することらしい

なんで僕が「本は小説しか読まないんですけど」と伝えたら、カナコが一言

「金持ち父さんは会話で進むから小説だよ」

お前もそれ言うのかい
小説なめんなよ

そんでカナコは小一時間スピーチした後、スーパーモデルみたいな歩き方で帰って行った



その後2人で約束通りジャズに行くことになったが、カナコっていうデートにどう考えてもイレギュラーな登場人物が出てきたと言うのに、それをすっぽり忘れて楽しんだ

多分このジャズライブ中に僕のマツモトリサへの好意が最高到達点に達してたように思う
片思いギア5

女の子とライブに行くなんて経験したことないから僕は相当興奮していた
こんな時間が一生続けばいいのにって本気で思った

だけどマツモトリサは2時間のライブなのに15分で帰った
なんか急用とか言って
いや、一応これがデートの目玉だよね??

その後に聞いたジャズは、情緒がボロボロだから音がバラバラに聞こえてずっと不快だった
全部下手くそに聞こえた

そして追い打ちをかけるようにマツモトリサからラインが

ここからマツモトリサへの好意は峠を越え、どんどん下っていくことになる


最終章「マルチ🟰失恋」

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