見出し画像

嗚呼、僕の消防士人生④


「嗚呼、僕の消防士人生」シリーズ


終わりどころを失っている。


そら書くからにはちょっと笑かしたいし


機密性も高かったりするから言えないこともあるけど


知らないことを知るのが


面白いと言われることもあるので


みなさんが知らないようなことを書けたらと



最近、僕は眠れていない


いろんな要因があると思うが


一番大きな要因は


家の近くに電車が走っているからだ


通過するたびに


家が、揺れる


揺れに、揺れる


終電は12時50分頃


始発は5時過ぎだ


走ってない間寝れたとしても


4時間


この街、電車、走りすぎちゃう?


みんな歩こうや、もう


鉄道会社さんも、もっと休もうぜ


売れたら養うからさあ


ねぇ?


ゆうとりますけども


そんな僕の家は、一軒家で


元々ゲストハウスとして使われていたのを


賃貸で借りて4人で住んでいるが


三階が特に揺れる
(僕の部屋がある)
(ほんで改めて三階建てすごいな)


以前


あれ、電車の音しないな
と思ったら


震度3の地震がきてたことがあるくらい


家が揺れる


つまり毎日震度3程度の揺れが


10分に一回くらいあるとも言える


普通に窓とか陶器系のものが


カタカタ言うくらい揺れる


でも他の同居人は


あんまり気にならないらしい


この僕の神経質さは


これは消防士時代に刷り込まれた
異変に気づく力のせいな気がしている


現場で勤務する消防士は


朝出勤したら翌朝まで家には帰れないのだが


朝8時半に出勤すると
日中は訓練、事務作業などがあり


17時ごろには市役所などと同じように
一旦区切りがつく


そこから20時30分くらいまでは


自由時間とまでは言わないが


ある程度仕事に関するちょっとした訓練や


筋トレ、勉強などに充てたり


その途中に夕食、入浴などを済ませ


ミーティングをしたのち


だいたい21時から翌6時くらいまでが


仮眠時間となっていて


その9時間を、3つのグループに分けることで


事務所には常に誰かがいるようになっている


わかりやすくだいたいの例で言うと

①21時〜0時まで事務所で勤務


②0時〜3時まで事務所で勤務


③3時〜6時まで事務所で勤務

こんな感じで分けられていて


事務所で勤務する時以外は、


仮眠室で仮眠することができる


特に②はしんどくて


一度21時に寝れるものの、0時に起こされて


3時間は事務所で
事務仕事をしたり、勉強などをこなし


また3時から6時まで寝て


8時半の交代まで勤務する


てな具合で


十中八九、翌日お肌はボロボロになる


と、今説明したタイムテーブルだが


その中に災害対応は、含んでいない


1日に何件も出動したことも当然あるし


災害はまさにいつ起こるわからない


災害と言っても


火事だけでなく交通事故や、急病はもちろん


報知器の誤作動が止まらなかったり、


雨が降りすぎて道路が冠水しても呼ばれたりする


これはもちろん、時を選ばない


ご飯食べている時でも


お風呂入っている時でも


寝ている時でも


筋トレしすぎて動けなくなっている時でもだ


例えばカップラーメンに
お湯を入れて待っている時に出動となれば、


最低でも1時間は帰ってこないので


スープから麺をザルに出しておくのが
若手の仕事だ


入浴時、体を洗っている時には


泡まみれでも


指令が鳴れば


浴槽へダイブして、びちゃびちゃのまま出動だ


寝ている時に仮眠室の電気がつき、
指令の放送が鳴った日には


動悸がとんでもないことになる


血流の勢いが一気に跳ね上がる感じ



急に起こされたことと、


現場にいくんだというか緊張感が相まって


脈拍は160くらいになると思う


動悸、息切れ、きつけに、救心、救心 の


救心のCMの、


動悸ってこれか、って思う


命ィ…削ってるぅ…   


とか


これで倒れる人とかおるやろなあ…


とか思うし


起きた時、しんどすぎて



クソッ…!とか独り言で言ってしまう


ちなみに署にもよるが、


寝ている時の救急隊は


仮眠室の電気がつくだけで


出動だと知らせる署もあり
(だいたいの署は同時に指令放送も鳴るが)


これで幾多の若手が電気だけでは起きれずに


出動に置いていかれるのを経験する
(僕はないけど、同期は正座させられたと聞きました)


ちなみに、仮眠の交代は


基本的に電気が点くのみで起こされる


これに遅れるのも、


あんまり怒られるようなことはないが、


非常に気まずい。


怖い上司が前の夜間勤務だとさらに気まずい。


かと言ってアラームをかければ


隣の仮眠室まで聞こえたりするので


どうしても、
電気のみで起きなければならない。


だが、


「3時に絶対に起きる」


と強烈に意識して寝ると、


起きれるのだ。


みなさんも絶対に遅刻したくない日に


強く思うと起きれるみたいな経験があると思うが、


それが仕事の日は毎回と思ってもらえればよい。


そうなると願っただけで


何故か2時56分とかに起きれるようになるのだ


まあ、それって、しんどいよね。という話で


じきに、強く願わなくても


起きれるようになる


そうなった日にゃ、


仕事じゃない日も


ちょっとした光で目が覚めるような身体が
同時に完成している


朝の日差しなんてものは


一撃必殺、最強の目覚ましだ


そんな敏感なやつ、


家が揺れたら


そら起きます


頼むから、早く僕を元の体に戻してくれ、


と思うばかり

最強芸人までの道をどうか見届けていただけたらと思います。